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第13独立試験分隊  作者: キノ
プロローグ
1/4

始まりの日



あの時は考えてもいなかった。こんなことになるなんて一ミリも。俺は、いつから間違えたのだろう。


全ては、dimensioned origin species adversary of human race 通称「DAHR」の侵攻が再開した8月31日。


俺の運命が動き出した。

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ふと、机に置かれた進路調査票に目を遣る。


「たかが高校生にそんな高尚な考えなんかないだろ」


思わず愚痴をこぼす。


僕こと神宮信二(かみやしんじ)は、この悪魔の紙に頭を悩ませている。


唯一の親友の通う進学校では、進路調査を高校三年で行うらしい。


だがしかし!うちの高校のなんと熱心なこと高校一年生の夏休みの宿題にしやがってくれた。


「進学校でもないくせに」


さらに愚痴がこぼれる。


なぜこんなにもこの紙に苦しめられているのかというと将来のことを考えたことが一度もなかったからである。


それはそれはこの一週間考えに考えぬいた!毛根がすべて死滅してしまうのではないかと思うほど考え抜いた。


実際、枕についてる髪の毛が倍になった。それでも答えは出ず本日は8月31日夏休み最終日。


燦々と窓から降り注ぐ陽光にカーテンで蓋をしつて今日もまた考えて、考えて、母さんが作っていった昼ごはんを食べ、また考えて、一応の答えを出すものだと思っていた。


あの瞬間までは・・・


ドカーン 

と何度も、何度も耳が裂けるほどの強烈な爆発音が聞こえ、思わず耳を塞ぐ。爆風で家が軋み揺れる。

どこからともなくたくさんの悲鳴が聞こえる。


耳鳴りがする。何が起きた。こんだけ爆発音が大きいってことは近いのか?


そんなことを一頻り考えたところでふと思った。


近所にガスタンクや工場などの爆発事故を起こすような場所はなかったはずだ。


しかも何度も爆発した。


「事故じゃないのか?」


その考えに至った瞬間、怖くなった。ここにいたら危ないんじゃないか?様々な考えが脳内を駆け巡る。


気づけば僕は、家から飛び出していた。


家の中でいつ爆発に巻き込まれるか分からないまま死ぬのは嫌だ。


そう思い何も考えずに走る。人間は、極限状態ではまともな判断ができなくなるのはホントらしい。


もう何分走り続けただろう。


インドア派の僕がこんなに走れたのは火事場の馬鹿力だったのだろう。でもそれも長くは続かかなくて思いっきり転んだ。膝が痛い恐らく擦りむいたのだろう。


疲れからか立ち上がる気力もわかず地面に横たわったまま疲労と時間、わき腹と足の痛みのおかげか少し冷静になった頭を動かし考える。


最後の爆発からかなりの時間がたった。爆破が終わったのだろうか。それとも本当に事故で爆発が連鎖していただけで、僕の考えすぎだったのか。


でも、あれだけの爆音だったのだ。勘違いしてもおかしくない。


考えすぎだったと自分の滑稽さに笑いがこみあげ、死ぬほど笑った。地面に横たわりながら馬鹿みたいに笑っている姿は恐らくとてもキモかったことだろう。


そんなこんなで落ち着きをとり戻した僕は、家に帰ろうと立ち上がった瞬間だった。


背後からの強烈な爆風で体が飛ばされ地面に転がる。


痛みを感じる間もなく、僕の意識は途絶えた。

遅筆ですがよろしくお願いいたします。

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