第94話 大人の飲み会
夜の恒例、大人の男子飲み会。
俺、ロン、クルーべのいつものメンバー。
リオ家では女性が2人も増えたので、前回よりも更に発言権が低下した男子飲み会。
最近は、朝食仕込みで朝早く起きる為、夜ではなく昼にしてと開催時間の変更を次回あたりから、しなくてはならなくなった。
「なぁ。クルーべ、コレなんだが……。」
そして、たまたま買い出し中に配られた号外記事を2人へ見せる。
それを見た時、まずどこからツッコめばいいのか分からなかった。
記事の存在すら知らなかった。
内容を読むまでは、「へー。こんなのあったんだ。」程度にしか思っていなかった。
知らない方が良かった。
「ああ、リオさん。それ読んだのですね。
私も度々フライデーされるのでウンザリですよ。」
「フォッフォッ。奴らは厄介じゃからのぅ。」
「おや?ロン殿でも手に負えませんか?」
「フォッ。2人程消し炭にしたんじゃがのぅ。
それからというもの、火耐性装備を揃えてフライデーしてきおったわ。」
あまりにもロンとクルーべがさらりと会話をするので置いてけぼりをくらった。
待て待て。
この記事の内容おかしいだろ?
「ああ」で済ませるなよ?お前のことだろ?
近しい人物って……アキヒコ達じゃねぇか。
あいつらまた情報を売りやがって、マジ説教しないとダメだな。
あと俺の略し方にやけに悪意があるだろ。
ポワポワストラップってなんだよ!
売れるのか?売れてるのか?
ウチに利益きてなくね?
その全てを飲み込み、会話の中で知らない単語を聞いた。
「爺さん、クルーべ。フライデーって何だ?」
「フォッフォッ。何じゃ?知らんのか?」
「リオさん。その記事、週刊王都を発行してるフライデー商会ですよ。
どこに居ても突撃取材されるので、皆フライデーされると言ってますね。」
「へぇ。有名になるとされるのか。知らなかったな。」
しみじみ言うと2人は驚きに染まった。
「リオさん!されたこと無いのですか?」
「フォッ?幸運にも程があるじゃろ!」
「そんな馬鹿な!?ではこの最新号は……。」
取り乱したクルーべが胸のポケットから1枚の紙をとりだす。そこに書かれた記事タイトルを見て盛大に吹き出してしまった。
【週刊王都 号外】
『異界の主リオ、実は神だった!?
やはり!あの家は人が立ち入れる領域ではない??』




