騎士団本部 1(拠点案内3)
メイリスちゃんに手を引っ張られつつも、市場では予想外の歓迎を受けました、レレイナさんです。ストレージの中が図らずも食料だけ充実しております。現実世界だったらどれだけ良かったんでしょうね?
ただ、ドレス着てる人にタレ系統のものを渡すのはやめてもらいたいのですよ。串とか特に。い、いや、美味しいんですよ?ただ、メイリスちゃんとほぼ同じ格好で青のドレスを着てるわけでして、タレが落ちてシミになると怖いんです。
・・・耐久値とか設定されていて、シミ=耐久値の減少とかすごく嫌じゃないですか・・・。
『レレイナさーん?』
「・・・」
『レレイナさーーん?』
「ん?どうしたの。」
『着きましたよ?』
「なんですと?」
・・・騎士団本部についてたそうです。そして、当の騎士団本部についてですが、
「なんか、思ってたのと違う。」
入口からして明らかになにか違うって感じがビシビシと・・・。
重苦しい気の扉が付いているのに、開けっ放し。入口の両側にはTHE 騎士と言わんばかりのしっかりと鎧を着込んだ騎士(女性)が・・・だというのに、騒がしいです。この手のゲームに出てくるような冒険者ギルド並みの騒がしさです。騎士団って、治安維持機構の一つですよね?
とりあえず、中に入ってみましょう。
正面には受付があって、そこにもやっぱり騎士さんが。綺麗な女騎士さんです。お、手を振ってくれました。振り返しておきましょう。
・・・問題の騒がしい方を向いてみたのですけど、
「なんで、酒場を併設している・・・」
騎士団本部の中に酒場が設置されています。そうです、酒場です。仲間を集めたり、ミルクを飲みに行ったら怒られそうな感じの酒場です。
『受付でクエスト発行もここでやってますよ?』
「冒険者ギルドなのかな?」
『騎士団本部ですよ?レレイナさんのいう、冒険者ギルド・・・がどういうものかはわからないですけど、ここでは困っている人を助けるために、いろんな依頼を張っているのです!』
・・・・・・えっと、つまり、他のゲームだと冒険者ギルドがやっているようなことを、騎士団本部が一括してやってるわけですね?確かに受付の右を見たら、以来の掲示板らしき存在があるし、変な組織がそういう依頼を扱うよりかは信用できそうですね。中立性はちょっとあやしそうですけど。国とかそういう権力系の関与が起きそう。
「ねえ、メイリスちゃん、なんで酒場もあるのかな?」
『えっとですね、応急処置とかしようとした時に強いお酒がいるからですね!あとは、』
「あとは?」
『酒場にトラブルはつきものですから!』
あー、実力行使するためですね? 騎士団本部に酒場を設置することで、酒場でトラブルがあってもすぐに対応できるし、すぐにいろいろできるから・・・と。
「騎士の訓練にもなりそうだね?」
『そうだ、ここにくるやつの腕っ節は確かだ。酔っ払いになっても強いことに変わりはない。だからこそ、いかに怪我なく収めるが重要になる。』
受付の奥から、ちょっとえらい?感じの騎士さんが・・・。
『・・・おかえりなさいませ、メイリス様。そちらの方は?』
『ただいまです、ミラン。こちらは、<旅人>のレレイナさん。わたしの専属騎士になってくれた人です。』
ミランさんがこっちへ向いてきた。
『<旅人>で専属騎士・・・。
こんにちは、レレイナ。わたしは騎士団本部付 近衛騎士の統括を行なっているミラン。よろしく頼む。』
まさかのえらい人だった!
・・・異世界転移ものではなく、VRMMOですけど、まだ戦ってないです・・・。
戦わせる気はあるんですけど、ね?