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作詞④
ほのちゃんが家に来た翌日、僕はノートを睨みつけていた。
そして思い返す。
僕はこれまで、歌詞を誰かに聞かれることを意識しすぎていた。
辞めよう。
誰かの目を気にして『無難』を生み出すのは辞めよう。
僕はそう決意した。
するとペンが走り出す。
これまで自分が口にすることのなかった感情たちがノートに列挙される。
僕はものの数分で歌詞を書き上げて見せた。
タイトルは『無難』。
訣別の意味も込めて、そう付けた。
僕は書き上げた歌詞をバンドメンバーに送り、そっとスマホを置いた。




