131、アヒンの店舗の予定
「ランちゃんどこ行ったのかなー?」
街中で、売り物リサーチをすると言っていたのだが、もうすぐ15時だ。
早く行かないとお店が閉まってしまう。
「あ!いたー!ランちゃーん!」
「ん?」
「リサーチ行く?」
「おお!もういいのか?」
「うん」
まずはペルカの街中からリサーチする事になった。
フリーオンのお店の場所が高級店が並ぶ場所にあるので、近くの高級店からリサーチする事にした。
宝石店、肉屋、野菜屋、果物屋、服屋、魔道具店、雑貨屋、飲食店等、順に見ていくがランちゃんはあまりピンとくるものが無いようだ。
「どう?扱ってみたい物あった?」
「無いな……」
「そう……?」
「リオどう思った?」
「んーそうだなぁ、ペルカでは魚売ってないから、ペルカのフリーオンで魚予約販売とか出来るようにしたら喜ばれそう」
「え!?それいいじゃん!ノアに言っとくわ!……て、そうじゃなくて、アヒンの店で売るものだよ!」
「逆に、アヒンではあんまりお肉を扱ってないから、お肉の予約販売とかは?」
「へぇ……いいかも!他には?」
「え、他?……陶器のコップって無いよね……あと、ガラスのコップも。そんなのも珍しくて良いかも?」
「そうだな……リオ作れる?」
「材料用意してくれたら?」
「……材料探すわ!」
「それなら、陶器繋がりで、陶器のお皿やスープ用の深いお皿とか?ガラス製品も珍しいなら、ガラスのお皿や飾りもいいかもねー?」
「なるほどな……」
「あと、ぬいぐるみとか売ってる所なかったよね?」
「あー、確かに。それ言うなら、リオが子供らに作ってた玩具もじゃね?」
「うん、そうだね!」
「でもあんまり種類増やしすぎると管理が大変かな?」
「うん……盗難の心配が増えるよね?」
「あー、そうだったな……日本と比べて治安悪すぎだからな」ランちゃんは、せっかくいい案が出てきたのに……と頭を抱えている。
「食べ物繋がりで、お肉の予約販売とかぐらいから始めて見たら?」
「そうするわ。何人くらい手伝って貰えるかわかんないしな」
「あ!そうだった!聞くの忘れてた」
「おいー、頼むぞ?」
「うん。ごめんごめん。さて、アヒンの店の拡張だけしとこうかな?」
「そんなにすぐ出来るのか?」
「うん、大丈夫だよ!行こー!」
一旦亜空間に入り、アヒンの街のフリーオンに繋がったゲートを抜け家に出る。
1階に降りると、広げていくねー。と空間魔術を使う。
部屋の中を外に外にと押し広げていく。
右側をギューッと広げ、左側をギューッと広げ、前側をギューッと広げ、後ろ側もギューッと広げる。高さも出しておくかと、天井もギューッと広げる。
マジックバッグの中の空間を広げる要領でどんどん広げていくと、途中でランちゃんからストップがかかった。
「ちょ、リオ!広すぎだから!」
「そう?まだ前の倍くらいにしかなってないよ?」
「元々広めの店舗だったんだから、これで十分だし!」
「じゃぁ、広くなったついでにレジのこっち側に、ポーションとか万引きされやすそうな物並べたら?」
「あぁ、盗難防止?」
「うん。言われたのを取って渡したら盗まれることないよ」
「それいいかもな。ポーションってどれどれここで売っていいんだ?」
「どれでも?」
「商業ギルドに卸してるんだろ?」
「うん」
「値段設定とかは?」
「あー……わかんない。ルードかミーシャに聞いて」
「そんなあれもこれも頼んだら、ルードとミーシャめっちゃ忙しそうじゃね?」
「お休みは取れてるはず!」
「はずって……」
本当か?という目で見られたが、スルーだ。
リオ1人じゃ全部の管理はできないし、そういう仕事はリオには向いていないのだからしょうがない。
リオは開き直り、得意な人がやるのが1番いいと言い切った。
部屋の拡張サイズはコレで大丈夫との事なので、錬金術で、状態を固定して完成だ。
亜空間に帰った時にルードとミーシャに仕事量が多すぎないか聞いてみたが、管理以外の仕事は、ほぼ他の人達に任せているので大丈夫なようだった。
一応気になったので確認しておいた。
アヒンのフリーオンのお店がオープンしたら人を回せるかも聞いてみたが、かなり人数も増えたので余裕なようだ。
ノアちゃんに、ランちゃんが魚の話も伝えていた。
それいい!とノリノリだった。
まずは、生の魚は調理した事の無い人も多いだろうからと、魚のフライを売ってみて様子を見ると言っていた。
魚の種類や、切り身のサイズ、味付けなんかの試作をしないと!とノリノリだった。
私はもちろん「味見したい!」と味見係に立候補した。
夕食後は今日もみんな外に出て魔術の練習を、基本の魔力操作からやっていた。
今日は皆出来ていて、練習のみなのでリオはクレイと魔物狩りに出かけて行った。
ちなみにジオは、晩御飯の時にはすっかり元気になっていて、あっという間に子供達とも、奴隷達とも打ち解けていた。
先日来たばかりの奴隷達や子供達とも仲良くなっていて驚いた。
ジオのコミュニケーション能力が高いのは知っていたが、予想以上だったことを実感した。
ラン:今日は良いアイデアが見つかってよかったな。にしても、リオのやつ、次から次からポンポンと……俺が思いつかなさ過ぎたのか?
でも、ああいうアイデア出すのって苦手なんだよな……はぁ
まぁ、またなんかあったら、皆に聞いたらいいか!
こういう時、転生させられたのが1人じゃなくて良かったって思うよな♪
いつも読んで下さりありがとうございます!