相談
更新!
久しぶりの更新ですよ!(´;ω;`)
「この商会の商会長は私ですし、実際に運営しているのも私でございます。しかし、この商会は私のものではないのです。私はあくまで、商会主様からこの商会を預かっているのみ。そういったお話は、その方として頂きたいですな」
まぁ、その方もお断りになられるでしょうが、とアーロンは呟いた。
「……では、商会主だというその方はどこにいらっしゃるのですか?」
ここにいますよー。
言わないけど。
「事の次第はお伝えしております。今もこうして私に任せて頂けているということは、少なくとも貴方とお話する気はなくていらっしゃるようですな」
確かに、嘘は言っていない。
事の次第はこうして今聴いているわけだし。
そういう話は面倒だからアーロンに任せたいし。
伯爵になんと言われようとこの商会は手放さないし。
「その商会主殿が貴方に任せているということは、貴方にそういう権限を与えているのと同じことでは?」
「仮にそうであったとしても、私はその権限を使う気はございません。もし無理やりこの商会を買い取ったとしても、貴方は空っぽの商会を買うことになるでしょうな」
だろうね。
この商会の従業員も全員〈月影〉だし。
外に出しちゃいけないようなものは回収するだろうし。
「空っぽ? 何故ですか?」
「このグレイス商会は、その商会主様の手にあって初めてグレイス商会たり得るのですよ。その商会主様の元であったからこそ、こうしてここにあるのです。そちらこそ、何故この商会にこだわるのです? 商会なら他にもたくさんあるでしょう」
十中八九、王族関係の何かが欲しいんだろうけどね。
謀反の時にグレイス商会が兵糧なんかを用意したことで、王族と何らかの繋がりがあるということはみんなが知るところになっただろうし。
「はっはっはっ! それは貴方ならお解りになるでしょう」
「やはりですか」
やっぱりか。
思わずふぅ、とため息をつく。
それを聞きつけてか、伯爵がこちらを向いた。
「先程から気になっていたのですが……この子は?」
貴方が会いたがっていた商会主です。
言わないけど。
「貴方のご息女が噛み付いた相手ですよ」
「リーゼが噛み付いた? それは一体……?」
そのままの意味ですよ。
「貴方のご息女を止めようとして、ご息女から心ない言葉をかけられたようです。……少しばかり、甘やかし過ぎたのではありませんかな?」
ここで初めて、アーロンが片眉をぴくりと上げた。
おぅ……。
アーロンが怒ってるぅ……。
静かに怒ってるよぉ……。
「あのままでは、間違いなくいつか敵を作りますぞ」
「解っています……」
急にしょんぼりとする伯爵。
「あの子はようやくできた愛娘で……どうしても叱ることが出来ず……。どうしたら良いのか……」
「…………」
黙り込む一同。
私とラスヴェトとテッドは最初から喋ってないけど。
どうしたら良いのか、と言われても……ねぇ?
ここには自分の子どもを育てたことがある人物はいないんだよ……。
というか、いつの間にか話の内容が子育て相談に代わってますよ?
「そうですなぁ……。子育てに関しては私どもは無知でして……」
「おや、それくらいになればお孫さんの一人はいらっしゃるのでは?」
「お恥ずかしながら、孫どころか子も妻もおりませんよ。……孫のように思っている方はおりますがな」
ちらり、と私を見るアーロン。
そっか、アーロンは私のことを孫みたいに思ってくれてるのか。
嬉しいなぁ。
「意外ですね。貴方ほどの方ならば女性から寄ってくるでしょうに」
「以前はそのような環境にいなかった、とだけお伝えしておきましょう」
「左様でしたか」
その時、コンコン、とドアがノックされた。
テッドが僅かにドアを開け、外の従業員と一言二言、言葉を交わす。
「リーゼ嬢がお目覚めになられたそうです」
7月頃の私「年末頃は書きたいものが多くなってきてヒィヒィ言っている気がしますw」
有言実行なうですよ……




