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(3) ボッシュート

まいど

それから一月くらい後、またあのオーナーさんが、あれから次の次の現場までやってきて、おれに更に金をくれた。

キッチンのアイデア料だ、と言って。

で、もっとなんかアイデア無いか?と聞いてきたので、

「こっちじゃ風呂をみたことないけど、あるの?」

あることはあるが、金持ちのものでかなりの広さを必要とするので、一般的ではない、とのこと。

「んじゃ、一般的、オーナーさんの家にしつらえるくらいの大きさでは?」

んなのできるわけないので無い。とのことなので、昔の薪で沸かす風呂を思い出して提案。金属パイプがあるかどうかわからんが、まぁ火に強い粘土とあの粉で十分だろう。

親方が許可し、俺は翌日からオーナーさんの家に。

裏の外壁にくっつけるようにして、裏庭に20畳くらいの場所をとった。

レンガで外壁、粉入り粘土でモルタル、風呂桶、洗い場等を作り、風呂桶とくっつけた壁の外にでかいかまど。かまどの上には固定されたでかい釜。釜は粘土で壁とくっついており、その中には上下のお湯の通り道があり、釜の穴に通じている。冷えた水が釜に入り、熱された水が風呂桶側に行く。釜の位置が風呂桶より少し下になるようにしているので風呂場が結構高くなっている。

んー、勝手に循環してくれるかなぁ、、本当は釜より金属パイプのほうがいいんだが、、オーナーに言ってもワケワカラン感じだった。便所のガス抜きも木製の四角いパイプを作ったくらいだし、、


で、試運転。

井戸から引いた(木製四角)パイプから水が釜に入る。釜は既に熱くなっている。釜から風呂桶にどんどん水が入っていく。でも風呂桶の穴は中程に位置なので、そこまでいったら、井戸から風呂桶に向かう方のパイプで井戸水を風呂桶に流す。

風呂桶の水がどんどんぬるくなっていく。

満杯の状態で、風呂釜をどんどん炊く。

あ、多分、蓋して釜の内圧上げたほうがいいかも、、

一時中断。まぁ風呂のお湯はゆっくりだが温まってきているが、中断。

オーナーに言って風呂釜にぴったりした蓋を作ってもらう。圧力で蓋が浮くので、重しを載せられるように。


結果、やっぱ圧がかかるほうがいいみたい。結構早く温まる。

一号機はやっつけな感じ満載というかやっつけのみだったが、まぁどうにか。

図面書いて考えてみるのがいいな。

もっと小型化。圧に強い。

とりあえずそこか。


オーナーは、俺に、いろんなものを作り出す専属ならないか?と言ってきたが、現場にいるからこそこういう案が出てくるんで、机に座ってて出てくるものではないんですよ、と説明。

結局、なんか思いついたらオーナーに話を持っていくことを優先する、と約束した。


あのオーナーのあとの現場はさほど大きくなく、普通のお店が付いた2階建ての家が連続した。

その後、親方のチームだけではなく幾つかのチーム合同ででっかい現場に入ることになった。


「今度は領主の仕事だ。でかいぞ、半年は続く。」

鼻息が荒い親方。領主がいるってのがびっくりだが、江戸時代かよ。支払いは良いらしい。俺が入った最初の現場から、全て支払いはちゃんとしているとのこと。この領地は景気がいいとのこと。

んじゃ王様なんかいるの?って聞くと、いるさ、王都にな。とのこと。王都は乗合馬車で数日かかるらしい。でっかい都市で、住民も何十万という数らしい。ちなみにここは領都で、3万人程度とのこと。囲ったでかい塀とか無いのなー。戦争も無い土地らしいのでいらないとのこと。ぶっちゃけ僻地らしい。

でも治安はどこよりも良く、住民ものんびりしているので、多分最も暮らしやすい街だろう、と言っていた。



「んじゃ、もっと精製したらどうなるの?」

「そりゃ、もっと頑丈で強いものになるだろう。鉄鋼の種類によって、固く強くなるもの、強くなるがしなやかで脆さがすくなくなるもの、いろいろあるが」

鍛冶屋に来ている。風呂釜の設計をオーナーに見せに行ったら、この鍛冶屋に行って話を積めてきてくれと言われた。間に人が入るより直接のほうが速いし間違いない。

密閉型の釜、圧力を抜く弁、勿論そのまま火にかけるので耐火性は抜群に。火の熱はなるべく無駄にしないような素材で、などなど鍛冶屋のおやじに言わせりゃ「むちゃばかり」を要求。


