家族
とみさんが言ってたサプライズとはなんだろう
私の両親はどんな人であったのか、そして家族に何があったのか
色々考えていながらも
自分の居場所が見つけられた幸福感もあり、その日はぐっすり眠ることができた。
魔法界の扉を開けて2日目がやってきた
まいは部屋を出て 洗面所へ向かった。
なぜか晴れやかな表情をしている自分の顔を見て
まいは不思議に思った。
そして身なりを整えると初めての魔法に挑戦した。
扉を2回ノックして とみの顔を思い浮かべた
そして名前を唱えようとしたが
唱える前に もうとみは部屋の前に現れていた
「わ、わ、わたし、、まだ、、、」と言うと
「魔力が強いせいですかね。それとも私がまい様を気にしていたせいですかね。すぐにお呼びとわかりましたよ♪おはようございます♪」
私は魔法が使えたの?それともとみさんが察する力が強かった? やはり私が魔法を使えるというのか
半信半疑だ。
「今日はまず会わせたい人がいるんです。一緒に来てくれますか?」
ととみは手を伸ばした
まいがとみの手を握ると
そこには知らない部屋の扉の前だった
そしてその部屋にとみはノックをした
するとさわやかな顔立ちをした青年がでてきた
「お待ちしておりました」
そう言うと扉を開けて中に入れてくれた
部屋はまいの部屋と同様8畳の部屋に ジグゾーパズルがかざってある部屋だった
そして中にいたのは小学生の男の子だった
その子はこちらをギロリと睨んだ
その時まいはビビッと雷が落ちたかのように何かが身体を走った。
そして走馬灯のように記憶を思い出した。
幼い弟の笑っていた顔、泣き叫ぶ顔、、、、
「こ う い ち・・・・・・・・・」
「晃一なのね!!!!!私よまいよ!!!!あなた生きていたのね!!!!」
まいは初めて大きな声を出した
まいの家族は生きていた
そしてすぐに晃一を抱きしめ
「大きくなったわね、、、晃一の顔だけは私はっきり思い出したの!!!!」
とまいが言うが晃一は何も喋らない
そしてまいはくるりと後を振り向き、とみを見た
「私の家族よ!生きていたの!!お父さんお母さんもどこかにいるのよね?」
興奮しながらとみに言うが
とみは首を横にふった
「生きていたのはまい様 晃一様だけです」
「そんな、、、私少しずつ過去を思い出せているのに、、、」
まいの顔はまた曇り顔になってしまった
晃一
「この人が僕の姉?いきなりそう言われても何も覚えていないんだ。僕に姉がいるのも周りの人から聞いているだけなんだ ごめんなさい」
まだ10歳の晃一は 自分のベットに座った
すると隣にいたさわやかな青年が口を開いた
「晃一様 大丈夫です。心配しないでください。血の繋がった家族がいるというのは心強いですよ。」
青年は晃一に微笑みかけた
とみも微笑んだ
とみ
「そうですよ。私もこの息子にどれだけ助けられたか。 まい様 晃一様のフォローをしているのは私の息子です」
「颯と言います。よくぞご無事でなによりです。まい様 よろしくお願いします。」
颯はとても爽やかな青年だった。
まいは颯にお辞儀をし晃一を心配そうに見た。
「晃一。 ごめんね。いきなり抱きついて。びっくりしたよね。 記憶がないの、、、私も同じだよ!少しの記憶を辿ってて思い出せたことが嬉かった。きっとあなたも私と同じで少しずつ記憶が戻っていくのかな?でもあのころは5歳だったし私より難しいか、、、」
晃一は何か思い出せないかとまいの顔をジロジロ見始めた。
そしてため息をついた
「ごめんなさい。何もわからない。でも姉とみんなが言うのだからそういうことだよね。少し時間をください。」
まい
「毎日1時間 私とお喋りしない?別に無理に思い出してほしいとかじゃない。晃一のこと幼い頃の記憶しかないの!だから今の晃一をよく知りたいの。」
すると晃一は頷いた。
「明日からでもいいかな?今日はまだ混乱していて」
そういうとまいはとても喜んだ。
とみとまいは手を握り
まいは部屋に帰っていった。
颯
「大丈夫ですか?」
晃一
「うん。びっくりしたけど優しそうな人が姉でよかった。昨日姉が生きてるって聞いて、どんな人か最悪の想像もしておいていたからね笑 颯兄ちゃんがびっくりした顔をしていたの。僕見てたよ?いつも冷静な颯兄ちゃんもびっくりすることあるんだね笑」
颯と晃一はくすくす笑った。
一方まいの部屋ではまいが
ポロ ポロ と涙をひとつずつ流していた。
まい
「晃一、、、生きていたのね、、、私と晃一は両親が死ぬ時一緒に砂漠のような場所にいた。私の両親になにがあったの?」
とみはうつむき なかなか顔をあげなかった。