第一章 はじまり
このお話に出てくるキャラや組織は全てフィクションです。
俺は起きた時に全てを理解した。
人は決して強くなれない事を。
なのになぜあの時、まえすの言葉を信じられなかったのだろう。
「なぁ~。腹減ったな~」
「冷蔵庫に寿司あるよ」
「そう言えば、話は変わるけど、俺、ユーチューバー止めようと思ってんねん」
「……」
「俺、どう見ても善人じゃないじゃん」
「……」
「だって、ユーチューバーは善人じゃないといけないって、みんな思ってるじゃん」
「……なら、止める前に最高の偽善者になるっていうのはどうだ」
「なぁ、まえす」
「なんだヒカル」
「俺がヒカルって名乗る事にした日の事覚えてるか?」
「ああ。今思えば、あれは俺とヒカルを変えた事件だったな」
「それよりなんかこの寿司腐って――イタイ! やばい! マジ死ぬ! 腹がぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「大丈夫か! ヒカル!」
「わりぃ、俺死んだわ」
(起きて……)
「……」
(早く起きて勇者様……)
「う……ん?」
(ヒカル! もうあなたしかこの世界を救えないの!)
「……ま……え……す?」
俺が目を覚ますと、まえすはいきなり唇を重ねてきた。
(そうか俺、ようやく死ねたんだ……)
そこは嘘の様に綺麗な湖でした。
つづく