第四話 魔王
『起きてるか、〇〇〇』
『何だ? まえす?』
『YouTubeやるなら名前変えるのもありかもな』
『ヒカル』
『ヒカル?』
『ヒカルにしよう。今天から降ってきた』
『ヒカルかぁー』
『原点オブ頂点もひかるだしな。今日から俺はヒカルだ。決定。後は何をするかだ。それにしてもこのボス手強いなぁ~』
『ならゲームする?』
『ゲーム? FF16?』
『いいじゃん』
『みんな知ってて、YouTubeでブルーオーシャンだしな。よし! ヒカルゲームズ爆誕だ!』
『なんかドキドキしてきたな』
『まぁ、見とけ。俺なら三年もあればナンバーワンになれるっしょ』
『三年でなれたら凄いな』
『いや、二年やな』
『短くなっとるし』
『こういうのはなぁ、ハッタリが大事やねん』
『確かに……』
「シェリー」
「何、ヒカル」
「シェリーは何で俺を選んだんだ?」
「アタシが転生したのは、だいたい一年前なんだ」
「一年?」
「そう。その時、アタシは記憶が無くなっていたんだけど、一つだけ覚えている事があった」
「それが俺?」
「正確には、YouTuberのヒカル」
「だから俺の名前を知っていたのか」
「それで転生の先輩として一つアドバイスすると」
「元の世界に戻るには、この異世界の魔王を倒すしかないんだな」
「うん」
「でも、それっておかしくね?」
「何が」
「だって、まだクリアした人はいないから魔王が生きているんだろ? なのになぜ俺たちはそれを疑ってないんだ」
「それはとても簡単」
「そうか、やはり、俺は転生したというより、この世界にリンクしたって事か」
(でも、俺はFF17だが、シェリーがFF17の訳ない……。つまり、シェリーは、まだ何か隠しているって事か……。まぁ、あまりコイツの話を鵜呑みにするわけにはいかないな)
「ならシェリー。さっさと魔王の場所を教えろ。もう居場所は突き止めてるんだろ?」
「ええ。ここからさらに北。オーディナリーの天空城」
俺たちは、先ほど倒したエンシェントドラゴンの広い背に乗って、ひたすら北へと向かっていたのだ。
『おい、俺たち入れ替わったらどうだ?』