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42、魔物のランクが認識とズレていたようです

「こんにちは」


「はい、こんにちは。お嬢ちゃん、ここは買取カウンターだよ?」


「はい。解体してないんですけど、いいですか?」


「え?それは大丈夫だが……」


どこに?と言葉が紡がれる前に、マジックリングから魔物の死体を取り出す。

次々と積み上がる魔物を前に、一瞬ポカンと見ていた男もはっ!と我に返り、ストップをかける。


「ちょっと多すぎるから、裏に持ってきてくれ」


「はーい」


1度仕舞ってついて行く。そこは解体所だった。

「この辺に出してくれるか?」


次々と並べていくのを見ながらおじさんが、それはアイテムボックスか?と聞いてくる。

そうだよ。と返事を返し、疑問に思う。

先にみんなが来ているはずなのに、人前では使わなかったのだろうか?と。


半分程を取り出したところで、ストップがかかった。解体(かいたい)加工(かこう)も追いつかないから残りはまた後日にして欲しいそう。あとどれだけあるのかと聞かれ、まだまだいっぱいと答えると、そんなにあるのか!と驚かれた。

食べられるお肉と魔石、ブラックサーペントの皮は返してもらって、あとは買取お願いします。と伝えると、引換券を作るから中で待っていてくれとの事だった。

はーいと返事をして、気になっていた奥の飲食店に行く。


「こんにちは」


「はい、こんにちは」


「メニューはありますか?」


「はい。これだよ」


恰幅(かっぷく)のいいおじさんに話しかけ、メニューをもらう。


角うさぎのステーキ 1000ゴールド

レッサーボアのステーキ 2000ゴールド

ブラウンボアのスープ 1300ゴールド

角うさぎのシチュー 800ゴールド


食べ物はこれだけで、あとは、

エール500ゴールド

ワイン400ゴールド

ワイン水300ゴールド

水200ゴールドと飲み物だった。


水もお金かかるんだ……。


持ち帰りが出来るか聞くと、食器を持ってきてくれたら入れて渡せるとのことで、木のお皿と鍋を出し、持ち帰りで2食ずつとお願いする。

注文していると、買取カウンターにおじさんが戻ってきた。

後で貰いに来るとお金を払い、買取カウンターに向かう。


「あぁ、お嬢ちゃん、これが引換券(ひきかえけん)と、こっちが解体料(かいたいりょう)を引いた買い取り料金だ。かなり高ランクの魔物ばっかりだったがどうしたんだ??」


「え?高ランクって言ってもBランクが数匹いたくらいでCランクばっかりじゃなかった?」


「は?いやいや、AランクもいたしBランクの魔物も相当数いたぞ?」


「「ん……?」」


何故か微妙(びみょう)に話が()み合わない。


「えっと……どれがAランクだったの?」


「どれって、グレイウルフ、ブラックサーペントはAランク、ジャイアントロックボア、ブルーオーガ、ブラックキャットはBランク、あと他にもBランクがかなりいただろ?」


「え?」


「嬢ちゃん何もんだ?魔物のランクも知らないのにあんなに高ランクの魔物を持ってきて……」


「んー、師匠に教えてもらったランクが1個ずつズレてるみたい……。グレイウルフ、ブラックサーペントはBランク、ブルーオーガとかブラックキャットはCランクって聞いてたから……」


