襲撃者
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ありがとうございます^^*
翌日、ギルドへ行き、依頼を受けるついでに、ロランさんに四日後からしばらくは来られないかもしれないことを伝えた。
少し残念そうにしていたが、納得はしてもらった。
4日間、私とラスヴェトは森での普通依頼を受け、魔物を狩りながら魔力の使い方についてラスヴェトに教えていった。
反対に、ラスヴェトからは攻撃の避け方や息の潜ませ方、戦闘中の駆け引きなどについて教えてもらった。
さらにラスヴェトは、教育好きで有名な家令のラシスに何故か気に入られてしまい、スパルタで従者として必要なスキルを叩き込まれていた。
お蔭で、たった4日の間に完璧すぎる私専属の侍従が出来上がった。
ギルドのサブマスを一瞬で叩きのめす戦闘能力に私仕込みの魔力の扱いや魔術、ラシスお墨付きの振る舞い、その上顔もいいときたもんだ。
これを完璧と言わずして何とする。
というか、よくもまあ4日でここまで仕上がったものだよ。
このハイスペックめ。
ちなみに、1度ラスヴェトにリリィ様と呼ばれたが、なんだかムズムズして違和感しかなかったので、二人きりの時だけという限定付きでタメ口と愛称で話してもらっている。
「リリィ、さっそくのお出ましだ。9人だな」
いや、早すぎませんか、襲撃者さんたち!
まだ朝ごはん食べてから1時間も経ってない!
「早くない?」
「これは、戻ってこないことに気づいてすぐさま送り込んで来たか。この領に着いてすぐこちらに向かったようだ。よほど俺を連れ戻したいとみえる」
「というか、よく分かったね。今襲撃者ってどの辺にいるの?私まだわからない」
「分からなくていい。暗殺者時代に身につけた勘のようなものだからな。襲撃者なら、裏口から入って今は裏庭の辺りだ」
「ん、分かった。捕まえに行こうか」
「ああ」
ラスヴェトに抱き上げられ、襲撃者の元へ向かう。
確かに、目的地に魔力反応が9つある。
その真ん中に下ろしてもらい、立つ。
ラスヴェトは1歩引いて私に付き従う。
「9人。出てきなさい」
9つの魔力が揺れるが、出てくる気配はない。
「もう一度言う。出てきなさい。それとも、隠れている場所を言い当ててあげる?」
警戒心を露わに、渋々と現れる9人。
「”蠱惑”、”虚無”、”獄炎”、”幽鬼”、”終焉”、”潰滅”、”変幻”、”狩人”、”追尾”……見事に異名持ちしかいないな。統一性はないから、手の空いている者を送り込んで来たのだろう」
ラスヴェトのその言葉に、殺気立つ襲撃者たち。
「……君、誰?」
”虚無”と呼ばれた男が疑問を投げかけてくる。
肩までの黄色がかった緑色の髪を無造作に縛り、青紫の目をしている。
「わからんのか?」
「見覚えないね」
まあ、顔を完全に隠してたからね。
「何者かは知らないが、僕たちのことを知っているなら生かして置くわけにはいかないなぁ。もちろん、そっちのお嬢さんもね」
「出来るものならやってみろ」
「ふぅん?じゃ、遠慮な、く!」
”虚無”が一気に踏み込んできた瞬間、その姿がフッと掻き消える。
だが、ダダ漏れの魔力が私に向かってきているのがはっきり分かる。
「『結界』」
私は日本語で詠唱省略し、結界を張る。
実は、こちらの世界の言語は、日本語よりも単語の一つ一つが長い。
だから、日本語で詠唱をした方が、こちらの世界の言語で詠唱するよりも短いのだ。
――――――ギャリンッ!
「なっ!」
”虚無”が驚きを顔に出す。
その隙をついて魔力の触手を伸ばし、縛り上げる。
ついでに、その後ろでこれまた驚きで固まっていた残りの8人も捕まえる。
なんか、ラスヴェトのときもこういう感じだったなぁ。
「うっ、動けない!」
そりゃあ、動けないようにしましたから。
「こいつら、どうする?俺が処分してきても構わないが」
顔が引き攣る襲撃者たち。
「処分はダメ。訊きたいことあるから」
それに、ラスヴェトにはもうこれ以上手を汚して欲しくない。
「そうか、分かった」
ホッとする襲撃者たち。
……面白いね、君たち。
顔だけじゃなくて全身にも表情があるみたいだよ。
それはさておき。
「じゃ、オハナシしようか?」
ニッコリと笑いかけてやれば、襲撃者たちは恐ろしいものを見てしまったかのような顔をした。
どういう反応だ、それは。
私の笑顔には実力派暗殺者を震え上がらせる力はないぞ。
評価して貰えると、嬉しいなぁ
|ω・`)チラッ




