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Prologue
何の意味もない言葉だった。
そのはずだった。
何の意味もない、ただの造語。
そう、ボクが…このボクが、ツイッパーに投稿するまでは。
ボクが悪いのか?
ボクが投稿したから?
ボクが考えたから?
どこで間違えたのだろう。
だって、思うわけがないじゃないか。
こんな風に流行して、浸透して…”架空の言葉”だったその”何か”は、様々な噂を身にまとって、
周囲に認知されて、この世界に存在を始めるなんて。
”何か”?
”何か”って、
”何”なのだろう。
人間?
幽霊?
人を超えたナニカ?
その”何か”が、一体”何”なのかすら分からない。
そもそも生きているのだろうか?
お前は…誰だ。何だ。何なんだ。
ボクは、いやにクリアな頭の中で思い知らされる。
存在しない物も、自分以外の誰かに認知すれば、それはこの世に例外なく存在してしまうのだと。
何がいけなかったのだろうか。
どこで間違えたのだろうか。
ただボクは、後悔するしかなかった。