32/53
バイト先④
結局、ほのちゃんは僕らが退店する直前まで、裏から出てこなかった。
最後はお見送りをしてくれたが、それもミズキちゃんに引っ張り出されてのことだった。
そして今、僕はあっちゃんと二人で駅まで戻っている。
すると、それまでは他愛のない話をしていたのだが、あっちゃんは突然切り出した。
「飲みに行かない?」
「え…いや…」
どうしよう。
この間3人に『告白』をしたばかりだし、二人きりというのはどうなんだろう…
「なに?もう友達じゃないってこと?」
あっちゃんは意地悪な笑みを浮かべながら、こちらを見ている。
そう言われると、弱い。
たしかに、ここで断ると、それはそれで変…なのか?
「いいから行くよ!」
僕が悩んでいると、あっちゃんに手を引っ張られ、強引に居酒屋へと連れていかれた。
「かんぱ~い!」
乾杯してしまった…
まあ、これまで通り…
僕はあっちゃんにキスされたことを思い出した。
必死に記憶を奥底にしまおうとしているが、どうしても意識してしまう。
…今日、大丈夫かな?




