第十三話 アセトンの作り方 溶剤抽出
アセトンの作り方
危険物です。(一応乙4持ってるけど、もう中身忘れたなあ)
精製して作った酢酸に 水酸化カルシウムまたは炭酸カルシウムを加え 酢酸カルシウムを作る。
お酢に卵の殻を入れて作ってもいいけど、酢酸カルシウムは水に溶けるので取り出して精製するのが面倒。最初から高濃度の酢酸ときれいな水酸化カルシウムを用意したほうが苦労がない。(酢酸の項、第12話参照)
乾燥した酢酸カルシウムを160℃以上で加熱乾留するとアセトンが発生する。
沸点が65℃ぐらいなので冷却して凝縮する。
引火しないようにセッティングした蒸留器で加熱する。
陶器だとつなぎ目が難しいかも。異世界で耐熱ガラスは難しい。鉄容器が必要かもしれません。
気体のアセトンを管で誘導し沢の水などで管の外側を冷却しツボに貯める。
ちゃんとした容器がないと長期保存はできないと思われます。
有害なので吸い込まないように注意。
脱脂や溶剤として便利。
可燃性で-16℃から点火する。
ていうか、なぜそんなの作らなきゃいけないのか?
とんかつ好き?唐揚げは?
俺は好きです。キャノーラ油でカラッと・・・・なあ、その油どうやって精製してるか知ってる?
蒸してぎゅーっと圧搾して取り出してたのは昔の話。現代の地球では、ていうか日本ではヘキサンという石油から蒸留分留した有機溶剤を使ってます。ヘキサンはそれなりに有毒でガソリンの中にも入ってる。ホームセンターで売ってるブレーキクリーナーとか。アレだ。んで、ナタネ、つまりキャノーラを砕いてヘキサンの中で泳がすとナタネ油が有機溶剤に溶けだします。その後、有機溶剤を温めたり気圧を下げたりして揮発させて完全に飛ばす。するとキャノーラ油が残る。大豆油もひまわり油もだいたいそんな感じで取り出してます。昔のやり方だと蒸して加熱しなきゃいけないので油が変質しやすいし、絞り残しも多かった。
異世界で有機溶剤による抽出をしようと思うと石油がなかなか手に入らないし、手に入っても石油の蒸留・分留は大変なので、アセトンを自作して使うほうが早いと思います。
低温で力もかけずに完全に油を抽出できるので異世界ではぜひ欲しい一品です。
実験として実際にやってみたいならそれなりの器具が必要となります。
ヘキサンで胡麻からごま油を抽出してる動画がYouTubeにあるのでやる前に見たほうがいいでしょう。
「ソックスレー抽出法 油脂の抽出実験 ごま油 リービッヒ冷却器」
https://youtu.be/ClAawRxKmEg
海外だと特に器具を使わずにアセトンを使ってピーナッツからピーナツ油を抽出してる動画もありますね。
しかしこれでは量産はできないでしょう。
これ、部屋がとても臭くなるし絶対に換気に注意してやってください。
特に揮発させるのは屋外で。
「172 EXTRACTION OF OILY COMPONENTS OF PEANUTS WITH ACETONE」
https://youtu.be/kZ2C7CsI4HY
なお、バニラやバラの香料の抽出はエタノール、高濃度のアルコールを使う事が多い。
異世界でプリンを作るならどうしても香料が欲しい。バニラが見つからなくても何かいい匂いの何か・・・
まあブランデーで香りをつけてもいいですが。




