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最重要課題

ブクマ30件超えました!

読んでくださっている方、ブクマして下さった方、ありがとうございますm(*_ _)m






依頼完了の手続きをした後、私は館へと帰った。

シルルを目立たないようにローブの中に入れ、朝と同じ道を戻っていった。

自分の部屋に入ってすぐにベッドにダイブする。


「ふあー、疲れたー」


目の前ではシルルが楽しそうに弾んでいる。

コンコン、とドアがノックされたので、ベッドから起き上がり、入室を許可した。


「失礼致します、リリディアナ様。お帰りなさいませ。ちょうどお夕食のお時間ですよ。お召し換えをお願いします」

「はい、わかりました」


エナによって手早く着替えさせられた私は、すぐに夕食を取りに向かう。

シルルは部屋でお留守番だ。


「お母様、お待たせ致しました」

「あらリリィちゃん、お帰りなさい」

「はい、ただいま帰りました」

「では、いただきましょう」

「はい」


食事をしながら、今日の出来事をお母様に報告する。


「それで、その狼のような魔物を高く買い取ってもらえたのです」

「あらあら、さっそく活躍しているようね。でも、程々にしておきなさい」

「はい」

「あぁ、それでね、リリィちゃん」

「なんでしょう?」

「リリィちゃんに最重要課題をあげたいと思うの」


ごめんなさいお母様、嫌な予感がするのでいりません。

とは言えるわけもなく。


「えっと……その、最重要課題、とは?」

「あなたのお父様を探してご覧なさい」


それなんてウォー○ーを探せ?

むしろ○ォーリーより圧倒的に見つからないよ!

私、お父様については銀髪だってことしか知らないんだけど。


「あの、手がかりなどはありませんか?」

「そうねぇ、髪色と名前かしらね」

「髪色と名前?」

「そう。リリィちゃんと同じ髪色。名前については、リリィちゃんの名前がそのまま手がかりになるわよ。あと、お母様の名前もね」


へ?

髪色はともかく、名前?

それも私とお母様の?

頭の周りにハテナをたくさん飛ばす私を、お母様はニコニコと見ているだけだ。

結局、お母様はそれ以上のヒントはくれなかった。

自室に戻ってからもずっと頭を(ひね)り続ける。


「名前、名前ねぇ……うーん……」

[きゅーい?]


シルルも真似をするようにプルプルボディを傾ける。

可愛い。

思わずふにゃっとしかけて慌てて思考に意識を戻す。

危ない危ない。


「うーん。私の名前はリリディアナ。お母様の名前はアリアンナ。……最後のナ?」


いや、違うな。

だってエナも最後ナだもん。

頭を振って思考をリセットする。

シルルも真似をする。

可愛い。

……じゃなくて。


「リリディアナ様、私の名前はなんでしょう?」


静かに控えていたエナが声をかけてくる。

え、記憶喪失?


「エナだよ!大丈夫?疲れてるの?」

「いえ、そうではなくてですね。では、家令の名前はお分かりですか?」

「ラシス、だよね?」


それがどうかしたの?


「では、今日お会いになられたギルドの方の名前を挙げてみてください」

「え?えーと、ラドさんとロランさん、それにエラさんとリックさん……あ」

「お気づきですか?」

「うん!男の人は名前が”ラ行”で始まって、私とお母様以外の女の人は名前が”エ”から始まってる!」

「それは偶然ですね。そうではないです」


エナにバッサリ切られる。

いや、冗談だよ。


「私とお母様は名前が長くて、みんなは短い」

「それです。あとはご自分で考えてみてくださいね」


さて、問題です。

西洋で名前が長いのはどういう人でしょうか?

そして、わざわざそれを念押しするのはどういう場合でしょうか?

……正解は貴族とかの身分が高い人が名前長いってパターンだよ!

やってらんないよ、もう!

私どっちにしろ貴族かよ!

なんで貴族が攫われてるのさ、お母様!


「エナ」

「はい」

「私、元から身分高いの?」

「そうですね、とても高くていらっしゃいます」


そう、とても高くていらっしゃるのね……。

辺境伯の使用人が高いって言うんだから、侯爵以上だよね……。

まじかぁー。

私、お貴族様とか性にあわないんだけど。

っていうか、その前にお父様を特定しないとね。

いったいどれだけ時間がかかることやら……。






実はリリィちゃんはとても高くていらっしゃるのでした

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