風呂釜2号機は、なかなか満足したものになった。あとは耐久性がどれほどあるかだなー。

一応危険なので、重しを付けた蓋を一定の圧力以上になった場合の圧抜きに付けた。ばかすか炊いても異常圧力にならんように、だ。



領主の現場は、町の北端にある領主の館の並びにある領軍の建物と練兵場らしい。今までのが手狭になったので、館の北の森を開拓して新しい軍の拠点を作るとのこと。

俺はそこの現場に行ったり、商会のオーナーのところに行ったり、とかしていた。


ある日、昼飯食ったあと、竹っぽいものの破片が転がっていたのでカッターでたけこpいやいや、竹とんぼを作った。何度か調整したらすごくよくなり、超高く飛んだ。

ソーレを見ていたヒゲオヤジ、、なんか制服来ているし、軍人ぽい?が興味を持ったのか、こっちに来た。

見せてくれつーので見せてやりかたを教えた。なんどもなんども飛ばしていた。子供か。いや、自分の子供に作ってやりたんかな?微笑ま。

「これのでかいのを作れないか?」

ヲイヲイ、、、OTL、、、、


仕方ないので、その竹みたいのを2−3m持ってきてもらい、竹ひごを作った。

まず「凧」。

あそばせた。

で、グライダー。紙はザラザラした厚めなので、なるだけデカ目のグライダーにした。調整めんど。骨も手抜きで少なめにw

でも最終的には結構、50mは飛んだな。流石♪

おまけに紙飛行機も作ってみた。


ヲイヲイ、紙飛行機すら始めて見たのか?のか?、、まじ?


誰の夢だよこんな面倒なの、、、

もしかしたら俺、昏睡状態で長い長い夢みているのかなぁ、、、

そういえば、夢の中で目が覚める前俺が家に帰った記憶ないぞ?事故?

まぁ、今は置いておこう。

目の前のヒゲオヤジがうるさいし。


んじゃ、、ゴム、ここで見たこと無いから無いんだろうから、木綿?の細い紐と弓のようにしならせたものをバネ代わりにして、プロペラ模型飛行機にチャレンジだ。

ヒゲオヤジは建築中の建物の、作り終わった部分の部屋に机など持ってきて作業場にしてくれて、そこで作業してくれとのこと。飯など運んでくれた。

で、一応、ちょっと心配になったのでオーナーに相談しようと、一度帰った。

オーナーが付いてきた。仲介どうのとかいうのではなく、なんか心配だから話を聞いて安全性を確認したほうがいいという親切心みたいだ。


馬車で乗り付けると、オーナーはヒゲオヤジと話し始め、ほどなく領主の館に行ってしまった。


夕方になった頃、館の従業員?下僕?が俺を呼びに来た。

風呂に入らせてもらい、着替えを与えられ、食事に。

でっかい食堂。しかも高級そう。床は石?大理石っぽい石。

領主とオーナーと俺。食事をしながらお話。酒を飲みながらお話。

なんか「飛ぶもの」に興味を持ってしまったらしく、、、

「人は乗れないよ?」と念を推しても「うんうん」と、聞いちゃいねぇなこいつら、、、

鳥人間コンテスト無理だから。

でっかい凧、人乗せて、落ちたら死ぬから。

まぁ、ハンググライダーくらいかなぁ、、できても。でも強度のある軽いパイプなんぞ作れないだろう?


水車はあるのか聞いてみた。理解不能?無いみたいだね。

んじゃまず水車からだな。

つか、荒れ地が多い様子なんだが、、、灌漑できないのか聞いてみた。

井戸はなかなかできない様子。大きな川は隣の領地との堺にあり、領都まで結構あるとのこと。

でもその河からここまで平地とのことなので。


1) できるだけ上流側から用水を引く。なるだけでかく。領都迄。そこから更に他にわけられるよでかいものを。

  ついでにそれは船の航路にもなるので超便利。海まで行けるかもよ?

