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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

水溜りの「そこ」と「底」

作者: あかかかかkkk

短編です。

予告なしの大遅刻です。もう不定期で良いのでは?となった今日この頃。オイ。

今回暗めのお話です。

そういうのが苦手だよ!って方はブラウザバック推奨。

あぁそうそう。

これが最後!ってなると急に気が楽になる時、ありますよね?

——皐月阿礼(さつき あれ)

 そうだ。死んでみるか。

 丁度焼き上がったばかりのふわふわのだし巻き卵を切っていたところだったので、

 持っていた包丁を逆向きに向けた。

「っと、その前に……最後の晩餐はこれでいいか」

 だし巻き卵を一つ口の中に放り込んだ。

 咀嚼する。……なんか甘い。みりん入れすぎた。

「まぁいいか。及第点ってことで」

 そして持っていた包丁を刃の先の方向へデュクシーっと。

 あぁ。そうだよ、この痛みだよ。最近忘れがちだった。

 いや慣れたもんだけどさ。何回もやってるし。

 包丁を抜いた。

 わぁ黒い血。静脈刺しちゃったかな。動脈刺したと思ったんだけど。

「やっぱりまだ練習が必要かな」

 と言っても死ぬことに練習なんて無いんだけど。

 体から血と共に力が抜けていく。頭が回らない。

 疲れたな~。眠いな~。寝よ~。

 床に寝そべった。あ、包丁置いとこ。誰かがケガすると危ないし。

 起き上がって包丁をまな板の上に置いた。

 そしてもう一度寝そべった。

 あー眠い。

 目を閉じた。

 享年16。

 死因は失血死。それはそれは綺麗な寝顔だった。エプロンには血が染みついていた。


 まだだった。


——朝露亜白(あさづゆ あしろ)

 ちぇ。結局か。

 種明かし。このマジックの(倒置法)。

 私は何度死んでも転生する。でもちゃんと限度があるって。ほんとかなぁ。

 事の始まりは、えぇと。

(23+45+57+38+68+105+11+72+67+……

 ……32+13+19+23+24+18+16で、)

 えぇっと……

 雑に900年くらい前かなぁ……

 私が磐城杏(いわき あん)だった頃、

 交通事故、いわば事故死しちゃったんだよ。

 まぁ、輪廻転生って言うのかな。その辺は知らないけど。

 説明するの怠いし、かくかくしかじか。

 伝わった?OK、伝わったね。

 要約するとなんやかんやで記憶が残ったまま転生することになった。どっかの天使(?)のせいで。

 そのせいか分かんないけど、記憶力が抜群に良くなった。確か3回目の転生で気付いたんだけど。

 最初何で気付かなかったんだろうってレベルだったよね……。

 ちなみに最後の方やけに寿命が短いのは理由があって。

 全部()()()()()()()()から。

 はは、おかしいよね。こんなに死んでるのに。生の苦しみから逃れられないなんて。

 記憶が残ってるってことはそのその分絶望も生きてきた数だけ増えるんだよ。

 不死身が辛いのってこう言うことなんだって、気付いた。

 でもさ、不死身の方がまだマシなんじゃないかな。

 不死身と違って私には死がある。

 今まで積み上げてきた事が全部ゼロに戻るんだよ?絶望感凄いよね?

「あは」

 ちょっと寝るね。

 享年18。

 死因は溺死。浴槽には綺麗な顔の女性が横たわっていた。なるべく直視は避けた。


 まだだった。


——徒花愛和(あだばな あいわ)

 だよね。そうだよね。

 結局、そうだよね。

 やっぱりまだ終わらないよね。

 終わるわけないよね。

 終わってほしかった。

 終わりたかった。

 なのにまだ続くんだ?

 ふぅん。

「あっ!お久しぶりです!貴方が私を終わらせてくれる人ですよね?」

 笑顔で手を振った。

 享年14。

 死因は失血死。通り魔に刺された。顔に一切の傷は無く、胸のあたりを何度も刺された痕があった。

 路上には沢山の花が手向けられていた。綺麗だった。


 まだだった。


——桜田蒼桜(さくらだ あを)

 やっぱり?

 うん。

 やっぱり、

「ここはあれを再現すべきだよね!」

 享年17。

 死因はショック死。桜田門駅に大勢のフラッシュモブが現れたと思ったら、急に乱闘が始まった。

 現代版桜田門外の変だった。左胸には銃弾が埋まっていた。穏やかに眠っていた。綺麗だ。


 まだ、だった……?


——磐城杏(いわき あん)

 見覚えのある名前だった。あまりにも見覚えがある。

 いつもは生まれてくるところから始まる流れだったのに、今回は何故か歩道を歩いていた。雨だった。

 すれ違った人は私を見て驚いたような顔をした。

 あっ、急に止まったからか。

 歩き始めた。いざ交差点に差し掛かりそうになった時。

「うん?待てよ?」

 止まった。目の前を大型トラックが走り抜けた。

 危なっ。って、うわ。

 スリップした大型トラックと乗用車が派手に衝突した。

「巻き込まれるところでしたね」

 見覚えがある顔だった。見覚えのある天使だった。

 私を転生に引き込んだ張本人(天使?)だった。人間の姿の彼女はこう言った。

「これが最後です。頑張って下さい」

 そう言って路地裏に消えた。大量のヤジウマの間を通り抜け、追いかけた。姿はなかった。

「ま、お決まりだよね」

 大体こういうキャラはすぐどこかに消えるしー?

 ……よし!これも最後だし、頑張りますか!

 というか実質的にただ絶望を味わわせた代わりに命を救われたような気が……?

 あの天使は転生の絶望を味わわせた後に、死ぬはずだった元の命を救ってみせたのだった。

 ふと見上げると、雨は止んでいた。虹が架かっていた。綺麗だった。……目の前が大惨事だけど。

 水たまりを覗き込むと。

 そこには美少女JKが居た。今、私は水溜りの底に居なかった。奥には虹が映っていた。

 今は虹より私の方が綺麗だといえる自信があった。

今回は暗いお話でした。暗いね。怖いね(※個人の感想です)。

大遅刻です。学習してません。どうしましょうか。

よし、毎週土曜の午後5時の投稿にしよ。

ってことで、連載の方は来週土曜の午後5時更新だよ!

あと最近敬語が抜けてきた気がする!

んじゃ、

BYE!

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