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20.【公開処刑(Public accounting)】

大きな丸テーブルの真ん中に、1人の男が座っている。丸椅子1つしかない。

丸テーブルの外側のあちこちに、観覧席エリアがある。

『招待状』の本来の持ち主には悪いが、俺は案内係の誘導で、薄暗い中、『自分の席』へと急いだ。


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ここは、『沸の国』。

 俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。


 俺には聞こえる。殺してくれ、と。

 どこの次元でも聞こえている。


 跳んで来たのは、『ビックリサイト』第一会議室。入口の立て看板を見て、俺は、咄嗟に『招待状』を警備員に見せた。


 大きな丸テーブルの真ん中に、1人の男が座っている。丸椅子1つしかない。

 丸テーブルの外側のあちこちに、観覧席エリアがある。

『招待状』の本来の持ち主には悪いが、俺は案内係の誘導で、薄暗い中、『自分の席』へと急いだ。


 司会席の、童顔で、白髪で、頭髪が薄い、男が発声した。

「あなたが結んだ関税の契約の結果、真玉県の濱口市が中元国人のものになったというのは、本当なんですね。」

「知りません。私は担当じゃないので。」

「担当というのは、鎧武省補佐官代理代行心得の香川哲治氏のことですね。でも、あなたの隠僚でしょう。あなたが、責任者でしょう。」

「責任は感じております。」

「じゃ、責任取れや。」と、司会席の隣の男が凄んだ。

「問題は、香川氏が韻出国と関税の契約した後、和屋鎧武大臣が中元国と、国の土地の売買契約をし、実効支配していたオルト国籍の民族キタンゾに売らず中元国に売ったことで、キタンゾの暴動が起きました。『可哀想な民族』と『洗脳報道』し、キタンゾの実効支配の結果、濱口市民は、皆引っ越してしまい、もう、この国の人間は住んでいない。」

「キタンゾは強制送還に応じなかった。オルトが強制送還するように勧告しても。」

「そこで、この際中元国に売った、ということですか。」

「私は知りません。私は『彼ではない』ので。」

「和屋鎧武大臣は、新しいこのままでは中元国の関税が高くなり、不利な貿易だ、と話したそうですね。」

「私は知りません。私は『彼ではない』ので。」

「ここにおられる10人の方々は、所謂『反社』の代表の方々ですが、キタンゾの実効支配を住民から守ってきたそうです。」

「収入が減るからだけじゃない。『義侠心』だよ。なんで余所者に開け渡さなければいけないんだ。」

 先ほどの男の隣の男が発言した。

「実効支配だけなら、取り戻せる。だが、法律で『余所の国』が出来るのは我慢ならねえ。」

 その隣の男も発言した。

「なんなんだ、この会議は。まるで魔女裁判じゃないか。私は何も悪い事していない。何故なら、無隠操縦大臣千葉禿留だからだ!!」

 千葉は、ポケットを探ったが、スマホも財布も無かった。

「それでは、お尋ねしましょう。」司会はニッと笑った。

「その無隠操縦大臣を辞任、議員辞職する覚悟は?」

「あるわけ無い。私は認められたんだ、中元国の〇〇〇様に。国の皇帝より・・・。」

 千葉の言葉を遮り「ファイナルアンサー?」と司会は言った。

「ファ、ファイナルアンサー。」

「ジャッジメント!!」と司会が立つと、俺を含めて皆拳銃を持っていた。

「ギルティ!!」千葉以外の人間が唱和した。


 銃声が約30分鳴り響いた。


 会議室の外には、さほど漏れてはいないようだった。


 やれやれ。一番大きな『殺してくれコール』が、反社からだったとは。これじゃ『公開処刑』じゃなく『後悔処刑』だな。


 さ、次、行ってみよう。


 ―完―


「ファ、ファイナルアンサー。」

「ジャッジメント!!」と司会が立つと、俺を含めて皆拳銃を持っていた。

「ギルティ!!」千葉以外の人間が唱和した。


銃声が約30分鳴り響いた。


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