第2章 私は麻衣
そしてまいは高校一年生になった。
第二章・・・・・
私の名前は麻衣。
麻衣は小学生の時から捻くれていた。
この時代皆、核家族の人が多い中、麻衣の家は二世帯同居型。両親と父親側の祖父、祖母と暮らしていた。
周りの家は同じような二階建て造りの家が多いが麻衣の家は細長い3階建て。田舎町では珍しい3階建ては少し目立ち、街並みには馴染んでいなくて少し異様な感じだ。
父親は仕事で忙しく家にいることはほとんどなかった。祖父、祖母もまだまだ現役で仕事をしていた。母親はパートで仕事に行き、家に帰ると祖父祖母の分までの家事に終われていて、母は完璧主義な性格から夕食はご馳走ばかり並んだ。洋服はシワ一つなかった。その分麻衣に構う時間はなく、麻衣はいつも1人遊びをしていた。人形を使って遊んだり、近くに落ちていたカラフルな洗濯バサミを人形に見立てて遊んだり、テレビアニメを見ては妄想したり・・・。
でも金銭的には裕福な家庭だったし何一つ不自由はしていなかった。ただ麻衣の心はポッカリ穴が空いていた。
小学生の頃の麻衣は友達によって自分の性格をコロコロと変えていた。友達に合わせようと必死だった。静かでおしとやかな子の前では引っ張っていくような明るく明朗活発な女の子になる。リーダーのような子の前ではまるで子分かのようについて回るだけのイエスマン。
中学生になると思春期真っ盛り・・・・。異性というだけで見る目が変わり、喋りにくかった。異性に話しかけられるだけでドキドキしてしまう。周りにどう見られているのかばかり気にして平気で同級生に嘘をついたりもした。
麻衣の中学2年の時・・・事件は起こった。