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秘密  作者: 湖灯


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阿久津俊介

  *阿久津くん目線の話


 授業が終わると阿久津俊介は仲間と共に棋道部の部室に向かった。


 部室は教室などのある校舎から離れた記念会館の三階にあり、さして期待されていない文科系の部活なので顧問の先生も殆ど来ないチョッとした隠れ家的存在だった。


 棋道部と言うのは主に囲碁・将棋に打ち込むのが当たり前で俊介も一年の頃は、それをしていたがいつのころからか携帯ゲームやカードゲームを楽しむ様になっていた。

 勿論、囲碁・将棋もすることはあったが、それは大会の前だけで、特に大会の成績を上げようとも思わなかったし、実際に俊介の実力は二回戦突破出来るか出来ないか程度のレベルで、そのことに対しての向上心は持てなかった。

 むしろ気のあった仲間たちと楽しく過ごす時間が欲しかったのだ。


 午後六時半。最終下校時刻のチャイムが鳴ると部室を出て学校を後にする。

 向かう先はゲーセン。


 本当は塾に行くことになっているのだが、どうしても行く気にならなくて、しょっちゅう塾をサボってゲーセンに行っていた。

 小遣いの余裕も無いので滅多に自分で遊ぶことはなく、ただ遊んでいる人達のやることを見ているだけだった。

 要は塾が終わるまで時間が潰せれば、それで良かった。


「よう!」

 行きつけのゲーセンに入ると、思いがけず声を掛けられた。


 振り向くと大輔が居た。

 この大輔とは数日前に始めて出会い直ぐに仲良くなった。

 背は自分より少し高い程度だったが‘やせぎす‘でなくスマートなスポーツマンタイプで頭も優秀そうにみえた。


 歳は同じで、昔はサッカーに夢中でフォワードをしていたらしいが体を壊してからは、ダラダラと過ごしているらしい。

 自分同様に塾をサボってゲーセンで暇を潰しているのだろうと俊介は勝手に決めつけていた。


 人には他人に言えない悩みがあるものなので何故大輔が何時もここに居るのかは特に興味は無かった。

 ただ話をしていて‘気が合う‘そのことが俊介にとって一番重要だった。


 大輔と、この前話をしたように、カードゲームの話やアニメの話をしていたが、その日は大輔が学校の話を聞いてきた。 


「学校って、どう?」

「どうって…普通…」


 俊介は学校について特別な思いは持っていなかった。

 ただ面倒なだけ。

 だけど友達が居る場所。


「気になる女子って居ないの?」

「居ないよ!」


 俊介は実際に気になる女子は居なかった。

 と、言うよりも女性恐怖症とでも言うくらい女子を避けていた。


 もっとも最近では、その女子から全く相手にされていない。

 そのことは俊介にとって好都合だった。


「なぁんだ。詰まんないなあ、俊介なら彼女の一人か二人くらい居るのかと思っていたのに…」

「居るわけがない!」


 半ば諦めた風に答えたあと

「大輔は彼女居るの?」と、逆に聞いてみた。


 大輔なら当然彼女は居るものと思って聞いた。

「同じだよ。現実世界の女性は苦手かな……」


 以外だったが自分と同じ共通点が嬉しかった。

 それから今流行っているアニメの話で盛り上がって、あっという間に‘行っていない塾の終了時間‘が来てしまった。

 大輔と別れ電車に乗り家へと向かう足取りは、いつもより軽かった。

 どこの生徒か聞いていないが、新しい友達が出来たことが嬉しかった。


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