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54.【対抗心(rivalry)】

。今の相屋大臣、国のトップは、隣国『箸の国』に、この『羨の国』に売り渡したの。知らなかったわ。元々出自が『羨の国』だったなんて。子供の頃帰化したけど、故郷が世界一の国と信じているのね。」

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ここは、『羨の国』。

 俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。


 俺には聞こえる。殺してくれ、と。

 どこの次元でも聞こえている。


 跳んで来たのは、あるクラシックコンサート会場。

 演奏が終ると、隣のカフェに移って、女性達は話していた。

「これで聞き納めね。」「そうね。」と。

「何故です?」と、俺は割り込んで尋ねてみた。

 通じるかな?と思ったが、南極ぼけをしてみた。

「ああ、それで何もご存じないのね。今の相屋大臣、国のトップは、隣国『箸の国』に、この『羨の国』に売り渡したの。知らなかったわ。元々出自が『羨の国』だったなんて。子供の頃帰化したけど、故郷が世界一の国と信じているのね。」

「一番、二番は個人的感情。世界に向けて『民意』だって恥知らずな発信をしたわ。『選の国』を初め、ドンドン外国人を移民させている。『少子化』で国の人数が足りないからってやり始めて、結局『少子化』も『デマ』だったらしいわ。非婚率が高くなったのは、マスコミを通じて『高望み』をさせたから。そこからもう『調整』していたのよ。祖父に聞いたけど、昔は今の半分の人口だったけど、もっと豊かだった。非婚率が上がったら、子供の人口は減った。でも、それは全体の中の比率。そして、危機感を煽って、このままでは労働人口は無くなるから、って入国を緩和した。」

「最初は「援助」だったのが、『報酬』に変わって行った。私達が納めた税金、健康保険料、年金。全部、『外国人優遇政策』の為にタダであげるようになった。いつの間にか、濃会議員も、裁判官も、内行閣も他の民族が席巻していった。」

「そして、月が変われば、灘相屋大臣は、隣国と正式な調印をして、この国自体が隣国の自治体に生まれ変わる。かつて、一国二政府と言っていたのに、最終的に吸収された国があったわ。『羨の国』も『箸の国』に吸収合併、いえ、占領されるのよ。」

「私達の先生は、芸術庁長官を勤められたけど、絶望して自殺されたわ。」


 俺は、礼を言って、その場を去った。

 ウエイトレスが持って来た『お冷や』は無駄になった。


 相屋大臣官邸に行くと、衛兵が立っていた。隣国の兵隊だ。SPではない。

 ここまで進んでいたか、この次元では。


「誰だ、貴様は?」衛兵は隣国語で言った。

 分からない、とクビを振ると、「誰だ、貴様は?」と、『羨の国』語で言い直した。

 俺は、分からない振りをした。

 すると、他の国の言葉で言い直した。何度も。

「悪魔語で話せる者はいないのか?」と言ってみた。

 衛兵達は俺を機関銃で撃った。


 俺は、もうそこにいなかった。

 官邸執務室。

「アンタのライバルはもういない。寄ってたかって殺したからな。だが、復讐は、本当の復讐は出来なくなった。アンタの夢は、相手が『私が悪かった。何でも言うことを聞く』と言って、土下座して傅くことだった。でも、出来なくなった。殺したからな。」

「何?」

 彼は、どこかに通じるボタンを押した。

「誰も来ないよ。今頃は、壁にめり込んだ弾丸を調べるのに夢中だろう。」

 彼は、引き出しから拳銃を取り出し、俺を撃った。

 弾丸は出なかった。

「拳銃ってさ。弾ないと役に立たないんだよね。」

 今度は、机の中のモノを片っ端から投げつけてきた。

 みな、開封していない『文房具』だった。

「付箋や消しゴムでは、殺せないよ。」


 数秒考えた彼は、違う引き出しから金庫の鍵を出し、奮える手で金庫を開けた。

 俺がスナップすると、金は全て消えた。


「どうすればいいんだ?」

「用意しておいたよ。」

 俺は、ある書類を差し出した。

 彼は、書類を子細にチェックした。

 顔を真っ赤に染め、彼はサインをし、判子を押した。


 夕方。ニュースのライブ中継があった。

「体調不全の為、議員辞職します。私は、がんであります。ステージ4だそうです。」


 書類には、『決定済み』の議案を含めて全て白紙に戻すことで、国民に詫びたい、と書いてあった。

 彼が読んだ書類は途中までで、『シナリオ通り』でない場合は暗殺する、と警告するという文面は読まなかった。


 他人の人命は軽く扱うが、誰よりも自分の命を守る人物だということは、あの女性達の頭の中に彼の『履歴』があった為、対処した。


 俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 ナオ、こんなやり方もあるのさ。


 じゃ、次の世界に行くか。


 ―完―




「一番、二番は個人的感情。世界に向けて『民意』だって恥知らずな発信をしたわ。『選の国』を初め、ドンドン外国人を移民させている。『少子化』で国の人数が足りないからってやり始めて、結局『少子化』も『デマ』だったらしいわ。非婚率が高くなったのは、マスコミを通じて『高望み』をさせたから。

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