  更に、小さな水路が多くなれば、水車が使えるようになる。

2) 鉄の精製を、限度いっぱいまでやってみる。それで同じものを作って差を見る。

3) 風呂釜を安定して量産できるようになること。その後、その応用編を提示してあげるから。

4) 作物の品種改良。実ったものの中で、品質の良いもののたねのみを選別し、それだけを育てる。ほかから花粉が流れてこないように細心の注意を払うこと。


などを提案。

「目先のことも大事かもしれんが、10年先20年先にもつながることも重要」と説得。


用水は、「海に行ける」がかなりそそったらしい。オーナーは「船が使えると運べる量が桁違い」と。

多摩川用水とかしょぼいけど、多摩川も江戸川も用水路なんだよな。あの規模できればすげーけど、元の河がどの程度なのか、、、オーナーは「でっかい」「向こう岸の人が種ほどに見える」と言っていたが、マンゴーの種だとでかいからなー。タテ15センチw


船を見たことがあると言っていた。話だと全長10m幅3mくらいかな?

風呂釜載せられるかなー、蒸気機関使ってみたいんだけど、、などと密かに思っている。

当然外輪船ではなく、スクリューだ。吃水より上からスクリューを水にぶち込んで。ほら、東南アジアとかによくあるだろう?自動車のエンジンをそのまま船の後ろに載っけて、軸の先にスクリューくっつけたやつw

まぁ、軸は固定で、舵は別にすればいい。最初はギアなし。そのうち無段階変速機。お皿のやつ、ほら変速機の初期のもの。鉄が加工できるんだから、まぁできるだろ。



5年があっという間にw

領主は河とこの領の間の領主をたぶらかし、用水路を合同で作った。まず主水路。幅30mくらい。

んーーー、、、、、ちっさい、、、

第二水路作らせりゃいいか、、、たぶらかして、つか、航路になりゃそのうち「狭!!」って気がつくだろ。


鍛冶屋の親父と商会のオーナーとで試行錯誤しながら作った船搭載用釜は完璧に。

船は領主が幾つか買ってきている。一番でかいのが全長20m。吃水が浅い船なのでちょっと心配だが、釜は小型なので。

で、適当な記憶しか無いけど、乾式ドックを作らせて、釜を搭載、軸を固定、ドック内で試運転は完璧。

さて、航行試験。

ドックから引っ張り出し(水門式ではないので)た。

釜の圧があがる。圧力計はないけどね。タービンに蒸気を送る、スクリューが回りだす。ゆっくり船が進む。

どこまで速度が上がるかなー?

結局30km/hは出てないなぁ、、20kくらいか、、制限守るおばちゃん原チャより遅く、朝のサラリーマンのママチャリより速いていど。

でも皆超びびってた。びっくりしていた。で、船が弱いわ、、、みしみし言っている。これで満載したら轟沈するわ。

竜骨式にして、できれば鉄の竜骨を試してみること、とお願いしておいた、

釜に余裕があるので、船体重量が増え、ペイロード満載でもこの釜でいけるだろ。時速15kmくらいで巡航できるんちゃいますやろかね?何語だよ。満載じゃなきゃ20は普通に出せるな。


新船体できたら、海まで出てみることで話がつく。


鉄の精製はどんどん改良されているらしい、鉄以外も。

品種改良も、いくつも試行錯誤を同時進行させて、そこそこいい方向に言っているとのこと。

風呂釜は、流石に一家に一個はまだ価格的に無理だが、何軒かあまとまって一つ買って共同浴場とか作っている様子。安く入れるんで、毎日でも入れるくらいだそうだ。ただ、水がそこまで多くないんで、共同浴場も昔の都内の銭湯並の数しかないと。いっとう最初に目が覚めた日に見えた山から水引けないのかなぁ、、距離ありそうだから無理かー。


用水主路から枝路をどんどん引いている。水車のメイン部品は作ってあるので、組み立ててみなけりゃなー。

突くのと粉挽き用か。混ぜるってのもできるよな。

あとは、研磨も。


で、


新しく作った船、王様に没収されました。

お粗末さま。続きます。

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