第2話 真っ白な頭。中身は白味噌か? 赤味噌か? いやいや、やっぱり脳みそだ
「パチパチパチパチ!!」
CMが終わり、はちきれんばかりの拍手によって番組は再開された。
「さぁさぁ、皆さんお待ちかね。世にも奇妙な超能力ショーの始まりです!! まばたき厳禁、あくびも厳禁、携帯はマナーモードでお願いします! それではマサシ君……どうぞ! 曲げちゃってください!!」
酒飲吐苦二郎の合図と共に、怪しいBGMがスタジオに流れた。お膳立ては完璧。後は、スプーンをちょちょっと曲げて、歓声が起きて、それで番組は大成功! そんな構想が酒飲吐苦二郎、番組スタッフ、マサシ少年、観客、全員の頭の中に思い浮かんでいた。
「すぅうううーーーーはっ! ボボンポパレ!!」
マサシ少年はいつもどおり、超能力を発動するのに必要な呪文を唱えてスプーンに力を与えた。いつもどおりなら、数秒もしないうちにスプーンはひとりでに曲がりだすはず。
「……あれ? あ、ああれれ? ボボンポパレ! ボボンポパレ!!」
しかし、スプーンは一向に曲がらない。
「おい、大丈夫か?」
「スプーン全然曲がらないよ?」
「これも番組の演出の一つなの?」
一向に曲がらないスプーン。その現状に観客やスタッフがざわめきだした。
「ボボンポパレ! ボボンポパレ! ボボンポパレ!」
“なんでだ!? なんで曲がらないんだよ!! くそっ! なんで? なんでこんなときに限って曲がらないんだよ!!”
マサシ少年は酷く困惑していた。無理もない。いつもなら呪文を唱えるだけで簡単に曲がっていたスプーンが、全く曲がらないのだ。しかも、今はテレビ番組の生放送の最中。番組スタッフや観客からの視線もある。
“どうして? スプーンが特別だから? それとも緊張していてうまく超能力をコントロールできていない? あぁ、わからない! あぁ……どうしよう……どうしよう……どうしたら…………”
ついに、マサシ少年の頭は真っ白になってしまい、何も考えられなくなってしまった。
「CM! とりあえずCMを入れろ!」
「も、もう一回CMです! 皆さんチャンネルはそのままでね!」
番組プロデューサーが声を上げ、それに対応した酒飲吐苦二郎がすかさずCMに移行するための言葉を発した。数秒後、テレビ画面はCMに移り変わり、間抜けなCMソングがお茶の間に流れた。




