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36話 秘めていた想い

「せ、セリーザさん!?あの、その、僕上がりますからゆっくり……!(わわわ!?凄いおっき!?おっぱいが……!)」


 ガットはセリーザも川で水浴びに来たのだと、顔を真っ赤にしながらも思って自分は上がろうとしていた。そこにセリーザは歩み寄り、迫って来る。



 その際に褐色のタプタプ揺れて、女の魅力が詰まった豊かな胸は、ガットの視界に入った。


「何故だ?これだけ広い川で1人専用という事はあるまい。お前も汗を流したいなら、一緒に流せば良いだろう?」


「え……と……」


 近づいて来るセリーザの体が思いっきり見えてしまい、サラにも負けないぐらいの大きな果実が揺れ動いている。男を余裕で魅了出来る程、ガットから見て彼女に色気は充分感じられた。


 ガットは結局後ろに下がり、再び川に体を浸からせるしか出来なかった。


「待て、ガット!あまり先に進むと底は急に深くなるから来い!」


「わっ!?」


 セリーザに腕を急に掴まれると、強い力で引っ張られてガットは抗う事が出来ず。


 そのまま彼女の柔らかな谷間へと埋まり、セリーザはそのままガットの頭と背中に両手を回して抱き締める。


「〜〜〜!!??」


 ダークエルフの胸の中に埋まり、ガットの心臓の鼓動は一気に高鳴ってしまう。


「お前は覚えていないだろうが、ガット。私の傷の手当てをする時、見ているからな?それに風呂にも共に入った事がある」


「そ……そうなん……ですか?」


 ぷはっ、とガットはなんとか顔を上に向けてセリーザと見つめ合う。その彼女は優しい笑みを浮かべて、ガットの頭を撫でる。


 この時の彼女は月の明かりを浴びて、まるで女神を思わせる美しさが感じられた。


「あの日、メルシャと共にガットとも離れ離れとなり……本当に心配だった。最悪の結末も過ぎったが、リーゾ王国でお前と分かった時は……心底嬉しかった」


 集落で皆が散り散りとなった時、セリーザは不安だった。もしかしたら2度と会えないのではと、しかしガットは目の前に今、確かに存在している。


 ギュッとガットを抱き締めるその手は、決して離さない。


「メルシャの家で共に暮らして、私には弟が出来たみたいで楽しい日々だったんだ。新たな家族と暮らしているようで、本当に幸せな……」


「セリーザさん……」


 セリーザにとっては可愛い弟のような存在。ガットは彼女を見上げると、愛おしく見つめる彼女と目が合う。


「なぁ、ガット。今だけ……お姉ちゃんと呼んでくれないか?」


「え?」


 突然のダークエルフの頼みに、ガットは戸惑うような顔を見せた。


「昔のお前は私の事、そう呼んでたんだぞ?今だけ……呼んでほしい。駄目か……?」


 お願いしながら見つめるセリーザ。ガットは彼女の綺麗な赤い瞳に、吸い込まれそうになりながらも口を開く。



「……お姉ちゃん……」


「ガット……!ああ、ガット!会いたかった……!」


 昔のように可愛い弟から、そう呼ばれてセリーザは愛しいと思う気持ちが大きくなって、ガットをより深く抱き締めた。


 ガットは柔らかさに包まれ、幸福感が大きくなって心地良さに身を任せる。


 彼は自然と甘えていた。



「(あ〜……流石に邪魔、出来ないよねぇ〜)」


 木の後ろに隠れて、川の中に居る2人を見守っていたのはティアモ。彼女は起きたら姿が見えなかったので、ガットを探しに来たのだが2人を見て隠れていた。


 これがシャイカやサラだったら、何時もみたいに邪魔して自らも服を脱いで入り込もうかと考えたが、今回それは出来ない。


 久々に会った姉弟のような2人の時に、わざわざ水を差す程ティアモは野暮ではない。


「(まぁ、でも……ちょっとくっつき過ぎじゃないかとは思うけどさ!)」


 それでも姉弟の域を超えて寄り添い合う2人を見て、少しティアモの中で嫉妬はあった。



 川から上がり、ガットは何時の間にか眠りに落ちている。セリーザは彼に服を着せて、自らも着た後にガットを軽々と抱き上げて運ぶ。


「すごーく仲良さそうだねー、お姉ちゃん?」


 木に背を預けながらティアモは歩いているセリーザに、ガットから呼んでもらった呼び方をした。それを聞いて、彼を運ぶ足は止まる。


「……覗き見が趣味か?」


「最初に僕達の話に聞き耳立ててた、お姉さんには言われたくないかな〜」


 ティアモとセリーザの視線がぶつかった。


「ガットを守ってくれた事には感謝するが、必要以上に仲良くなろうとしていないか?」


「親睦深める為のスキンシップみたいなもんだって、ガット君専用だけど♪」


 ガットを想う者同士。彼を渡したくない、守りたいという気持ちがかなり強い。


「まあとりあえず、キミが現時点で最も手強いと分かったし。最初会った時はそこまで行くとは考えていなかったなぁ〜」


 まいったとばかりに笑うティアモだが、その笑みは不敵な物と変わる。


「負ける気は無いよ?僕だけでなく、あの2人もそう思ってるだろうし」


「……私も譲る気は無いぞ」


「OK、お互い負ける気無いって事だね」


 ガットに関して、お互い譲る気は無い。ティアモはそれだけ言うと、先に皆の所へ戻っていく。


「ガット、お前は少し見ない間……かなりモテるようになったんだな」


 セリーザは自分の腕の中で眠り続けるガットへ、静かに語りかけた後で皆の元へと再び歩き始める。


 皆に愛されるような存在となった弟。その彼を、これから自分も守っていこうと静かに誓う。

次回は魔物達の暮らせる目的地に到着!ただそこは普通の森ではない……?

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