表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

カップルの日常〜夕食編〜

作者: 03


「お腹すいてこない?」

「ちょっとだけ。あと30分くらいで腹ペコかも」



と、彼女が答えた。

特に何をするわけでもなく、好きなバラエティ番組を見ていたらもう夕食の時間になっていた。




「外食にする?それとも家で食べる?」

「今日は作ろうかなー」



彼女が手料理を振舞ってくれるようだ。


正直、母親の料理より好きだ。

彼女の手料理を食べるのを楽しみにしている。






はっ!これを胃袋を掴まれるってやつか!





「なんか嬉しそうだね。完全に胃袋掴んでるでしょ?」




図星です。ええ、図星ですとも。

だっておいしいんだもん。



「何作ってくれるのー?」

「何食べたい?」



「何でもいい」



という答えが1番困るらしい。


でも実際何でもいいんだよね。

特定の料理が食べたいのではなく、彼女の作った料理が食べたいのだから。



これならメニュー表でも作ってもらってそこから選ぶシステムでいいんじゃないか?

特に食に興味があるわけでもないしな。



なんて思っていると、彼女が立ち上がった。




「とりあえずスーパーいこ」







✳︎


「ハンバーグでいいよね」

「もちろん!」



ハンバーグは好物の一つだ。

それを知ってて聞いてくるし、ダメって言われると思ってないだろうな。


実際に絶対に言わないしな。




さっき見てたバラエティ番組にハンバーグ師匠が出たからかな、とふと思う。







彼女は次々とカゴに食材を入れていく。


その姿を見て

将来はいいお嫁さんになるだろうなー、とか

こんなにハイスペックな妻だったら文句ないなー、とか思っていると食材選びが終わったようだ。






頼もしいなーって思いながらスーパーを後にすると、







「コンビニでお菓子とアイス買いたい」








胃袋だけではなく、ふと見せる子供っぽい一面にも心掴まされているらしい。







✳︎



家に帰ると、彼女はキッチンで料理を始めた。



俺はというと手伝ったところで足手まといになるだけなので、テーブルの上を片付けてテレビで野球観戦をしてる。




CMの間、何やら鼻歌を歌っている彼女の様子を見に行く。

どうやら包丁を使っているようだ。




「ん?何?」

「見に来た」




いつもと違い、そっけない態度だった。

玉ねぎを切っているのを確認した。


料理中は、あまり見に来て欲しくないのかなと思い、すぐ野球観戦に戻っていった。





後に、聞いたことだけれど、

「以前、ニコニコしながら包丁持ってたら、指を切ったことがあって、嬉しいのを我慢して塩対応だった」


らしい。



それを聞いて本当にかわいいなーって感じたよね。

次からは、嬉しいのを我慢できないくらいガン見しようと思ったよね。








しばらくすると、夕食ができていた。



おいしいねー、なんて言いつつ、2人並んでご飯を食べる。

彼女は左側、俺は右側。


いつも通りの位置だ。





彼女が左利きで食べるときに肘が当たってしまう、からではない。


俺の右側にいるんじゃねぇ、でもない。





ただその空間が落ち着くのだ。









「まだ、ご飯残ってる?」

「あるよ、よく食べるねー」



と、彼女が嬉しそうに答える。



おかわりすると嬉しそうに笑うから、その笑顔見たさにおかわりすることも少なくない。

こんな量じゃ全然足りないよと言いつつ、実は笑顔のおかわりをしたいだけなのだ。



言ったことないから、ただの食いしん坊だと思われてると思うけどね。




「「ごちそうさまでした」」










お腹だけではなく、心も満たされた俺は、引き続きバラエティ番組を見ながら、一緒にいる時間を堪能するのでした。


彼女の手料理を食べられるのって幸せ以外の何物でもないと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  のほほんとしている空気は落ち着きます。 [一言]  料理は一つの武器なのかもしれません。
2016/08/27 14:47 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