小六編 第86話 回避と反撃
先生に教室の使用許可を貰った私は早速、教室へと向かった。やっぱり隠れ家を確保したのは正解だった。これは家じゃ描けない。
「おじゃましまぁーす。」
誰も居ない筈だけど一応声をかけ乍ら玄関の扉を開ける。あれっ、なんかちっちゃい靴がある。誰か居るのかな。そぉーっと教室を覗いてみると小さい子が熱心に筆を握って書いていた。あの後ろ姿は!
「莉紗ちゃーん!」
思わず飛びかかってしまった。こないだはミユキチや先生に邪魔されて叶わなかったけど、今ならミユキチも先生も居ない。全力でprprしてあげよう。ハァハァ……い、いかん、ついヨダレが……ジュルリと舌なめずりして確保しようとする。しようとしたんだけどスルリと躱され逃げられてしまった。思いっきり抱きつこうとした両の腕は見事に空振って自分の目の前で交差する。
「出たな、このじゃどう女!」
何、その呼び方。大丈夫だよぉ、痛くないよぉ、すぅぐ気持ちよくなるから。デュフェフェフェフェ……
さらに一歩踏み出し莉紗ちゃんを拉致、いや捕まえようとするもまた逃げられた。この子素早い。こうなったら自爆覚悟で押さえ付けて寝技に持ち込む。フライングボディアタァァァァク!
「バシッ、ビリビリビリ」
「ギャァァァ……」
何? 体が言うこと利かない……き、筋肉が……あれって……スタンガン! 何でそんなの持ってるのよぉ。
「ふぅ……あぶなかったの。あっ、ミユキチ、見てよ。ついにじゃどう女をやっつけたの。」
ミユキチが教室に入って来た。そんな事より体が動かないんだけど。
「ミユキチ、何くわえてるの? ヒモ? 今のうちにこれでしばれってこと?」
「ミャ!」
「分かったの。しばって動けなくするの。」
いや、既に動けないんだけど。莉紗ちゃんに後ろ手で縛られる。えっ、足も? しかも背中側で手と足をつなげられた。エビぞりの形だ。幼女に縛られて拘束される。あっ、何かいいかも……ハァハァ……
「わっ、こいつハァハァ言っててキモいの。」
幼女になじられる。これはこれで……妄想が捗るなぁ、何かのネタに使えそう。
「莉紗ちゃーん、解いてよぉ。お姉さんと遊ぼうよぉ。ハァハァ……」
「ハァハァうるさいの。ちょっとだまるの。」
そう言うと莉紗ちゃんはこれまたミユキチがどこからか持ってきたタオルで、私に猿轡をかます。
「もがー、むぐぐ、むごわぁ!」
「これで少しはしずかになったの。書道にもどるの。」
私がモガモガ言ってるのを尻目に莉紗ちゃんは筆をとってまた書き始めた。拘束プレイの上に放置プレイっスかぁ? もしこれで目隠しとかされてたら完璧じゃない。これからどんな事されるのかって期待してしまう。って違うわ! 早く解いてよぉ。




