(8) 春
ごっちゅ!
言葉も通じなかった俺を拾ってくれた親方に見捨てられた俺様かわいそうだよなぁ?
家族持ちばかりになったら、独身者は付き合い難しいんだぞ?
王子とニッキに子供ができる日もそう遠くない、それまでになんとかしたいなぁ、、、
と思いつつも、自分がそういうことに関してはチキンこの上ないことを思い出した。まぁ親方に頼った時点で、、、
焦るのが最も良くない。がっついてはいけないのだ、獲物は気配を感じ逃げるのみ。だがその時の俺はそのものだった。
町に飲みに出ても、城のメイドたちとだべっても、彼女たちの様子は今までとは違った。
悪循環、自分では抑えているつもりでも、無意識下で更に焦りが進行する。
親方から返事が来て半月もたった頃、客が来た。いなか(辺境)から。
親方の親類で、俺の身の回りの面倒を見てやれ、ということで送られたとのこと。
「大丈夫です、”全部”聞きましたから安心して生活してください。身の回り、食事も洗濯も掃除も大丈夫です!!」と。
側に一人いるだけで、俺の気持ちはすごく落ち着いた。そんなもんなんだなぁ、、と自分の中の変化に驚く。
一ヶ月もたち、彼女が新しい環境に落ち着き、俺にも慣れた頃、親方が「双方気に入ったら、彼と連れ合いになってくれるか?」と自分に聞いていたことを彼女は俺に話した。
俺は彼女の性格を好ましく、働き者であることもとても好ましく思っていた。二十歳前だという。すごいしっかりしているのに、、。
彼女が来てから1週間ほどたった頃から、鍛冶屋のおやじのところに連れて行って手伝いだと紹介。俺でなくとも良いことは彼女が来るかもしれないと。
そのちょい前に王子が俺のところに来た時に王子に紹介した。彼女が来たその日に助手兼監視に伝えておいたんだけどね。
王子が帰った直後、ニッキも見に来たのがばればれなほどの意味のない用事で俺のところに来た。それからちょくちょく直接彼女を訪ねてくるようになった。俺と王子、ニッキと彼女、の立場から親しみやすい位置にいるし、彼女の性格が天真爛漫系が少し入っていたのも大きいんだろうな。
その後、鍛冶屋のおやじも家族も気に入ったようだった。慣れさせるためにちょくちょく用事を頼んだのだ。町での買い物等、いろいろ町をみれるように雑事も頼んだ。
なので、彼女が大工の親方からの言葉を話した時点では、もう俺には「俺の嫁になってくれれば幸せな人生遅れるなぁ、俺が。」とか勝手に思ってた。男なら普通幸せにしてやる、とか思うんだが、次元が違うんだよな彼女は。
親方、一生付いていきます!!って離れているけどねー
彼女がOKしてくれた直後、親方に感謝の手紙を広辞苑並の厚さでおくった、暑さ?熱さ?
つーことで、王子とニッキに子供ができる前に、俺は嫁さんを得られることになった。よくわからんがギリセーフ、みたいな気持ちが沸き起こっていた。
しかし、
奴らは更に上を行っていた、、ニッキが身ごもっていたのだ。奴らは滑り込みセーフで大逆転していただったのだ!
まぁいいけどね、どっちもめでたいことだから。
こっちだって負けてられん、と思ったが、いや俺チキンだし、、、
王子がオレと彼女の結婚式と宴会を催してくれた。俺だとなにもしないかも、と特にニッキが心配したらしい。当たりだ、大当たりだよ、何やっていいかさっぱりだったんだよ!!王子に相談しようと思ってても、ニッキと結婚したらあまりつかほとんど来ないじゃん裏切り者!!
俺の場合、嫁さんの田舎のこともあるので、
王都で一度、田舎で一度、の二箇所でやることになった。王子の決定なので覆せる者はこの国ではニッキしかいないw
すごかったなー、特に田舎では。領主大感激。領民たちも!
親方、王子にすごく感謝されていた。恐縮で固まっていたまじで。固まった人って初めて見たよ。
つか、王子がそれほど喜んでくれてたんだなぁ、、友人ってありがたいもんだなー。あれ?初めての友人かな王子が、、、一瞬悲しくなったが、でも嬉しさがそれを万倍うわ待ったので楽勝♪すげーいい嫁さんと一緒になったしな!!
俺はこっちと相性いいのかな?かなかな?? ”ひと”にはすごくツイているよな! まぁ、俺の夢だからご都合主義ってのが強いんだろうけど、、
何にせよ、生まれてから今迄一度も味わったことのない超幸福感、存分に味わうが良い俺!
(”生まれてから今までに一度も味わったことのない感覚”が、自分の夢の中で”再現”できるのかという矛盾について、その疑問は忌の際の枕元にてニッキによって解消されることになる)
短くてすみません。
エンディングはできているんだけど、その間ができていません。
どこまで続くか、ななしの主人公のご都合なのでわかりません。
奴はふらふらしているんで先が全く見えません、、、