27.【悪夢(nightmare)】
帰宅せず、彼らがやろうとしていることが『集団自殺』だと、すぐ分かった。
彼らがお互いの胸を刺した時、そのナイフは消えた。
俺は壇上に上り、尋ねた。
「生徒会長は、いるか?」
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『空の国』。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは、ある高校の体育館。
また、時間軸を間違えたかな?
そうでは無いことは、生徒の1人の腕時計の表示で分かった。
夏休みの夕方だ。
帰宅せず、彼らがやろうとしていることが『集団自殺』だと、すぐ分かった。
彼らがお互いの胸を刺した時、そのナイフは消えた。
俺は壇上に上り、尋ねた。
「生徒会長は、いるか?」
生徒会室で俺は生徒会長とサシで話をした。
切迫していると感じて、ここでも南極ボケは封印した。
「夏休みが終ると、僕らの人生も終ります。」
「隣国人に乗っ取られたか。アホな国の代表の為に。」
「どうして、それを?」
俺は、他の次元でも同じようなことが起こっていることを告げた。
「津波さんが、次元の修正をしていることで、他の次元に影響はないのですか?」
「痛いとこを突くね。でも、俯瞰して全体を見る能力は俺にはない。出来ることは、その場しのぎの『繕い』だ。」
「それでも、助けてくれますか?」「声が聞こえるんだ。そして、俺は跳ぶ。今回は君たちが呼んだんだ。」
「なるほど。余計なこと言って済みません。」
生徒会長は、この『空の国』の現状を話した。
政府は、隣国袈裟の国の移民計画が最終段階に入ったと発表した。
袈裟の国人と結婚、子供を設けることで、『民族大変更計画』が完成する。
詰まり、『空の国』民同士の婚姻は許されない。
その為の『夫妻別氏』制度だった。
出自は隠さなくても、民族同等、いや、民族消滅が目的だった。
高校を卒業すると、『非婚姻者税』を払わされる。
非婚姻者税は、基本税に加えて消費非婚姻者税も社会非婚姻者税も払わせられる。
働いても働いても、税金が取られる。
逃れる方法は、婚姻以外は無くなる。しかも、異民族との婚姻以外は税がかかる。
聞いていて、反吐が出そうになった。
無掻総身大臣執務室。
ノックをして、制務官が入って来る。
「総身。書類にサインをお願い致します。」「何コレ?」
「無掻決定の会議で決まる予定の書類です。『いつもの様に』会議は行われません。制務省で草稿から発令まで行います。『お仲』様のお達しです。」
「あ、そう。」
夜のTVニュースは、SNSでも流れた。
「無掻総身大臣からの発表です。今までの『非婚姻者税』関連法案及び『夫妻別氏』制度は、スパイの捏造法案であり、無効とする。消費者生産者税も廃止、スパイは更迭、隣国袈裟の国との国交断絶、無掻は解散、無掻総身大臣は『命をもって引責辞任』する。関係書簡が掻僚に配布された後、総身官邸で自殺され、以上の内容の遺書が発見されました。」
後は頼んだよ、神谷生徒会長。
さて、次の世界では、どうなっている?
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
―完―
夜のTVニュースは、SNSでも流れた。
「無掻総身大臣からの発表です。今までの『非婚姻者税』関連法案及び『夫妻別氏』制度は、スパイの捏造法案であり、無効とする。消費者生産者税も廃止、スパイは更迭、隣国袈裟の国との国交断絶、無掻は解散、無掻総身大臣は『命をもって引責辞任』する。関係書簡が掻僚に配布された後、総身官邸で自殺され、以上の内容の遺書が発見されました。」




