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グライドフォーミュラー・アカデミア  作者: 夜丹 胡樽
レース前のトラブルは日常の中で
15/46

チームガレージに行ってみよう!

 ――翌日の放課後。


 今日は一年生レースが目前に迫っていることもあって通常授業は行われず、シミュレーションとミーティングを徹底的に行っていた。


 今日のシミュレーションでは実際に予選と本選で使用する作戦の確認がメイン。

 前の合同シミュレーションを元に変更した作戦を浅桜さんと確認していた形となる。


「……はぁ、疲れた」


 長いようで短い一日が終わって、私は大きく息を吐き出した。


 ホームルームが終わって、クラスメイト達は束の間の談笑をしている。

 放課後にも、今回のシミュレーションで得たデータを元にミーティングをすることになっていた。

 少ない時間だったとしても、クラスメイトとの雑談を楽しんでいるようだった。


「巴月、ちょっといいか?」


「ん、カガコーじゃん。えっと、何か用事?」


 荷物をまとめていた私に、背後から声がかかる。

 振り返るとカガコーが少し神妙な顔つきをしていて立っていた。


 返事をした私に、カガコーは言葉を続ける。


「放課後のミーティングのあとなんだが、お前時間あるか?」


「時間? んー……無いことはないけど、どうかしたの?」


 要領を得ないといった私の様子に、カガコーは頭の後ろをガシガシとしながら言葉を付け加える。


「ちょっとな。浅桜のマシンの調整について、意見を聞きたいんだ。そんなに時間は取らせないから、ミーティング終わりにチームのガレージに来てくれると助かるんだが」


「アタシのマシン?」


 と、そこに浅桜さんが割って入ってくる。

 すでに背中にはカバンを背負って、ゼリータイプの栄養補助食品を口に加えていた。


「お、浅桜か。ちょうど良いところに来たな」


「ちょうど良いところ?」


 カガコーは頷く。


「お前のマシンの調整に関して意見が欲しいんだよ。それで巴月にミーティング後に時間があるかを聞いてたんだ。もし暇なら、巴月と浅桜の意見が貰えると助かる」


「調整……」


 顎に指を当てて、浅桜さんは思案する。

 何か用事でもあったのかな?


「もし時間がないなら、私だけで行くよ? 自主練とか他の用事があるなら、そっちの方に行ってもらっても大丈夫だし」


「いや、行くよ。本番前のトレーニングはオーバーワークになってしまうから、今日は休もうと思ってたところだから」


 浅桜さんの言葉に、カガコーは「お、じゃあ決まりだな」と笑みを浮かべる。


「そしたら、ミーティングが終わり次第、チームのガレージに来てくれ」


「分かった。勝手に決めちゃったけど、巴月さんはそれで大丈夫?」


「うん、大丈夫だよ」


 私と浅桜さんの了承を確認して、カガコーはくるっと背中を向けて整備科の生徒の方へ戻っていった。


「それじゃあ巴月さん、ミーティング後に集合! 遅刻厳禁だからね!」


「分かった。そっちもねー」


 浅桜さんはそう言い残すと、くるりと身を翻して教室の出口へ歩いていった。

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