予定
雑談も交えつつお話していると、コンコンと扉がノックされる。
「入れ」
トール伯父様の声で入ってきたのは、先程出ていったリーフェとリーファだった。
押しているカートにはポットやカップ、お菓子などが載っている。
さすが、気が利く。
双子のいれる紅茶は香りが良くて、とっても美味しいんだよね。
さっそく紅茶をいれ、セットしていく双子。
「お待たせ致しました」
「どうぞお召し上がりください」
手際の良さに目を奪われている間に、あっという間に紅茶とお菓子が並べられた。
「礼を言う」
「礼を言われるようなことではございません」
「私たちはただ、リリィ様のために行動したにすぎませんので」
「そ、そうか」
双子に無表情で返され、若干たじろぐトール伯父様。
そういえばトール伯父様、双子たちとはまだ話したことがなかったね。
慣れれば無表情のなかにも感情を読み取ることができるんだけど。
ちなみに今はちょっと得意げだ。
「……美味いな」
先に紅茶を飲んだトール伯父様が目を丸くする。
私も一口。
うん、今日も美味しい。
シャントルア父娘も私たちに倣って口をつけた。
「お前、いつもこんな美味いものを飲んでいるのか……」
ふふふ、うらやましいでしょう。
双子はあげませんけど。
「さて、話の続きだ。リーゼ嬢、出仕のための準備にはどの程度かかる?」
「準備、ですか……。2日、いえ、3日ほどでしょうか……?」
「ふむ、3日か……」
3日ね。
4日後には叙爵式があるんだけど、リーゼの出仕はその前がいいのか、後がいいのか。
「リリィ、お前の方でも準備は必要だろう。お前としてはどうだ?」
「うーん、そうですね……。叙爵に関する予定次第でしょうか」
例えば、今離宮にいる他国からの招致者の扱いとか。
彼らが叙爵後、どうやって住居を手に入れるのか、そこが特に重要だ。
自力で手に入れるのか、トール伯父様、というか王族のほうで都合するのか。
それによって離宮の動きも変わってくる。
と、トール伯父様に説明する。
「招致者に対しては、叙爵式の後、生活基盤が整うまで支援する予定だ。具体的には使用人の融通、王都に構える住居の下賜だな。住居に関しては例のアレで大量に手に入った屋敷を改装している」
例のアレ……謀反の件ですね。
アル叔父様がイイ笑顔で巻き上げたとか言いかけた、元貴族たちの屋敷のことですね。
「そろそろ改装も完了していることだろう」
それならリーゼの出仕は叙爵式の後からのほうがいいかな。
招致者たちが順次引っ越していくなら、ばたばたして新入りになるリーゼには大変だろうから。
「わかりました。では、5日後か6日後はどうでしょう?」
それ以上先だと、今度はリーゼの体調が心配だ。
「ならば、5日後でお願いします!」
最後はリーゼの希望により、出仕は5日後ということで落ち着いた。
ということで、私は明日のオーク討伐を頑張ります。




