王族再会
顔を隠していたフードをとった5人。
その下から現れたのは、金や銀の髪と瞳。
つまりは、王族である。
全員男性で、それぞれ40代後半、30代後半、30代前半、残りの双子と思しき2人は20代前半に見える。
私も、チラリとロランさんを見てからフードをとった。
「確かに王族だな、ロラン」
30代後半に見える人がロランさんに話しかける。
「だろう?」
「では、この子が?」
「おそらくね」
「そうか」
その人は私に近づき、目線を合わせるようにしゃがんだ。
私と同じ銀髪に、濃いはちみつのような金の瞳をしている。
「名は?」
「リリディアナです」
「では、お前の母の名は?」
「アリアンナです」
お母様の名前を答えると、そうか、と呟き頭をぽんぽんとされる。
「無事で良かった。それから、遅くなってすまない。私がお前の父、テオデリックだ」
そう言って、武人らしいキリッとした顔をほんの少し緩めた。
そっと手を伸ばされ、抱き上げられる。
「リリィ、この2人がお前の兄のオズワルドとオーギュストだ」
そう言って紹介されたのは20代前半の双子。
私にはお兄様が2人いたのね。
お母様、私聞いてないよ!
…………ちょっと待って?
見た目年齢おかしくない?
お父様どう見たって30代後半じゃないですか!
……いや、15とかそのへんで出来たのならおかしくは……ううん、やっぱりおかしい!
そうなったらお母様いくつよ!?
私の見る限り、お母様は20代後半くらいにしか見えない。
うんうん考え込んでいると、残りの2人も紹介される。
「これは私の弟で、お前の叔父にあたるアルフレッドだ」
30代前半の人だ。
「兄上、これ呼ばわりはやめてください。……はじめまして、リリィ。あなたの叔父のアルフレッドです。好きに呼んでくださいね」
「はい、よろしくお願いします。アル叔父様と呼んでも?」
「構いませんよ」
「ありがとうございます」
最後に残ったのは40代後半に見える人。
「リリィ、この人は先代の王でアリアの父だ。リリィの祖父にあたる」
先王こんなところにいていいんですか。
「リリィ、はじめまして。おじい様と呼んでくれ」
まさかの呼び名強制。
「はじめまして、おじい様。よろしくお願いします」
「可愛いなぁ」
威厳のある相好がデレッと残念な感じに崩れているおじい様。
「……あなたにはヴィーや双子という孫もいるではありませんか……」
「孫娘は別格に決まっているだろう」
キリッとした顔で何を言っているのです、おじい様。
……あ、忘れるところだった。
「そういえば、お母様が何やら計画を立てていらっしゃるようなのです。そのために、王族を全員王城に集める、と。王への伝達は既に完了しております」
「アリアは変わらないな」
「母上はお元気そうだね」
「お変わりないようだ、母上は」
「義姉上は相変わらずでいらっしゃるようですね」
「変わらんな、あの娘は」
お母様、なんだか色々言われていますよ?
「リリィ、お前は貴族についてどの程度知っている?」
お父様の質問に答えようとして、ハッと気づく。
ロランさんの悪人談議はこのためか、と。
「それなりには知っているつもりです。お母様に手伝いをするよう言われておりますし」
「そうか。では、アリアは今どこにいる?」
「領主館です」
私の答えにお父様が眉をひそめる。
「……なぜそんなところに?」
「今お話ししてよろしいのですか?」
「……後で聞こう」
「その方がよろしいかと」
「では、早速行くとするか」
おじい様がハッハッハと笑いながらフードをかぶって部屋を出た。
早いですよ、おじい様。
と思ったら、他の王族もそれに続く。
私もそれに従って部屋を出てついて行った。
1階に降りていくと、部屋の中に入れなかったグランディオが、今なら構えるでしょとばかりに擦り寄って来る。
「それはリリィの従魔か?」
「はい、そうです。お父様」
「良い従魔だ。良かったな」
「はい!」
うふふー、とご機嫌にしていると、お父様に抱き上げられる。
「では、アリアの元に急ぐとしよう。リリィ、案内を頼めるか?」
「はい」
「……リリィ様、案内は私に任せて頂けませんかな?」
今までそっと成り行きを見守っていたムンドが申し出る。
「お父様、よろしいですか?」
「ああ、構わない」
「ではムンド、頼みます」
「はっ、お任せを」
ムンドの案内によって領主館へと向かった。
早くお母様と話がしたい、と言うので、お母様の元へ直行する。
「お母様、リリィです。お父様方もいらっしゃいます」
「お入りなさい」
お母様の許可とともにガチャリとドアが開き、私たちは中に入る。
「お父様、お久しぶりですわね。それからテオたちも」
「相変わらずのようだな。我が娘よ」
「うふふ。そうね、元気ですわ」
「それで、王族を集めて何をするつもりなのだ?」
「あら、お父様。もうお聞きになったのですか?そうですわね、具体的にはまだ決めていないのですけれど、貴族への制裁をしようと思いまして」
「なるほどな、お前の考えそうなことだ」
その後、トントン拍子に話は進み、具体的な話は王城で、ということになり、明日王都へ向けて出発することになった。
私、とんぼ返りだわ。
ちなみに、王城にいる2人を除き、王族はこれで全員らしい。
少ないとは思ったが、口は噤んでおいた。
そして、壁際で待機していたザーシュの、え、また王都行くの?という呆れたような、そして嫌そうな顔が印象に強く残った。
あと2、3話ほどで序章部分は終わる予定です。
……あくまで、予定です。
さらに伸びたらごめんなさい。




