軍部会議
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広い会議室。
深刻な表情で黙り込んでいる面々。
王族たちが足を踏み入れた。
ザッと立ち上がる者、億劫そうに立ち上がる者。
会議の中心となる場所に王族たちは腰掛けた。
それにならい、腰掛ける一同。
「報告を」
トール伯父様が言い放つ。
「はっ!謀反が起きたのは夜明け頃、規模は兵がおよそ2万、騎士がおよそ1000と推定されます!主犯格は宰相のイグロンド侯爵、発生場所はメイリス伯爵領北部、タナス砦に本拠地を置いているものと思われます!」
トール伯父様が私をチラリと見る。
報告の内容と私の情報に食い違いはないので、軽く頷く。
「ご苦労。下がれ」
「はっ!」
その時、何か言いたげにしている文官が目に入った。
「なんだ、言いたいことがあるならば言え」
トール伯父様が促す。
「その……。そのように幼くていらっしゃる王女殿下がこの場にいらっしゃるのは、良くないのではと思いましたもので……」
それを聞いたトール伯父様は鼻で笑った。
「これが幼いだと?これが幼いのだとすれば、お前たちは赤子ということになるぞ?」
これ言うなし。
しかし、それは言えてる。
だって中身子どもみたいだもの。
それを聞いた一部の官や貴族たちが憤る。
「なっ!陛下といえど、そのお言葉はあんまりですぞ!」
「そうですぞ!撤回を求めさせて頂きたい!」
いやぁ、王族舐めてるねぇ。
あなた達の後ろの従者、そのまま人を殺せそうな目をしてるよ。
もちろん、その従者たちは〈月影〉。
〈月影〉は何故か私への忠誠心がびっくりするほど高い。
そんな〈月影〉の前で王族を舐めてる発言をすればどうなるか。
結果はご覧の通り。
出処不明の殺気を浴びて腕を撫で摩る官や貴族たち。
「撤回をする気はない。王女もこのまま同席させる」
ぐるぐると唸り声が聞こえてきそうな顔でこちらを睨んでくるが、怖くもなんともない。
こちとらワイバーンの群れを単騎で狩る王女ですからね!
「話を戻す。鎮圧に向かうのは現在王城に残っている兵4万と騎士2000のうち、半数だ」
ざわめく室内。
「まさか、同数で鎮圧なさる気ですか!?」
戦の時、攻める側は守る側よりも数を多くするのが当たり前である。
そこを、同数で叩くとトール伯父様は宣言したわけだ。
「王都の守りを薄くするわけにもいかんからな」
「無茶ですぞ!せめて3分の2は向かわせた方がよろしいでしょう!」
必死に言いつのる〈月影〉付きの貴族のうちの1人。
「お考え直しを!」
「いや、半数だ」
「陛下!」
「くどい」
悔しそうな貴族。
「オーギュスト·ランギオス·エル·ネリルランディアは魔術師団を、テオデリック·アロウノ·エル·ネリルランディアは騎士団を、オズワルド·ランギオス·エル·ネリルランディアはテオデリックの補佐を、ヴィルヘルム·カリムロス·エル·オル·ネリルランディアは全体指揮を任せる。それから、リリディアナ·ディアーナ·エル·ネリルランディアはヴィルヘルムの補佐を」
「「「「はっ」」」」
「承りました」
トール伯父様が私を鎮圧軍に入れると言った瞬間、どよめきが走った。
「王女殿下を戦場に送るなど!」
「それも相手と同数の軍なのですぞ!」
「そもそも、王女殿下は病弱でいらっしゃるはずでは!?」
あ、それただの設定だから。
「リリディアナが病弱だとすれば、この世は瀕死の重篤患者だらけだぞ」
誰がゴリラだって?
トール伯父様に微笑みかける。
こちらの世界にゴリラがいるかどうか知らないけど。
ダラダラと冷や汗をかき始めるトール伯父様。
いやですねぇ、私は微笑みを向けただけではありませんか。
…………にしても、官や貴族どもがうるさい。
いい加減静かにして欲しい。
「王女殿下よりも王太子殿下の補佐にふさわしい者はおりますぞ!お考え直しを!」
さっきの〈月影〉付きの貴族がここぞとばかりに騒ぎ立てる。
「年端もゆかぬ王女殿下よりも、歴戦の将軍や騎士を補佐になさる方がよろしいのでは!?」
トール伯父様が呆れたようにため息をつく。
「分からんか。お前たちが信用ならんと言っているのだ」
「なっ!?」
わお、トール伯父様言っちゃった。
スッパリ切り捨てられた官や貴族たちは真っ赤な顔でプルプルと震えている。
「もうよい……もうよい!貴様ら王族など滅んでしまえ!」
はい、言質取ったり。
リングで今の、録音しました。
〈月影〉の殺気が室内に撒き散らされる。
怯える文官。
竦んで動けない兵。
殺気の出処が分からず右往左往する騎士、将軍。
ダメだね。
自分の好きなことばかりしていただけあって、練度が低すぎる。
王族滅べ発言をした貴族はどうやら殺気に気がついていない様子。
「お前ら!王族など皆殺しにしてしまえ!」
ふぅん?




