11章 包囲、そして逃走
レオンたちを包囲した黒い鎧の騎士たちの中から1人、唯一馬に乗っているリーダー格と思われる人物が出てくる。
「レオンとクラウディだな?持っている武器を地面に置き、大人しく捕まるんだ。そうすればこちらは手荒な真似はしない。」
もちろんレオンたちは捕まるつもりはないので武器を置きながら、小声で作戦を練る。
(レオン、どうする?)
(どうするって逃げるに決まってるだろ。俺がフラッシュを使うからその隙に一気に逃げるぞ。)
(分かった。)
武器を置き終わると、数名が武器をしまい近づいてくる。
だが、その瞬間レオンは素早く魔方陣をかき、呪文を唱える。
「我・光神の力を借り、全てを覆い尽くす光を放つ。フラッシュ、発動!」
レオンの魔法に気づいた騎士たちが一斉に襲い掛かろうとするが、そのころにはもうすでに遅かった。
あたりを白く染めるほどの閃光が放たれ、レオンを狙っていた騎士たちは1人残らず目が眩んでしまった。
「よし、逃げるぞ!」
そう言って走り出そうとするがなぜか足が動かない。
「レオン!早くしないと・・・。」
心配したクラウディがレオンの元に来ようとするがレオンはそれを止める。
「クラウディ、行ってくれ。多分何かの術に掛かった。おかげで足が動かないんだ。」
「わかった。」
そういうとクラウディは“聖地”のある方向へ走っていく。
「こいつらもすぐに目が回復するだろうし、どうするかな。」
もうダメか・・・。 そんなことを思っていると突然足が動くようになる。
だがその瞬間レオンは後頭部に強い衝撃を受け、意識が薄れていく。
「ようやく捕まえれた・・・。」
最後に聞いたのは、そんな一言だった。