部屋
とみは部屋に戻った。
まいは1人静かな部屋で、両親のことを思い、祈った。
そして机にある魔法の本をめくり、封印について勉強を始めた。
しばらくすると"誰かくる"と気配を感じた。
そしてその3秒後、トントンとまいの部屋の扉を叩く音が聞こえた。
「颯です。今日の晃一様の様子を伝えたくてきました。」
扉を開けると、顔は色白で背は高く、清潔感のある髪型の颯が立っていた。
「いつも晃一を守ってくれて本当にありがとうございます。晃一はあれから何か言っていましたか?」
とまいは聞いた。
颯
「優しそうなお姉ちゃんでよかった と言ってました。」と微笑んだ。
笑うと目尻にシワができ、少しとみに似ている。
颯
「晃一様はいつも魔法の勉強に励んでいます。まだ小学生ながら魔力はずば抜け、大人と互角なレベルまで達しています。私が魔法を教えれることも少なくなってきましたよ」
まいはまだ魔法についてあまりよく理解していないが颯も相当なオーラと強さを感じることができた。
まい
「明日から晃一との時間はいつ頃都合がつきますか?」
颯
「学校や勉強、趣味や自由時間などを終えて大体毎日20時くらいになると思います。それくらいの時間にまい様の部屋に行く とのことです。」
まいは頷き、
「ありがとうございます。これからもご苦労かけると思いますが晃一をよろしくお願いします。」
すると颯はニコっと笑い部屋を出ようとした。
そして扉の前で止まると振り向き
「まい様と俺は同じ年♪そんな堅苦しくしなくて結構ですよ♪」
そういうと扉がしまり颯は行ってしまった。
まいは少しドキッとした。
そしてまた何事もなかったかのようなフリをして机に戻り魔法の本を開き、勉強を始めた。
しばらく勉強していると、また誰かの気配を感じた。
またその3秒後扉をノックする音が聞こえた。
リカだ。
まいは魔力が強いせいか予知の能力を自然と持っていたようだ。
リカが部屋に入るとまいはほっとした。
そして今日会った弟のこと、とみから聞いた両親の事、全てを話した。
なぜだかリカの前で両親の話をすると涙が出た。
それを聞いてリカも一緒になって泣いてくれた。
リカ
「まいはすごいね。でもいつも強くいなくていいんだよ。もっと周りに甘えなよ。まいの親は立派な魔法使いだったのね。私もそんな人が親だったらいいなー。
私は親を知らないの。
一般界の親戚のところで9歳まで育ったの。その親戚も親とは親しくなかったようで会話にでてきたことがないの。」
まいはリカの心が心配になった。
リカ
「でもこうして魔法界に入ってこられたし!育ててもらったことに感謝しなきゃね!」
いつでもリカは元気で明るい 太陽のような笑顔を見せた。
リカ
「晃一くんと仲良くなれるといいね♪」
まい
「うん!!!
・・・・ところで颯という人を知ってる?」
リカ
「もちろんよ!魔力が学校で1番強いのよ!魔法界でもバッハ大臣の次と言われているくらいよ!」
まい
「へぇ・・・すごい人なんだ 颯さん。
同じ歳なんだね。てっきり年上かと思ったよ!」
リカ
「落ち着いていて年上に見えるよね。旭くんと仲良しなのよ。女はみんなその2人に夢中よ!!今度大きなのライブイベントがあるんだけど見に行かない?」
まい
「行きたい!!!!でもとみさんに学校のことも聞いてみてからにする。」
そして他にも魔法学校のことをお喋りした。2人は普通の中学2年生。年頃の女の子のような普通の会話だった。リカはまだ授業があるようで魔法学校に戻って行った。
まいは魔法学校がどんなところなのか気になった。リカと一緒に通いたい。
そしてとみさんに聞いてみる事にした。
扉の前に立ち とみさんを呼んだ。
すると真っ赤に目が腫れていたとみさんがやってきた。
たくさんまいの両親のことを思ってくれていたんだな・・・・と感じて胸がギュッと締め付けられた。
でもとみは何事もなかったように元気に振る舞っていた。まいの机に置いてある本を見て
「まい様勉強していたのですか?」
まい
「うん。少し。でもわからないことだらけなの!!私、リカと同じ魔法学校に通いたい!!」
とみ
「みんなびっくりすると思いますよ?安全の為に私がついていきたいのですが、、、う〜〜ん。
あ!そうだ!学校の間は颯に護衛を頼みますね。私は晃一様の家庭教師をしていて忙しいので。学校の時間だけはまい様と晃一様のフォローを交代するのはどうでしょう?」
まいは少しドキッとした。
でもこれでリカと学校にいけると思うと嬉しかった。
明日からは学校が始まる。緊張していた。
少しでも魔法のこと知らないと・・・
その日は1日机にかじりつき勉強を進めた。