5章 能力発動
「レオン、その剣ってもしかして・・・。」
クラウディは湖から上がると来たときには持ってなかった剣について何かを言いかける。
「わからない。けどもしかしたら魔剣かも知れない。」
「そうか。じゃあエンディミオンで詳しく調べるか。」
そう言ってクラウディは来た道を戻ろうとする。
「あ、ちょっと待ってくれ。行く前にこの水龍を“喰いたい”んだけど。」
レオンがそう言うとクラウディは戻ってきて湖の近くにある森の木にもたれかかった。
「早めにやってくれよ。」
許可がでたのでレオンは水龍に近づき、右手で水龍の体に触れる。
「『神喰手』発動!」
『神喰手』、それは相手の全てを奪うことのできる能力。
発動条件は相手に直接触れていることと、相手が生きていないこと。
それと、相手を喰らう代償に、使用すると喰らった相手が強ければ強いほど、激しい痛みが全身にはしり、自分の力を超えたものを喰らおうとすると、死に至ることもある。
すると、レオンの右手に穴ができ、水龍の体が粒子に分解されて穴に吸い込まれる。
水龍の体を全部吸い込むを穴は勝手に閉じ、レオンはうずくまる。
(くそっ。いつものことだが、この痛みには慣れないな・・・。)
全身に激しい痛みがはしるが、レオンはそれに必死で耐える。
「毎回大変そうだな。」
「・・・・・もう大丈夫だ。行こう。」
しばらくすると痛みは消え、レオンとクラウディはエンディミオンに向かう。
そして、10kmの道のりを再び歩き、レオン達は無事にエンディミオンに辿り着くと、宿に泊まり体を休めた。
だがそのころ魔法都市エンディミオンを南に50kmほど言った所にあるアリア帝国や、世界にたくさんの団員を持つとある騎士団でも秘密裏に伝説の武具集めを始めていた・・・。