届いたメール
お久しぶりです、りりです!
だいぶ更新が遅くなってしまいました!(。-人-。) ゴメンナサイ 手島くんとのデート中に詩音から届いたメールに、彩良は……というお話です!!
詩音からメールが届いたのは、手島くんとのデートを始めてから少し経った頃のこと。
そのとき、わたしは手島くんとの間に流れていた気まずさをようやくなくせたときだったし、そもそも前に気まずくなったのってわたしが詩音のことばっかり考えすぎてたせいだし……。
だから、あんまりメールを見るのに気乗りはしなかった。
それでも、メールの内容はやっぱりずっと気になっていて。
手島くんが映画のチケットを買ってくれている間に思わず確認してしまった。そこには、詩音にしては長い文章が書いてあって。
『触れることはゆるされない
だからずっと見てた。
でも、もう無理。
ごめんなさい、そしてありがとう。』
…………、なに、これ。
たまに書いてるポエムみたいなやつなのか、それとも、また別の何かなのか……、どっちかわからない。もしかしたら、不意にこういう文章を思いついたのかも知れない。それで、わたしに送ってきたのかも知れない。
だけど、たぶんそれだったら一緒に『こういうの思いついたんだけど、どうかな』とかそういう文面も添えられていることが多いみたいだ。
届いたメールは、それだけ。
その前にもその後にも、あの文章を補足するようなメールは届いていない。
「…………、どうしたの、詩音? 何があったの?」
『どうしたの?』
『詩音?』
『ねぇ』
『詩音!』
『何があったの?』
『どうかしたの?』
思わず何件も送ってしまったメッセージの、どれにも返事がない。いつもだったら何をしてても、どうにか隙を見つけて――ほんとにどうやってるのかわからないくらい上手く時間を見つけて――そう遅くならないうちに返事をくれる。
それなのに、メールは返って来なかった。
…………何があったの?
携帯を持つ手に、つい力が入る。詩音のことも気になるけど、今は……。
「ん、どうかしたの?」
迷っていると、チケットを買って手島くんが後ろから声をかけてきた。え、と言いながら振り向くと、手島くんが少し不安そうな顔をしながらわたしの顔を見ている。
何て言ったらいいかわからなくなっていると、手島くんが小さな声で口を開いた。
「あ、あのさ……、何か用事あった?」
「――――」
一瞬、言葉に詰まってから。
「ううん、何にもないよ?」
笑顔を作って、そう答えた。だって、今は手島くんといるんだから。それに、詩音だって「仲直りできるといいね」なんて言ってわたしを送り出したんだから……、だから、だから。
だから、これでいいんだ――そう思い込んで、手島くんのとってくれたチケットに従って、第4シアターに足を進める。それから、シアターが暗くなって、カメラの人が画面に出てきて、携帯電話を切るように促す注意書きが画面に出て。
わたしは、少しだけ迷ってから。
携帯の電源を切った。