325、ノアちゃんのお弁当
更新遅くなってすみませんm(_ _)m
「ただいまー」
「リオ、遅いよー」
「ごめんごめん、ちょっとトラブルに巻き込まれて……」
遅いと言う声に、軽く返事をした後パメラ達をみんなに紹介していく。
3人とも見たことの無い場所、見たことの無い人に囲まれてかなり戸惑っている様子だ。
だが、そこに他の子供達が駆け寄ってきて自己紹介をし、一緒に遊ぼうと誘ってくれた。
少し戸惑いながらも、同年代の子供達に誘われ嬉しそうに駆け出していく。
やっぱ子供は可愛いな、すぐに仲良くなれそうで良かった。
その様子を笑顔で見送っていると、見送っていた方向から、ヨタヨタと疲れきった様子のゼンが歩いてきた。
「うわ、ゼン?!大丈夫??」
「う、うむ、大丈夫じゃ、ヘトヘトになっただけじゃからの……ふぅ……」
「そ、そう?」と言って、ジュースを手渡した。
ゼンはジュースを一気にグビグビと飲み干すと、「ふぅ、生き返ったのぉ」と笑っていた。
子供達はみんなパワフルでついて行くのがやっとじゃったのぉ。と今も走り回っている子供達を温かい目で見つめているゼン。
今の姿は若い女性だけど、中身は100歳もとっくに超えたおじいちゃんだからな……とリオがゼンを失礼な事を考えながら見ていると、ノアからお昼だよーと声がかかった。
待ってましたとリオはテンション高く、ゼンと一緒にノアの所へ急ぐ。
「リオのは特別だよ」
そう言ってノアちゃんが渡してくれたのは、みんなに配っている木でできたお弁当箱の10倍はありそうな大きさの重箱だった。
「わぁ!!大っきい!ありがとう!」
箱庭のメンバー以外には驚いた顔や引いた顔をされながらも、リオは嬉しそうに重箱を受け取ると、ゼンに何処で食べる?と話しかけている。
ゼンはゼンでお弁当箱を受け取っているのを見て、やっぱリオのはアレで1人分なのか?!と、リオが大食いなのを知らなかったクリストフ達やデビッド達は目を丸くし、近くに居た人達にコソコソと尋ねていた。
席はリオが昨日用意したもの以外に、お昼を食べるなら机があった方がいいと、リオがパメラ達を迎えに行っている間にランちゃんがコピーして沢山準備してくれたようだ。
桜の木の近くはもう置ける場所がなかったので、少し離れたところになったけど……と教えてくれた。
離れてると言っても、そこまでの距離ではなく、桜や畑に植わっている花も充分綺麗に見える。
ノアちゃんはまだお弁当を配っており、先行っててと言われたので、ゼンと先に席の準備をしておこうとお弁当を預かってきた。
え?他の3人?サンちゃん達はお弁当以外にもツマミを食べながらお酒を飲むみたいだったので別行動だよ。
私達もお酒を飲まないことは無いけど、あんなにカパカパ飲まないから、お酒を冷やしている場所の傍に張り付いてなくても全然平気だからね!
狭い所に密集してるより、広いところでゆっくり食べたいじゃん?
ということで、お弁当をテーブルに並べると、飲み物や屋台のメニューも少しずつシェアしようと種類を色々と貰ってきた。
うん、準備万端だ!
テーブルに並べた料理をゼンはとても不思議そうな顔で見詰めている。
どうしたのかと尋ねると、どれもこれも見た事のない料理ばかりで驚いているようだ。
ゼンは貴族の生まれだったそうだ。そんなに裕福ではなかったが、貧乏貴族と言う程でもなかったので、それなりの物は食べていたという。それに、貴族同士の付き合いでパーティに出席したりもしていたが、どこでも目にした事の無いものばかりのようだ。
「世界が違うと料理も違うんだね」
「うむ、そのようじゃの、しかしなんとも食欲を刺激する匂いの数々じゃ……」
「匂いだけじゃなくて、味も最高だよ」
「ほほう、それは楽しみじゃのぉ」
「まだ1つも食べてなかったの?」
「うむ、子供達と遊んでおってな」
「子供達のこと見ててくれてありがとう」
「いやいや、私が遊びたくて遊んでおったのでのぉ」
「そうなの?」
「久しぶりにはしゃいでしもうたのぉ」
「ゼンは人が好きそうだもんね」
「む?」
「1人でいるのは寂しかった?」
「……どうじゃろうか?やりたい事も多くあったし、研究をするのに1人で籠るのは嫌いでは無いがのぉ……いや、しかし、そうじゃの、寂しかったのかもしれん」
ゼンは何かを思い出すような、遠くを見るような目をしている。
昔は仲間と研究していたと言っていたので、その時の事を思い出しているのだろうか……?
