8章 もう1つの“力”
レオンは出口へ向かって全力で走る。
だが後もう少しで森から抜けれえるというところで1つ目の巨人、サイクロプスと遭遇してしまう。
「おいおい、冗談だろ?この森にはこんなのもいるのかよ!?」
レオンがそんなことを言っている間にもサイクロプスは右手に持っている木の棍棒を振り下ろしてくる。
「おっと。」
レオンは攻撃に巻き込まれそうになりながらも何とか棍棒を避け、魔方陣をえがく。
「我・火神の力を借り、燃え上がる炎を放つ。ウォームファイアー、発動!」
すると、半径10cmくらいの火球が魔方陣から発生し、一直線にサイクロプスに飛んでいく。
しかし、サイクロプスは火球に当たっても気にせず突っ込んでくる。
油断していたレオンはその体当たりに直撃して吹き飛び、近くにあった木に叩きつけられてしまう。
(くそっ。こうなったら“アレ”を使うしかないか・・・。)
「『姿解放・火龍』発動!」
『解放』は『神喰手』で喰らった“力”を解放し、自分のものとして使う能力である。
また、『解放』には、
喰らった者の姿を解放する、第一段階『姿解放』
喰らった者の魔力を解放する、第二段階『魔力解放』
喰らった者の能力を解放する、第三段階『能力解放』
喰らった者の“力”を全て解放する、最終段階『全解放』
の5つの段階があり、後の段階になるほど体力の消耗が激しく、使用できる時間が限られてくる。
『姿解放』を使ったレオンはその体を火龍のものへと変えていく。
そしてレオンは大きな翼、強靭な4本の脚、長い尻尾、燃える火のような赤い鱗を持った龍へと姿を変えた。