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特別な存在 MAI   作者: Macou
まい
8/20

今後の決断 旭の気持ち

まいの心は不安でいっぱいになっていた。

すると部屋にとみがやってきた。

不安を察してか、とみは紅茶を入れてくれた。

魔法界にきてパニックになっている時に飲んだ紅茶と同じだ。これを飲むと少し落ち着く。そして魔法でクッキーを出してくれた。


とみ

「大丈夫ですか?まい様。不安ですよね。私もです。」

まい

「そうだね。怖い。 でも不思議。この紅茶を飲むと落ち着くの。どんな魔法が入っているの?」

とみ

「この紅茶は魔法を使っていませんよ。普通にいれるのが1番おいしいのよ♪クッキーは魔法に頼っちゃうけどね♪」と笑った。

まい

「このクッキーも大好きだよ!私のお母さんの味にそっくりなの♪」そういうと、とみはとても嬉しそうに話してくれた。

「いづみとクッキーを作って紅茶を入れて一緒によくお喋りしてたの。嬉しいです。まい様と同じことができて・・・」

まいもそれを聞き、同じように嬉しい気持ちになった。

とみ

「学校の授業はどうですか?」

まい

「どれも習ってもすぐにできてしまうの!颯なんて予知してるから先生の言う前にやってるわ!私もそれが予知できててどれも内容は退屈。でも友達が出来て毎日お喋りしたり一緒にご飯を食べたり、毎日本当に楽しいの!!!」

とみ

「颯もまい様ももう授業の内容は必要がないからね・・・。もう魔法学校に通う必要はないと感じているわ。まい様次第だけど。来年の事を少し考えてみたらどうかしら?」

まいはとても寂しい気持ちになった。でも教師たちや他の生徒たちの邪魔はしてはいけないと思った。


まい

「少し今後を考えてみる」ととみに伝えた。

とみ

「まだまだ結論は焦らなくて大丈夫ですよ。視野を広げてゆっくり考えてみるといいですよ。」

そう言って去って行った。

まいはしばらく考えながらの生活が続いて行った。


時は流れて中学3年生になっていた。

リカは魔法界と一般界の番人の仕事をしながら魔法学校に通っている。

まいは魔法学校に通いながら部屋では戦いの呪文などの勉強を個人的にやっていた。そして夜は颯と戦闘練習もしている。時にバッハ大臣がまいの部屋にやってきて今の魔力がとのくらいなのか、どんな様子なのか見に来た。

晃一も同じく学校に通ったり、部屋ではとみに強力な魔法を教えてもらったりして過ごしている。


まいは魔法界に自分が来たことでトワイズ達を抑制できていることに誇りを感じながらも一般界での生活にも少し未練が残っていた。

私が学ぶのは魔法ではなく一般界なのかもしれない・・・そんな風に感じていた。


そしていつものように魔法学校に行った。

今日は自分の気持ちを颯、旭、リカに相談しようと思っていた。しかし颯は晃一に呼び出され忙しくしていた。リカも他の友達とお喋りしている。旭とまいだけになるとバッハ大臣が現れる。

最近よく颯がいなくなるとバッハ大臣が現れる。そしてバッハ大臣は旭を呼ぶ。それはまるで旭とまいを2人にしたくないんだ・・・そうまいは感じていた。


リカと2人になった時リカに聞いてみた。

「なぜバッハ大臣は旭を信用していないの?旭は魔力も強いのに役員にも呼ばれない。どうして?」

そういうとリカは小さい声で話した。

「旭の両親はトワイズに闇落ちしてあの戦いで亡くなってるの。その血が流れている旭にきっと警戒しているのよ。」

まいは驚いた。


旭は自分の状況をよく理解していた。そして認められるように必死だった。

「旭・・・・かわいそう・・・」

まいが呟くとリカはとても悲しそうな表情をしていた。

リカ

「旭の頑張り・・・私1番近くで見守っているのに!何もできないの!旭はバッハ大臣に認められたい そう思っているはずよ!」

リカはとても悔しそうだった。


その日は自分の気持ちの相談はできなかった。

そしてリカとまいは部屋に戻りいつもの紅茶とクッキーを出し、一息ついた。


リカ

「私旭に告白する!!」

まい

「リカなら大丈夫だよ!頑張ってね!私も話したい事があるの・・・」

そういうと魔法学校に通うことを止め、一般界の学校に通う事を考えていることをリカに打ち明けた。

リカは一般界の学校に行く事を応援してくれた。そして魔法界と一般界を結ぶこの建物をより厳重に守り、まいを守らないといけないと感じた。


リカ

「颯やとみさんには伝えたの?」

まい

「まだ・・・・。なかなか言うタイミングが見当たらなくて・・・・。でも今年一年は魔法学校に通うつもりよ!一緒にたくさん思い出作ろうね♪」

リカは喜んでくれた。


次の日からリカは旭と2人になれる場を探していた。でも目立つ存在の旭にはなかなかそんな隙は見当たらなかった。

そして今日もまたいつものように颯、旭、リカ、まいは4人で昼ごはんを食べていた。4人は中庭のベンチで昼食をとるのが日課になっていた。


そこへ今日はあやほもやってきた。

あやほ

「皆様のお邪魔をしちゃって申し訳ありません。」

「そんなことないよ。気にしないで一緒に食べようよ♪あやほちゃんも大変だね。颯は忙しくって全然会えてないでしょ」

そういうとまいは自分と晃一の護衛のせいで2人の時間を奪っている と感じて下を向いた。最近は夜の戦闘訓練もまいとやっている為、2人の時間を取れていないことも理解できた。


