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小六編 第95話 価格改定

 墨液の量り売りの為に、ホームセンターで色々買ってきた。とりあえず計量カップ500ml用と200ml用、それと漏斗(じょうご)、これらは最終的には使わなくなる可能性が高いが、ボトルへの充填具合を確認する為に購入した。そしてなんと言っても目玉商品は、ジャーン、ウォータージャグ。蛇口付きのウォーターサーバーと言えばいいのかな。これに墨液を入れておき、移し替える時は蛇口をボトルの充填口に突っ込めばいいのだ。ウォータジャグはキャンプで水やお茶なんかを入れておく為の物で、高い物になると保冷機能が付いてたりするのだが、今回買った物には付いていない。単なる10リットルクラスの蛇口付きタンクだ。あと10リットルの墨液タンクからウォータージャグに移し替える時に使う灯油ポンプ、細かい量の調節が必要になった時の為、ピペット――理科の実験で使う様なスポイトの事だ――も買ってきた。


 とりあえず水で実験してみよう。450mlボトルと180mlボトル、どこまで入れれば規定量になるのか、ボトル一杯にすると何mlまで入るのか、この辺を確認する為だ。計量カップで水450mlと180mlを量ってボトルに入れてみる。成程、ボトルのその辺まで入れれば規定量なんだな。満タンになるまでには少し余裕がある。今度はボトルを満タンにしてからその水を計量カップに移し替え、満タンの容量を量る。450mlは30ml位、180mlは20ml位の余裕がありそうだ。次にボトルを外から見て分かり易い位置、具体的にはボトルキャップをねじ込んだ時にキャップの下部になる位置まで水を入れ、その時の水の量を量ってみる。どちらも規定量に+10mlした位の量か。よし、だったら450mlボトルには460ml、180mlボトルには190ml入れる事にしよう。実際には内容量450ml、180mlとして販売する訳だが、多い分には文句言われんだろう。450ml、180mlを狙って入れて少なかったらマズいからな。+10mlは余裕値と言うか保険みたいなものだ。


 ウォータージャグに水を入れてボトルに移す作業をやってみる。10リットル以上入るけど今回は2リットル程度でいいか。蛇口にボトルを突っ込んでと……よし、ボトルの充填口は蛇口より太いぞ。蛇口の方が太かったら漏斗をかませなければならないとことだったが、これなら直接突っ込める。蛇口を捻ってボトルに充填する。充填の最後の所で、きっちり目標の位置まで注ぐのに蛇口の開閉加減が難しい。下手するとボトルから溢れ出すし。溢さない様に少なめに入れて細かい調整をピペットでやるのがいいかもな。慣れるまでは大変だ。今回は水だからいいが、墨液だと溢すと大惨事になる。うーん、下に受けとなる容器でも置くか。溢してもそれを回収してまたウォータージャグに戻す事が出来るしな。


 売値を決める為に仕入れコストをはじく。墨液の仕入れは18リットルを基準とするとリットルあたりの単価は856円、これは460mlあたりにすると394円、190mlあたりで163円になる。とりあえず俺がボトルに小分けする作業の手間賃として+300円位してみるか。そうすると450mlは700円位、180mlは470円位になるな。180mlの方は取り過ぎだな。以前の200mlの売値500円と大差がない。というか同一容量あたりで比較すると寧ろ高くなってる。180mlは手間賃200円で370円とすると丁度いい位かな。


 従来からどれ位安くなっているかについても明確にしなければならない。塾生や保護者への説明も必要だからな。ただ従来とは容量が異なるから単位容量あたり、そうだな、100mlあたりで比較すればいいか。


        値段 内容量 100mlあたりの値段

墨液(大)従来 800円 400ml 200円/100ml

     今後 700円 450ml 156円/100ml 22%down

       (750円)   (167円/100ml)参考 容器代込みの値段

墨液(小)従来 500円 200ml 250円/100ml

     今後 370円 180ml 206円/100ml 17%down

       (400円)   (223円/100ml)参考 容器代込みの値段

今後、墨液は内容物のみの販売になります。

墨液の内容物は従来と同じメーカー、ブランドの物です。

初回購入時に容器代として450mlは50円、180mlは30円を加算させて頂きます。

2回目以降の購入時は空容器を返却すれば容器代は不要となります。

(紛失、破損、汚損等で返却出来ない場合はあらためて容器代が必要になります)

墨液を購入しない場合でも容器を返却すれば容器代は返金致します。

(容器返却時に破損、汚損している場合は返金出来ない場合があります)


 塾生達にも説明するが、保護者向けにはこんな感じの説明資料を作って月謝袋に同封しとけばいいか。おっと、説明資料に全て税抜きの値段ですって注釈も入れとかないとな。適用はそうだな、今ある墨液の在庫からみると来月までは従来の物、再来月から新しいボトルでの運用を開始しよう。在庫の墨液が余ったら小分け用のウォータージャグ、と言うかもはや墨液タンクだな、それにぶち込めばいい。


 ついでに半紙の価格も見直そう。今までは白鳳から1,000枚入りの箱を3,500円で仕入れて3,900円で売っていた。白井物産からの仕入れ値は3,200円だから3,800円位で売ればいいかな。利益としては従来は400円、新価格では600円だから、200円の増益になる。買う側からしてみれば3,900円だった物が3,800円になって100円安くなるんだから、これ位はいいだろ。50枚単位で売っていた分はどうするかな。こっちは変えずに200円のままでいいか。50枚200円は1,000枚にすれば4,000円、箱買い3,900円の場合は2.5%安、箱買い3,800円なら5%安になるから、箱買いする塾生が増えるかもしれん。50枚単位で売っていた俺の手間が減ればいいんだがな。これも説明用資料を作ってと。


半紙50枚   従来  200円

       今後  200円 変更はありません

半紙1,000枚 従来 3,900円

(一箱)   今後 3,800円 2.5%down

従来と同じメーカー、ブランドの物です。


 半紙も再来月からの適用にしよう。さて、再来月から適用となると今月、来月中にある程度の墨液充填を済ませとかないとな。とりあえず2ダース分仕立てといて残り1ダースを切ったら新たに1ダース分、追加で充填するとかでいいかな。一週間で1ダースも出る事はないだろうからな。出たら出たで嬉しいが、その為の余裕分が1ダースという訳だ。


 白井物産から発注受付のメールが来たな。発送は来週になってからか。物が物だけに時間がかかる様だな。さて、それまでに価格改定の説明資料作りを頑張るか。今月末に塾生に渡す月謝袋に入れる必要があるからな。

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