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主の為に① ザーシュside






「全く、ラスヴェト君もリリィちゃんに似て心配性なんだからさ、ホント」


王城からこっそりと抜け出し、ふぅ、と僕はため息をついた。


「さて、と。まずは……バゴット王国にでも行きますか」


ひとつ伸びをしてから全身に身体強化をかけ、走り出す。

体力が()つギリギリの速度で駆ける。

少しでも早くリリィちゃんのところに帰りたいからね。


リリィちゃん方式で身につけた転移も使い、たった1日足らずで隣国、バゴット王国に辿り着く。

リリィちゃんがこの技術を〈月影〉にしか明かしていないのは、きっと悪用されるに違いないからだろうね。

ホント、リリィちゃんのそういうところが大好きなんだよ。


さて、このバゴット王国。

この国は王族が腐っている。

〈月影〉が確認したから間違いない。

この国の王は自分に意見する人間が嫌いで、善良な家臣を次々と左遷し、今では腐った家臣しか周りにいない。


僕の目的は左遷された善良な家臣。

彼らを招致することが出来れば、リリィちゃんがあそこまで仕事に追われることはなくなるはず。


「ザーシュさん」


バゴット王国に潜入していた〈月影〉が現れる。


「目を付けていた19名のうち、10名が招致に頷きました」

「あれ?僕話通せって言ってあったっけ?」

「ないです」

「だよね」

「少しでも早い方が良いかと思いまして」

「ん、助かるよ。じゃ、その人たちネリルランディアに連れてっといて」

「了解」


リングの補助で転移する〈月影〉。


「うーんと、あとこの国でやることは…………ん?」


バゴット王国について何か情報はないかとスクリーンに目を通していると、とあるものが目についた。


「何をしたいのかな、この国は」


”バゴット王国が武器、保存食その他軍事用と思われる物資をかき集めている”


まさか、この国の状態で戦争を始める気かな?

今は魔盛期だってのに。

その上少し前までのネリルランディアのように平民から搾取している。


さて、相手はどこだろうか。

さらに情報の海に潜っていく。


”バゴット王国内で盗賊が多発中”

対策しなよ。

これは違う。


”バゴット王国でも魔物が大量発生し、国民に被害が出ているようだが、上層部に対策の動きなし”

いや、それも対策しなよ。

これも違う。


”バゴット王国内にて食糧難が発生中”

お、これは食料をかき集めているからかな?


”バゴット王国内にて孤児が増えている模様”

ここでもか。

でも、これじゃない。


”バゴット王国内にて、左遷された家臣がネリルランディアに面する領に送られている様子を確認”

…………へぇ。


その時、新しい情報が追加された。


”バゴット王国国王、3ヶ月後にネリルランディアへ派兵することを決定。なお、その後宣戦布告が行われる模様”

ふうん?

よりによってネリルランディアに喧嘩を売るつもりとはね。

リリィちゃんがさらに忙しくなっちゃうじゃないか。

どうしてくれよう。


あれこれ思考を巡らせていると、ピコン、と音がする。

見ると、リングに通話通知が来ている。


〘ザーシュさん、さっきの俺です〙

「ああ、うん。どうかした?」

〘バゴットの国王が3ヶ月後にネリルランディアに派兵することは?〙

「さっき見たよ。ふざけてるね」

〘はい。それ関係でひとつ報告が〙

「なに?」

〘その報を聞いた我々が目を付けていたバゴット王国の家臣たち全員が招致に応じました〙

「あ、ホント?それは重畳」

〘順次ネリルランディアに移住させていきます。ネリルランディア国王への告知はどうしますか?〙

「あっちにいる近侍に行って貰うよ」

〘了解。では、俺はこれで〙

「うん」


順調順調。

…………あれ?

これ僕来た意味なくない?

ちょっと待って。

〈月影〉たちはどこまで手を回しているのかなっと。

スクリーンに流れる情報の波に再び目を向ける。


…………残りは帝国だけかよ!

有能だね、〈月影〉!

さすがリリィちゃんが育てただけあるよ。


とりあえず帝国行きは決定かな。

それからバゴット王国。

どうしてくれようか。

一応リリィちゃんには報告しておこう。






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