あやほ

「颯の使命なんです。とても光栄な事です。」

まいを見て言った。

まいは「ごめんなさい」小さな声で謝った。

あやほは全力で首を振り颯は慌てていた。

「何を言っているんですか?俺が好きでやっていることです!魔力も高め合えるのはまい様だけですよ!!」

そういうとあやほの表情は固まっていた。

これは嫉妬しているのだ。でもまいの手前そのような表情は表せない そうまいは捉えた。


まい

「今日は晃一と私 実は2人で晩御飯の約束をしているの!そこから姉弟仲良くお喋り会する予定なの!だから颯!私たちのことは気にせず!いつも忙しくさせちゃってごめんなさい。」

そういうと颯は頷いた。あやほは小さく頭を下げた。

リカはまいが強がっていることをよく理解していた。


その日の夜、まいと晃一は2人で晩御飯を食べた。

晃一

「急に呼び出すなんてどうかしたの?」

まい

「晃一とご飯が食べたかっただけだよー!今日はフルコースのディナーだよ♪一緒に楽しもう!」

晃一

「おかしい!颯兄ちゃんと何かあったんでしょ!」

晃一は勘が鋭い。

まいは笑って誤魔化した。そして今習っている魔法のこと、学校で気になっているさなのことなど他愛もない会話をとことん話し、楽しく過ごした。


その頃颯は・・・

「あやほ。まい様に何か気に入らないことでもあるの?」

あやほ

「あるわけないよ!でも颯、最近忙しくて全然会えないのは事実だよね?」

「ごめんね。心配させて。」

あやほ

「魔法界にとって重大な任務なのはわかってるよ。でも無理はしないで」

「わかってる」

颯はいつもより口調がキツかった。あやほはより心配が増していった。



そしてまたイベントの日がやってきた。

クラブのような雰囲気に今日も観客は満員だ。

颯も旭ももちろんスタンバイしていた。そして今日のイベントはまいも出演予定だ。まいは緊張しながらも皆の前にでることを喜んだ。

そして大きな重低音とポップな音楽が鳴り響き、まい、颯、旭はステージに立った。大歓声の中、まいもその歓声に答え、ファン達に手を振った。まいもスターの仲間入りをし、気分が良かった。

でも遠くでポツリと見ているあやほがどうも気になって仕方なかった。きっとあやほだけは私の存在を認めてくれていない。そう感じた。


イベントが終わるとリカが大興奮で迎えてくれた。そしてまた旭に飛びついた!旭も嬉しそうにリカを抱っこした。2人が両思いなことは誰がどうみてもわかる。

そして颯はあやほのところに行った。


残った旭、リカ、まいで話しているととみが来た。

颯が抜けるといつもはバッハの見張りがくるはずなのに今日はとみだった。そして旭は「チッ」と舌打ちをした。旭はとみには本音を打ちあけた。

「俺が信用されていないのはわかってますよ。でも負担ばかり背負わされてバッハ大臣本人がくるわけでもない。俺は一体なんなんですか」

イベントで最高潮だった4人のテンションがいっきに静まりかえった。

颯は慌てて旭の元に戻ってきた。


どうやらバッハ大臣に言われ、旭はトワイズに潜入捜査をさせられているらしい。スパイとしてトワイズ達の中に入れられている旭はバッハの対応に不満を溜まらせていた。それを必死になだめる颯。そしてその様子をじっと見つめるとみ。何かを見極めるかのような視線だった。


リカは普段の優しい旭との違いに戸惑っていた。

とみはまいの前から離れようとしない。旭を警戒しているのか守っているようだった。

その行動に少しリカも苛立ちを見せた。

リカ

「旭は裏切りはしないよ。とみさん。どうしたのよ。」

「リカ・・・いいんだ。俺の両親は皆を裏切った人なんだ。皆が俺を警戒するのは当たり前なんだ。でも俺を捨て駒のように扱ってくるバッハ大臣の対応に少しガッカリしているよ」

リカは旭に寄り添った。

「どんな時も私は絶対に味方だから」

旭はリカを抱き寄せた。


あんなにも悔しそうな表情をする旭を初めて見た。とみは表情を何一つ変えず、旭を見ていた。

颯は旭の悔しそうな表情を見て、同じように悔やんでいた。そして颯はバッハのところにテレポートしようとしたがとみに止められた。

とみ

「颯、深呼吸しなさい。少し冷静になるの。大臣に伝えるのはそれからにしなさい」

そういうとまた颯は悔しそうな表情をした。

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