「うん……」
「……こんな年寄りが寂しいなどと言っておっては笑われてしまいそうじゃの」
と、少し眉尻を下げて笑っている。
「そんな事ないよ、1人が寂しくない人なんていないよ」
「そうかのぉ」
「うん……私の前世の国の文字でね、人ってこう書くの」
テーブルに指で『人』の文字を書いた。
「ふむ、それはなかなか興味深い、そなたらの国の文字か!」
ゼンは文字自体に興味津々のようだ。
だが、私が伝えたいのは文字ではなく、文字の意味。
「私が教えて貰った先生がね、この人って文字は、人と人が支え合っているのが原型なんだって言ってたんだ」
「……ほぅ……」
「人と人は支え合って生きていくもんなんだよ、だから1人が寂しいって思うのは自然なことなんじゃないかな?」
「……そう……じゃの」
「ゼンも、その薬があれば毎日でも来れるね!」
「ふふっ、リオ……ありがとのぉ」
「んーん、こちらこそだよ!私の方がゼンにいっぱい助けられてるもん!ゼン、ありがとう!」
顔を見合せて、笑い会うのだった。
それからも少し、最近はどんな研究をしていたかなどを聞いていると、お待たせー!とノアちゃんがやってきた。
「ごめんねー!料理冷めちゃったかな?」
「大丈夫だよ!屋台料理って冷めても美味しいし!」
「うん、食べよー!」
「うむ、どれから頂こうかのぉ」
「ゼン、めっちゃソワソワしてたもんねー!」
「そうなの?どれも美味しいよ!」
「私は、これ開けちゃおうかなー!」
「うむ、それも気になっておったのじゃ」
リオがワクワクした様子で重箱を開けようとすると、ゼンも気になっていたようで、覗き込んできた。
「うん、開けて開けてー!自信作だよ!」
「うん、行くよ……」
パカッ
そっと蓋を開けると、中には巻き寿司やいなり寿司が沢山入っていた。
「おお!なんとも美しい……」
「やばぁ!めっちゃ美味しそうー!」
巻き寿司は海鮮恵方巻の様に、魚やエビ、貝、イカ、卵焼きなど、色とりどりの具材が巻かれている。
いなり寿司も普通に詰められた物だけでなく、裏返して見えているご飯にゴマや枝豆等が混ぜられているのが見えるように詰められた物もあった。上に錦糸卵や花形に切られた人参なども飾られている。
とにかく、センスがいい。
見た目が既に美味しそうだ。
重箱の2段目には、ほうれん草やノリが巻かれた卵焼きや、唐揚げ、ポテトサラダ、ミートボールやエビフライが詰められていた。
こっちも美味しそうー!
3段目は……
「わぁー!!凄い!」
「でしょ!頑張ったよ!」
「これはなんとも……ノアのセンスは凄いのぉ……」
3段目はフルーツサンドが詰め込まれていた。
いちご、桃、みかん、キウイ、梨、りんご等沢山のフルーツと真っ白のふわふわのホイップクリームがふんだんに使われている。
切った断面がフルーツを上手く組み合わせて花の形にしてあるもの、フルーツが綺麗に並べられたものもありとにかく可愛い。
ぎっしり詰め込まれたフルーツも瑞々しくて美味しそうだ。
「何から食べよう……」
重箱の上で手を彷徨わせていると、ゼンも自分のお弁当箱を開けた様で、こちらも美しい盛り付けじゃ!と感動した声を漏らしている。
私達の反応にノアちゃんは満足げだ。
「喜んで貰えたなら、頑張った甲斐があるよ!」と、笑っていた。
では早速、海鮮たっぷりの巻き寿司からいただきまーす!
「んーーー!!!ムグムグモゴモゴ!!」
ふっくらとしたご飯はぎゅっと巻かれている様に見えるのに、食べるとほろほろと崩れてくる。海苔でぎりぎり原型を留めていたのかと言うほどふんわりとしている。甘酸っぱいお酢の効いたご飯と魚や貝がまっちしていてとても美味しい、醤油などつけなくてもしっかりと味付けされていていくらでも食べられそうだ。さらに、海苔も風味豊かで最高だ。
「リオ、何言ってるかわかんないよ……」
「ごくん、美味しい!美味しすぎだよ!」
「それはよかった!」
「食べてみて!」
「う、うん……うん!美味しい!」
「でしょー!!!」
「って、リオ……私が作ったんだけど?」
「へへ、ノアちゃん天才!」
「ゼンはどうだった?口に合ったかな?」
一口食べて固まっているゼンに、ノアちゃんが恐る恐ると言った様子で話しかけた。
フッと顔を上げたゼンはおいじずぎるのぉ……と、泣いていた。
「え"?!」
ゼンの反応にリオもノアも驚きだ。
美味しいけど、泣くほど……?と顔を見合わせる。
これも美味いのぉ!こっちも美味いのぉ!と、2人が驚いている間にパクパク食べ進めあっという間にお弁当を食べ終わった。
今度は屋台料理を……と、そちらも美味い美味いと言いながらパクパクと食べ進める。
シェアしようと言っていたのはどこへやら、テーブルに並べていた屋台料理もペロリと1人で食べ切ってしまった。
「凄っ……ゼンもリオに負けない食欲だね」
「うん、私より凄いかも……」
「うむ、あまりの美味しさについ……のぉ」
と、少し恥ずかしそうにしていた。
だが、こんなに美味しいものがあったなんて知らなかったと、ノアちゃんの料理がどれだけ素晴らしいかを延々と語るのだった。
ノア:凄っ……
リオもよく食べると思ってたけど、ゼンも…
2人とも食べ過ぎだよー…
シェアするって並べてた屋台料理も、もうおかわり何回目??
シェアなんかしなくてもペロリじゃん…
2人ともお腹どうなってんの……???
いつも読んで頂きありがとうございます!




