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中学生編 第65話 事業用口座と個人用口座

最近リアルが忙しくなって更新が滞っております。暫くの間、この状態が続くと思いますが、何とか週二話位のペースでいければと思っております。

 莉紗の事を気にしつつも俺はやるべき事をやらなければならない。とりあえずは庭いじりと言うか家庭菜園の草取りだな。四日間、家を空けていた事もあって結構な草が生えてきている。まぁ、夏だしな。この量なら手でむしるより(くわ)を使った方が早い。シャッシャと地面をこそいでいく。取った草はコンクリートの上に放置して枯らしてしまう。土の上に放置じゃ根付く事は無いと思うが種から芽吹いてまた草となって生えてしまうからな。草を取り終わった後の畑に水を撒いて、っと。ついでにキュウリを二、三本収穫しておこう。


 午後になって修道教室の時間になった。夏休み中の子供等がわらわらとやって来る。莉紗も来た様だな。


「莉紗、今朝の何だったんだ? 何か用があったんじゃないのか?」


「用と言うか……夏休みの宿題なの。」


「宿題で分からない所を聞きに来たのか? それ位ならその場で見てやったのに。どんな問題だ?」


「あっ、それはもう済んだから。今は別の所やってる。」


「そうなのか。分かんないとこあったら遠慮せずに言っていいんだぞ。」


「そうするの。」


 莉紗は何かノートに一生懸命書いてるな。宿題を熱心にやってるのかな。あれっ? ミユキチとなんか会話? してる? ミユキチもフンフンと頷いてる様に見える。いや、実際の所は分からんが。


「先生、来たよ。」


 明衣(めい)がやって来た。夏休み中、修道教室に顔を出すって言ってたな。


「明衣か。適当に子供等の宿題見てやってくれ。」


 明衣は教員免許持ってるからな。教えるのは俺なんかよりずっと上手いだろ。さて、子供等の宿題は明衣に任せて俺は溜まった事務仕事を片付けるか。具体的には帳簿付けとかの会計処理だな。うちの合宿や白鳳の合同合宿の費用はレクリエーション枠で事業の財布とは異なる。本来の事業である書道教室の帳簿付けだ。ただ、今月の教室は合宿の事があって今週末から始まる。よって物販品の販売もまだ無いから経費をまとめるくらいなんだが……それにしたって今月が始まったばかりで殆ど経費が発生していない。すぐに終わってしまった。うーん、あとは何しよう。


 と、思っていたところに白鳳本部からメールが来た。何々? 合同合宿の参加費の請求か。こういうのは普通は郵送で来るもんなんだが、うちは霞碩先生に提案してメールで送ってもらえればいいですよって事にしている。請求書なんかもスキャンしてpdfファイルなんかにして送ってもらっている。その方が早いしデータになってた方が管理しやすいし、白鳳としても少しでも郵送費が浮くだろうからな。まぁ、俺なら会報誌を送る時に同梱するだろうけど。会報誌は必ず送らないきゃいけないし、そっちの送料は絶対かかるからそこに紛れ込ませてしまうだろうな。こういうのはさっさと払ってしまおう。白鳳も売掛が少しでも回収出来た方がいいだろう。


 ちょっと待てよ。いつもは白鳳への支払いは数字が一番大きい地銀の口座から払ってる。白鳳の入金指定口座がその銀行だからだ。同じ銀行間ならダイレクトバンキング(ネットバンキング)を使えば振込手数料が無料になるからその様にしている訳だ。しかし、この数字が一番大きい地銀口座はうちの事業口座でもあるのだ。白鳳への入金が頻繁にあるので態態(わざわざ)こっちの県の支店まで行って口座開設したのだ。注意しなければいけないのは一般に個人の銀行口座は事業用として使ってはいけない事になっている。事業用として使うなら会社名や屋号が頭に付いた名義の口座を法人口座として開設する必要がある。なので、開設時はあくまで個人用として使うという事で開設しなければならない。ただ、うちの様な他県の支店で態態開設するとなると色々と勘繰られる。俺の場合は、実家との入出金のやり取りがあって実家の口座がこの銀行にあるからだという事で、無理矢理開設した。同行間なら振込手数料が無料、または安くなるからっていう理由をつけて。まぁ、実際には実家との金銭のやり取りは一切せずに、白鳳への入金にしか使ってないんだが。まさに事業用として使っている訳だ。このあたり、調査されると一発で口座召し上げになるかもしれんな。ただ税務署は何も言わんのだよな。明らかに個人口座なのに事業用口座として使っている事を指摘しない。奴等にしてみれば税金払ってくれればなんでもいいんだろうな。おっと、話が逸れたな。この口座は実際には事業用口座にしてるから、この口座から振込むと事業絡みの送金になってしまう。通帳でエビデンスが残るし、そうなると帳簿に記帳しなければいけなくなる。今回の合同合宿はあくまでレクリエーションで事業とは関係の無い(てい)で処理しなければならない。つまりこの口座からの振込は使えない。仕方ない、別の名実共に個人用の銀行口座から振込もう。他行振込手数料が月三回まで無料という口座を持ってるからそこからにするか。畜生、無料回数を一回分消費してしまった。白鳳にメール入れとこう。本日、合同合宿参加費振込んだんで確認しといてね、っと。無論、こんな言い方はしてないぞ。あくまで意訳するとそうなるってだけだ。


 あー! そういや合同合宿参加者に808円ずつ返金する件を忘れていた。小銭用意して返さなきゃ。今日はもう銀行閉まってるから明日からちょこちょこ小銭で引き出さなきゃ。うー、失敗したなぁ。

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