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パーティを追放された俺、なぜか女だけの最強ハーレムパーティを作っていた  作者: 自ら(Youtubeで朗読ver投稿中‼️)


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第24話 朝霧の鍛冶場で火加減を合わせる

第24話 朝霧の鍛冶場で火加減を合わせる

朝、王城の石はしっとりしていて、噴水の水音が広場の端で丸く響いていた。

空の色は淡く、風は弱い。

眠たさが残っていても歩ける朝だ。

俺は数珠の留め具に指を当てて、ひと呼吸。

急がない。

落とさない。


「ユウマ」家令が角から現れた。

薄い地図はいつものように腕に抱えられていて、息は乱れていない。

「城下の鍛冶場から。

朝霧で炭が湿り、火が上がらないとの報告。

納品が遅れると、門の検めに影響が出ます」

「鍛冶場なら俺の出番あるな」とケイルが肩の杖を上げる。

珍しくうれしそうな顔。

「撃たないけど、火を見るのは好きだ」

セリアは視線だけで空を測り、「霧は重くないが、炭の目に座る。

火は強くすると怒る。

弱めて長く」と短く言う。

リリィは剣の柄から手を離し、「入口で並びを見る。

狭い場所はぶつかる」と淡々と続ける。

マリアは少し伸びをして髪のリボンを結び直し、「歌は薄くね。

火は静かな方が好き」と笑った。


鍛冶場は川沿いの通りの一角にあって、扉を開けると鉄の匂いが真っ直ぐに出てきた。

炭床の上に火種はあるのに、高くならない。

炉の前で親方が腕を組み、真面目な目のまま眉を寄せている。


「おはよう」と俺。

「火、弱いね」

「霧の朝はいつも難しいが、今日は特に重い」と親方。

「納品を待たせたくない。

焦ると火が逃げる」

ケイルが炉の前で止まり、杖を肩に乗せたまま目を細める。

「今は触らない。

強くすれば怒る。

熱の通り道を思い出させる」

セリアは炭の目をじっと見て、「炭、半歩広げる。

隙間を作る」と短く指示。

親方が鉄の棒でそっと広げる。

リリィは入口で人の流れに手の合図を挟み、ぶつからないように立ち位置を少しずつずらす。

マリアは息を整えて、火が嫌がらない短い声を置いた。


俺は火種に触れない。

触らずに呼吸だけ。

匂いの重さを少し手前へ、熱の抜け道を薄く上へ。

押さない。

引かない。

場所を思い出させるだけ。

比喩は一つで足りる。

朝霧の薄い膜が炉の口でほどけた。


「上がった」と親方が小さく笑う。

声は低いが明るい。

「同じ炭なのに、怒らない」

ケイルは肩の力を抜いて、「俺、今日も撃ってない。

火は落ち着いてる」と満足げ。

セリアは「熱の通り、整った」と淡々と結び、リリィは「並び、保てる」と短く確認。

マリアは声を止めて、「これで十分」と笑った。


鍛冶場の奥で若い職人が小刀を仕上げていた。

最後の一引きで刃の端が微妙に荒れる。

強く磨くと刃が嫌がる。

「待って」と俺は職人の手の甲を軽く指で叩く。

「力を半歩抜く。

刃は怒らない方が綺麗になる」

職人は少し驚いて、それでもうなずいた。

手が緩む。

刃の光が変わる。

「ありがとうございます」と顔が明るくなる。

朝の仕事に笑顔が一つ増えると、場の空気が軽くなる。


「家令」鍛冶場の出口にいるのが見えた。

地図を抱えたまま肩だけで合図。

「門の検めの列の幅を少し変えたい、と門番の隊から。

鍛冶場の納品が遅れないなら、今のうちに見に来てほしい」

「行こう」と俺。

親方は短く礼を言い、納品の鉄を荷車へ載せ始めた。

