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バンド内恋愛はダメだと一般的に言われていますが  作者: ねくら
第1章

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ライブ後②

ライブ後、初のスタジオ練習は待合スペースでの会話以外、いつも通りだった。


いや、待合スペースでの会話があったからこそ、いつも通りだったのだ。


菜奈さんの視線が痛かったこと以外…


菜奈さんは僕とほのちゃんの関係性に『よからぬ感情』を抱いているらしい。


僕ももうアラサーだし、流石にそこまで鈍くない。


でも、菜奈さんまさか僕のこと…?


いや、それはないだろう。


おそらく『バンド内恋愛』を危惧しているのだろう。


学生時代からモテていた菜奈さんのことだ、恋愛沙汰が常に良い結末で終わるとは限らないことも分かっているに違いない。


スタジオ練習のあと、珍しく4人での反省会は開催されなかった。


ほのちゃんはマキちゃんと遊ぶ予定が、あっちゃんは家族との予定があるとのことだった。


スタジオの会計が終わった後、そそくさと帰ってしまった2人。


僕は菜奈さんと待合スペースに取り残された。


なんだかまだ睨まれている気がする…

その空気に耐えきれず僕は…逃げようと思った。


「じゃあ…お疲れ様でした~…」


菜奈さんは被せるように言った。


「ちょっと待ちなさい?」


僕の大いなる一歩は情けなくコツンと音を立てた。


「飲みにいくよ」


気づいたら僕は菜奈さんと2人でいつもの居酒屋にいた。


菜奈さんはじっとこちらを見ている。


僕はビールが来るまでの間、食事のメニューを選んでいるフリをして目を合わせない様にしている。


おそらく菜奈さんには魂胆がバレているだろうから、ビール、早く来てほしい。


しばらく、僕には永遠に感じられたが、経ってからビールが来たので乾杯をすると菜奈さんは切り出した。


「ビジン、ほのちゃんと付き合ってるの?」


ベタで申し訳ないが、ビールを吹き出しそうになった。

口元をおしぼりで吹きつつ即座に否定した。


「付き合ってないですよ」


「好きなの?」


僕は考え込んでしまった。

分からないと言おうと口を開くと、菜奈さんは僕を制する様に言った。


「いや、大丈夫。今の沈黙で何となくわかったから。」


僕は口ごもってしまう。

困った。


自分の中でも整理出来ていないことを上手く説明できるはずがない。


菜奈さんはそんな僕にお構いなしに捲し立てる。


「私、ビジンのこと結構いいなと思っているから。男として。」


「えっ」


素直にびっくりした。


「だからほのちゃんとグズグズしてると、私があなたを貰うから。いい?」


返答に困りすぎる。

僕は素直に答えることにした。


「すみません…今は何も言えないです。ただ、バンドとメンバーの皆が大切で…それだけは確かです。」


菜奈さんは目線を落として言う。


「そう…そう言うと思った。わかった。ごめんね困らせちゃって」


やっぱり菜奈さんは優しいなと思った直後、


「じゃあ今日は沢山飲みましょう?大人なんだから酒飲んで流れで…ってパターンもあるよね?」


気づいたら菜奈さんのグラスは空いていた。


今日は長くなりそうだ。


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