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53話 屋敷にて賑やかな早朝

「(はぁ〜、何でガット君と同じ部屋じゃなく別々で寝ないといけないのか……横暴なリーダーで困ります)」


 ロックウェル家に一行は世話になり、食事や寝床の不自由は無くなった。だが一人一人に部屋が用意され、ガットに添い寝が出来ないと、シャイカは不満な顔をしながら廊下を歩く。


「(とりあえず朝起こしに行くぐらいは良いですよね?それでまぁ、ちょっと添い寝したり……チャンスあったら♡)」


 シャイカの中でガットのあんな姿やこんな姿が浮かび、ピンクな妄想が頭を駆け巡る。


「ガット君、起きてますか〜?起きてなかったら襲っちゃいますよ〜……」


 ガットの寝室のドアをこっそり開けて、シャイカはベッドの上で寝ているであろう、彼の様子を覗き込む。すると不自然にシーツが膨らんでいるのが見えた。


 まさかと悪い予感がして、シャイカはシーツをめくり上げる。


「なぁ!?」


 シャイカは中身を見て驚愕。そこにはガットと、その彼を添い寝するマーヴェルが揃って爆睡していたのだ。


 それも裸で。


「んん?なんですの朝から騒々しい……って変態聖女!?貴女なに勝手に入ってるのです!?」


「はぁ!?こっちの台詞ですから!何で貴女がそんな格好でガット君を添い寝してるんですか!色々すっ飛ばしました!?」


 マーヴェルは起きて早々、シャイカと言い合いになる。それにガットはうーん、と騒々しさで目覚めた。


「あ……おはようござ……!?え、あれ?僕服着てない……!?」


 2人の姿を寝ぼけたまま、見かけて呑気に挨拶をしていたらガットは今の自分の格好に気づいて、赤面しながらシーツで体を隠す。


「ガット君、この欲求不満な令嬢に何かされました!?奪われました!?」


「何を言ってますの?私は寝る時、服は邪魔で着たくないので。余程寒くない限りはそれで寝るのが私の睡眠スタイルですわ」


「ガット君までその状態なのは!?」


「添い寝するのに邪魔だったから脱がしただけですわ」


 寝る時は服を着ない。マーヴェルは当たり前のように言葉を言っていく。大貴族の日常は知らないが、シャイカは流石にそんな訳ないだろうとマーヴェルを睨んだ。


「え?ぜ、全然覚えてません……というか昨日は魔法の訓練してて、その後で凄く眠くなっちゃって……」


「おそらく何時もより精神を酷使した結果、疲れが出てすぐに眠りへ落ちてしまったのだと思われます。お世話は大変でしたよ」


「!ごめんなさい、迷惑をまたかけてしまいました……!」


 自分が意識を昨日から手放してしまった間、ガットはまた彼女に迷惑をかけたと、頭を下げて謝罪する。



「いえ、ガット君が謝るという事は何も全くありません。(争奪戦が凄かっただけですから)」


 シャイカの脳内で昨日の事が再現されれば、誰がガットを風呂に入れてあげたり、寝かせてあげるかでかなり揉めていた。風呂に関しては屋敷の大浴場に、皆で一緒に入った事で落ち着く。


 そこから誰がガットと一緒に寝るのか、話し合いになっていく間にマーヴェルが何時の間にか一緒に寝て、抜け駆けする形となったらしい。


「ふう、しかし……ガット君は随分と甘えん坊だというのが分かりましたわ♡」


「!?」


 愛おしそうな目で、マーヴェルはガットを見つめながら言うと、その言葉にガットもシャイカも驚く。


「ガット君!何かしましたか!?」


「ええ!?ぼ、僕覚えてませんよ!寝てただけじゃないんですか!?」


 何があったのかと、ガットの両肩を掴んでシャイカが詰め寄る。彼の方は寝ていて何も覚えておらず、自分でも何をしたんだと気になってしまう。



「今度は起きている時に……ね♡」


「……!?」


 耳元でこそっとマーヴェルから言われ、色気ある言葉と姿で迫られたガットは顔がみるみる赤く染まっていった。


「近い近い!」


 シャイカはガットをマーヴェルから遠ざける。予想以上に押せ押せな大貴族に、内心焦りを感じてしまう。


 呑気にしていたら、こいつは食うと。


「とりあえずお二人とも着替えましょう!ほら!」


「朝から騒々しく落ち着きがありませんわね」


「誰のせいですか!」


 このままティアモ達まで来たら、更にややこしい事となりかねない。ガットはそう思って服を探して着始め、マーヴェルの方もマイペースに服を着て髪を整えていく。


「ガット、起きたか……何故お前達まで居る?」


 部屋の前で既に騒がしい事に気付いたか、セリーザがドアを開けるとガットだけでなく女性2人の姿が見えて、何かやったのではないかと、それぞれに鋭い目つきを向ける。


「あ、おはようございますセリーザさん」


「おはよう。とりあえずマーヴェルが此処に居たのは都合が良い」


「私?何かご用でもありますの?」



 マーヴェルは屋敷の門前へと出て来て、そこにはギルドからの使いの者が立っていた。


「朝からすみませんマーヴェル様!」


 使いの男は恐縮そうに頭を下げる。


「構いませんわ。此処に来たという事は何か仕事でも来たのでしょう?」


 ギルドの者には何か仕事が来れば自分達に、真っ先に報告するよう言ってある。



「王国の南西に、ワイバーンの大群が出たという情報が来ました……!」

次回はワイバーン達との戦いです。

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