ケイルが肩で重さを受ける。

「押さない。

少しだけ支える」。

リリィは荷車の手前で「待って」をひとつ挟み、ぶつかりそうな人の足をゆっくりにする。

マリアは「行ってらっしゃい」と親方に笑顔を置いた。

セリアは鍛冶場の炉の口を一度だけ振り返って、「熱、安定」と確認。


城門前はすでに人の声が重なっていた。

申請の列、荷車の列、隊の交代。

幅を半歩ずつ変えれば、ぶつかりにくい。

隊長は胸を張って説明するが、怒鳴らない。

「申請は左端、荷車は中央、交代は右。

朝は人が多い。

中央を少し細く、左を少し広くしたい」

商人組の案内役は短く頷いた。

「合わせる。

合図は短く」

リリィが前に出て手を上げる。

「待って」。

セリアは石目を目で示す。

「半歩右、半歩前」。

ケイルは肩で荷車の重さを受けて、「押さないで受ける」。

マリアは声を置かない。

声のない場面の方がうまくいくときがある。

俺は列の交点に薄い目印を置くイメージ。

誰にも見えない。

見えなくていい。

拍が合い、列が流れる。


隊長が肩を落とした。

「助かった。

伝統は残したまま、歩ける」

案内役も「ありがとう」と素直に言う。

朝の門前の角が丸くなると、空まで少し明るく見えた。


門の脇で、書類を束ねた書記が風で紙を落としかけた。

「あっ」。

俺は走らず歩いて近づき、束の下へ手をそっと差し込む。

持ち上げない。

押さえない。

座る場所だけ変える。

紙は落ちない。

書記が笑った。

「助かりました」

「王から短い話だ」と家令が静かに告げる。

「小広間へ」

小広間は薄い光で満ちていて、床の影がきれいに並んでいた。

王は窓際で目を細め、短く言葉を置く。

「朝霧は火に座る。

火は怒る。

怒らせるな。

弱く、長く。

門の列は紙だ。

紙は重くなる。

重くなる前に並べ。

布は怒らない。

針は刺すな。

数字は、あとからついてくる」

ケイルが小さく笑う。

「ついてくる」

リリィは真面目に頷く。

セリアは「理にかなってる」とあっさり結び、マリアは「火の歌、好き」と素直に言った。

王は目を細め、「それでいい」。


話が座る前、侍女が戸口で手を重ねる。

「支援魔法使い殿。

城下の菓子工房から、砂糖が湿って固まり、朝の仕込みが遅い、と。

市場の客が増える前に、見てほしい」

「砂糖の朝?」マリアが一歩で嬉しそうに前に出る。

「行こう!」

セリアは「湿りは重くないが、粒の間に座る。

動かすより、崩す」と短く言う。

リリィは「並び、私が」、ケイルは「俺は見守る。

火は弱め」。

俺は頷き、歩く。


菓子工房は甘い匂いが薄く漂い、朝の人の声がまだ少ない。

砂糖の袋が開いていて、粒が固まり、匙が動かない。

職人の女は眉を下げていた。

「砂糖が怒ってる。

手が強くなって、壊れる」

「強くしない方が早い」と俺。

マリアが笑顔で「薄い歌、置くよ」と声の準備。

セリアは袋の口から指先で粒の間隔を示し、「ここ、薄く崩す」と低く言う。

リリィは作業台の前で手の合図を挟み、ぶつからないように人の位置をずらす。

ケイルは火の口の前で肩を下げ、「弱めて長く」。

俺は砂糖の粒の間に薄い目印を置くイメージ。

押さない。

引かない。

座り方だけ変える。

粒は崩れ、匙が動く。


「軽い」と職人の女が目を丸くし、それから笑う。

「朝に合う」

マリアは嬉しそうに指先で砂糖を摘み、「今日の色、蜂蜜色だね」。

セリアは「粒の呼吸、戻った」と短く結び、リリィは「並び、保てる」。

ケイルは「俺、撃ってない」と冗談を言わず、肩を軽く叩いた。


工房を出ると、通りの角に黒い影が立っていた。