「カー!そりゃいけねぇ。魔物はその師匠ってのが狩った魔物なのか?」


「さっき渡したのは私が狩ったけど、師匠は私よりすごいよ!」


「はぁ、じゃぁこれからもこのレベルのをどんどん持ってくんのか?」


「冒険者ギルドの登録はさっき初めてしたから、Gランクなんだよ。ランクが上がったらいっぱい持ってくるからよろしくね!」


「そうかい!それじゃぁランクが上がるのを楽しみにしとくぜ。解体は明日……いや明後日の昼までには解体しとくからその頃取りに来てくれ。料金は確認したか?」


「あ、まだ。めっちゃ袋おっきい……」


「そりゃそうだ!あんなに高ランク、滅多に狩れるやつもいないからな」


「そうなの?」


おじさんは金額帯をざっくり教えてくれた。

Sランク 1億ゴールド以上

Aランク 1000万ゴールド以上

Bランク 100万ゴールド以上

Cランク 10万ゴールド以上

Dランク 1万ゴールド以上

Eランク 1000ゴールド以上

Fランク 100ゴールド以上

ざっくりこのくらいにはなるそう。


「あれ?でも門で渡したシュピッツモモンガは2万だったって。魔石は売ってないけど。ランク1つずつ認識とズレてるならシュピッツモモンガはCランクだよね?」


「あぁ!ランクはそうだな。ざっくり言ったが、全部じゃぁねぇ。シュピッツモモンガは使える素材(そざい)毛皮(けがわ)と魔石しかないんだが毛皮はサイズも小さいし、そこまでの値はつかねぇんだよ」


「ふーんそうなんだ……」


「逆に、ランクより高値で取引されてる魔物もあるからな。どれがどのくらいで売れるかも勉強しとくといいぜ」


「うん!ありがとう!あと、貨幣の価値も確認させてもらっていい?」


「ははは!おお、いいぞ。魔物のランクも丸ごと間違ってたくらいだからな」


貨幣の種類は高額貨幣から順に

光金貨=1000万ゴールド=1000万円

大金貨=100万ゴールド=100万円

金貨=10万ゴールド=10万円

大銀貨=1万ゴールド=1万円

銀貨=1000ゴールド=1000円

大銅貨=100ゴールド=100円

銅貨=10ゴールド=10円

鉄貨=1ゴールド=1円


貨幣の価値はゼンに教えてもらったままだった。良かった。

日本円と一緒で覚えやすい!や、1万円札以上は無かったけど……。



「ありがとう!じゃぁまた明後日来るね」


「おう」


お金は確認するとなんと、4825万ゴールドも入っていた。

しばらく遊んでいても暮らしていけそうな金額だ……。


飲食店に行くと料理は完成していて、渡したお皿と鍋に入れてくれていたのでお礼を言って受付に行く。


「あら?どうされましたか?」


「おすすめの宿と、調味料を売ってるお店を教えて欲しいんですけど」


「はい。おすすめの宿ですと、ギルドを出て右に真っ直ぐ進むと[妖精(ようせい)奏亭(かなでてい)]という宿があるのですが、そこはご飯も美味しいですよ。それから調味料を売っているのは、市場の方ですね。妖精の奏亭から道向かいの方に行くと、野菜や果物、調味料や麦を売っている市場がありますよ。」


「ありがとうございます。行ってみます」


笑顔で手を振りながらギルドを出ていく。

受付のお姉さん可愛かったなぁー。等と呑気に考えながら街をキョロキョロ見回し、道に出ている屋台にも寄りつつ妖精の奏亭に向かう。

屋台は道の両脇に、飛び飛びで並んでおり、串焼きやジュース、スープ等、売っている物の種類も色々だった。


解体所のおじさん:いやぁ、今日来た美人の嬢ちゃんには驚かされたぜ……。こんなにランクの高い魔物ばっかり次々出すんだもんな……。

解体の仕事を始めて随分経つが初めてだ。しかし、こんだけランクの高い魔物ばっかりだと腕がなるってもんだな!

しかし本当にナニモンだったんだ?あんな美人で手足も細くて、とてもじゃねぇがAランクBランクの魔物を倒せそうには見えねぇのに……。

はぁ?!なんだこの傷の無さは……!!?はっ?!眉間に穴が……あの嬢ちゃんAランクの魔物を遠距離攻撃1発で仕留めたのか?!

……本当にナニモンだ……?





いつも読んで下さりありがとうございます!

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