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39話 彼に迫る女達

「はぁ〜、食った食った。これで後は酒でもありゃ良いけど」


 食事を終えてサラは満足そうに自らの腹を擦り、酒を求めていた。流石にそういった類は人間の町まで、足を運ばなければならない。


「森には豊富に木の実や果実がある。これを使って果実酒とかなら出来そうだよ」


「おお、マジ!?ローレンそれ最高だなぁ♪」


 以前の集落でも、果実の酒を作った経験があるローレン。酒が飲めると思えば、サラのテンションは上がっていた。



「(酒に夢中で忘れてますね。この間にも我々の争いが続いている事を)」


 酒の話で盛り上がるサラに、シャイカはニヤリと笑った後でガットに近づく。


「シャイカさん?」


「ガット君、今宵は新たな寝床で眠る事になります。私実はあまり寝付けてなくて、今日も不慣れで眠れるかどうか分からないので……一緒に寝てもらえますか?」


 ガットに向けて優しく微笑み、一緒に寝てほしいとシャイカは頼む。ちなみに彼女が新たな環境に不慣れで、眠れないというのは嘘だ。


 これまでティアモやサラと沢山野宿も経験して、慣れていない訳が無かった。ガットと一緒に寝る為の作戦である。


「僕で良ければ……」


「ありがとうございます、善は急げという事でさぁさぁ参りましょう♪」


 しかし魂胆に気づく事なく、ガットは頬を赤くさせて照れながらも、一緒に寝る事に反対しなかった。シャイカはガットからOKを貰うと、彼の手を引いて自分達の住処へ向かう。


 ガット達の家は石で作られた頑丈な建物となっており、その中に木のテーブルや椅子。そして奥の方に木で作られた大きなベッドが置かれていた。下には草を敷き詰めて、シーツやクッション代わりとなっている。



「(改めて見れば……これ皆で作ったんだなぁ)」


 自分達で作り上げた村と家。それを思うと、ガットは少し感動を覚えた。しかしそれに浸る間もなく、彼の体はふわりと浮かぶ。


「え!?」


「ガット君は軽いですね〜♡」


 小柄なガットは聖女でも、軽々とお姫様抱っこで運べる。そのままベッドまで運び、シャイカは彼をそこで降ろす。


「シャイカさん?あの……!?」


 ガットが何か言おうとした時、彼はシャイカにベッドで押し倒されていた。彼のキャスケットはこの時に脱げ落ちて、頭の猫耳が現れる。


「ごめんなさいガット君。私……我慢の限界なんです♡」


「え……!?」


 見上げるガットの前には興奮状態のシャイカ。彼女は度重なるお預けを食らい、最高のご馳走を前に獰猛な肉食獣と化す。


「私達は共に旅をして過ごし、色々触れ合ったりと交流を深めてきました……この辺りでそろそろ段階すっ飛ばしても良いでしょう♡」


「シャイカ……さん……」


 彼女の息遣いは荒く、ガットを見下ろす姿や目は聖女とはもはや言えない。荒々しくも、色気漂うシャイカを上から見上げるガットの心拍数は増すばかりだ。



 ギュッ


「あっ……♡」


 するとガットは自分から、シャイカに抱き着いて自ら彼女の大きな胸部の谷間に埋まる。


「ガット君、自分から……♡ええ、私達はもう結ばれる運命という事ですよね?では、2人の愛の証を神に証明しましょうか♡」


 シャイカは抱きついて来るガットの体をギュッと抱き締めれば、彼の顎をくいっと上げて目と目が合い、2人の唇が迫る。



「ふう〜、ギリギリセーフだったかなぁ」


 ガットを小脇に抱えたティアモ。彼女の前には1人、ベッドでシャイカが自分で自分を、艶めかしく抱き締めていた。


「(ドリアードによる幻惑魔法がこういう所で役立つとはね、とりあえず……良い夢を)」


「て、ティアモさん?」


「ああ、気にしなくていいよ。彼女はとっても良い夢を見てる最中だから邪魔しないようにね♪」


 ガットを抱えたまま、ティアモは外に出て行く。



「ガット君そんなに私を求めて嬉しい♡あ、今脱ぎますから慌てないで♡」


 ベッドの上で幻惑のガットを相手に、シャイカの燃える愛は止まらない……。



「ティアモさん、何か森の奥深く歩いてますけど……帰れるんですか?」


「大丈夫大丈夫ー、僕ドリアードと契約を交わしたんだから此処は庭みたいなもんだからさー♪」


 暗闇の森をティアモに手を引かれて、ガットはどんどん奥を歩いて皆から離れていた。


「それに、誰か居たらちょーっと都合が悪いもんだからね」


「都合が悪い……?」


 どういう事だろうと、ガットが首を傾げながらもティアモと2人で、森の奥深くへ歩き続ける。



「ガット君は自分で気づいていないかもだけど、キミはかなり愛されてるんだよ」


「愛されてるってそんな事は」


「あるんだよ。主に女からね?」


 突然ティアモが立ち止まり、ガットへと振り返って彼が愛されている事を伝えた。自分達だけでなく同族のティーナやダークエルフのセリーザ、彼女達もガットに好意を持っている。


「なので、僕は早めに伝えようと思ったんだ」


「伝えるって、何をですか……?」


 するとティアモの頬は赤く染まり、その顔をガットに向ける。



「僕がキミを本気で好きになって、堪らなくなったっていう気持ち……」


 ティアモの色っぽい表情が、自分を見つめて来るとガットは胸がドキッと高鳴った。

次回はティアモがガットに迫ります。

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