距離は近くない。

動かない。

祠、土手、橋、門、そして市場の端。

いつも同じように立っている。

「気にしない」とリリィが低く言う。

「近づいてこなければ、並びの外」

セリアは目だけで角に印を置き、「触らないで落ちる」と静かに言う。

ケイルは杖の角度を変えず、「俺は撃たない」。

マリアは影へ声を置かない。

俺は視線を短く通り過ぎ、歩いた。


城の中庭へ戻る途中、台所の料理長が顔を出す。

「昼は軽く。

砂糖が戻ったなら、スープで十分だ」マリアが「スープ!」と即答。

セリアは「塩、少し」と指先で合図。

リリィは「並んでやる」、ケイルは「火、弱め」。

俺は匂いの層を手前へ寄せ、油は薄く、塩は奥へ。

器の湯気は短い。

王が手にして頷く。

「良い」

午後、王城外の古い蔵に呼ばれた。

祭りの道具が重なっていて、通り道が狭い。

蔵番の男は困った顔。

「夜までに片付けたい。

でも、ぶつかる」

「入口で待つ合図」とリリィ。

セリアは「道具の並び、半歩ずつ」。

マリアは声を置かず、ケイルは肩で受けるだけ。

俺は通り道の空気に薄い目印を置くイメージ。

押さない。

引かない。

歩きやすくするだけ。

蔵番の男が笑った。

「歩ける」

蔵を出ると、風が少し強くなっていた。

薄い雲が走り、光が角で止まる。

比喩は一つで足りる。

街の空気が紙の頁を静かにめくった。

家令が角で待っている。

「支援魔法使い殿。

夕方、王が広場で短い言葉を。

『布は怒らない。

針は刺すな。

数字はあとからついてくる』を七度目に」

「行こう」と俺。

マリアは声を作らない。

セリアは拍を数える。

リリィは人の並びに目を置き、ケイルは杖を肩から下ろさない。


広場は蜂蜜色の光で満たされて、風の音が低かった。

王が舞台の端に立ち、短い言葉を置く。

「霧は火に座る。

砂糖は朝に座る。

どちらも、怒らせるな。

弱く、長く。

門の列は紙だ。

紙は重くなる。

並べ。

布は怒らない。

針は刺すな。

数字は、あとからついてくる」

誰も騒がない。

誰も怒鳴らない。

短い言葉は広場の真ん中で落ち着き、場の角が自然に取れた。

マリアが肩で笑い、セリアは「理にかなってる」と結ぶ。

リリィは短く頷き、ケイルは「ついてくる」と小さく復唱。

家令は何も言わず頷き、地図の端を指で撫でた。


王城へ戻る途中、パン屋の前で足が止まる。

焼きたての香り。

表面の塩は薄く、甘さは奥に座る。

マリアが無条件で笑う。

「幸せ」。

セリアは二つ目を手にして、「休息、完了」。

リリィは「二つまで」と線を引き、ケイルは「俺は三つ」と言いかけて、すぐ二つに変える。

家令は「数字はあとから」と笑って、一つで満足した。


ベンチに座る。

風は少し冷たいが、嫌じゃない。

今日の仕事は重ならずに並んだ。

俺は数珠の留め具に指を当て、ひと呼吸。

「ユウマ」とリリィが袖を軽く引く。

「黒い影、明日も立ってたら?」

「立っているだけなら、通り過ぎる」と俺。

「近づいてきたら、並んで止める」

リリィは短く頷く。

セリアは目を閉じて拍を数えるように息を整え、「拍は一定」と言った。

マリアは小さく笑って「歌、薄く」と呟く。

ケイルは杖を肩に乗せたまま、「俺は撃たない」とまた言う。

家令は黙って頷いた。

それだけで十分だ。

王城の鐘がひとつ鳴る。

時間の知らせ。

目を閉じ、明日も急がないと心で決める。

落とさない。

静かに整える。

それでいい。


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