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梅雨

「じゃあ、そろそろ帰るね」

「もうそんな時間?」

「だってもう」


朝だ。


小さい頃から同じ夢をよく見る。大きなソファー、フワフワした人形、まるでお姫様の寝室みたいな部屋で、僕は彼女に話をする。その日あったこと、辛かったこと、楽しかったこと、友達のこと。僕が話すことを彼女は優しく微笑みながら聞いてくれる。

同じ夢をよく見るという話はよく聞くし、その夢を見た朝は目覚めが良い。だから特に疑問も感じない。夢を見れた日は少し楽しい気分、いつもより空が青く見える。

「ご飯いらないの?早く食べないと遅刻するよ」

「ええ…まだ大丈夫で…」


あぁ

考え事をし過ぎた。


「ギリギリだね、ジュン」

「寝坊した」

「珍しいな」

別に学校は嫌いじゃない。友達もいる。勉強も苦手じゃない。好きな女の子だっている。

久しぶりに晴れたね。梅雨ってやだよね。

そんな声が聞こえる。


ああ、梅雨だから最近憂鬱なのか。そういえば晴れたのは久しぶりだった。


教室移動。隣のクラスの横を通りすぎる時、僕は毎回その教室をのぞいてしまう。毎日、そこにいるか分からなくても見てしまう窓際の机。今日はいる、ラッキーだ。

彼女は、ミネ キョウコ というらしい。前までは、好きな人の話であんなに盛り上がってあんなに照れて、よく分からないと思っていたが、いざ自分が人を好きになると痛いほどその気持ちがわかる。近くを通るだけで胸が高鳴る。彼女の事を知りたいが、用もないのに隣の教室に入って怪しまれたくない。視線が合った日には友達に気味悪がられるほどにやけてしまう。そんな僕が彼女について知っている事は、ミネ キョウコという名前、柳下透という作家が好き(いつも読んでいるから。違うかもしれない)、そして黒いビロードのような美しい髪を持っている。それだけだ。


「今日は、楽しかった」

帰り道、誰もいない道で一人呟く。ミネ キョウコの顔を見ることが出来た他は特に楽しいこともなかったと思う。楽しかったの一言に心の中で疑問符がついたが、雲が綺麗に見えた夕焼けがその疑問符を消してくれた。


雲が多い、明日はきっと雨だ。

作品等、投稿するのは初めてです。

どんなことでも、アドバイス貰えると嬉しいです。

皆様を飽きさせないように、なるべく短いスパンで投稿していきたいと思いますのでよろしくお願いします!

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