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中年冒険者、家を買う。  作者: 小雅 たかみ
1棟目 ~始まりの元宿屋~
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第74話 ギルド案内Ⅲ

ついでに個別のアドバイスもする。


まずはネル。


個人の技量は俺より高い。個人戦をしたら負けるだろう。

しかしパーティになると他の3人との連携があまり取れていない。

アキヒコ達に合わせる気持ちはあるのだが、自分の実力を落として合わせようとするのが原因だった。


「ネル。合わせるのを自分が弱くすると捉えるな。上手く使うと思え。」


ネルを連れて訓練広場まで戻り、ネルが持っている投擲武器を数種類投げてもらう。

当然、形状によって投げ方が変わる。

本気で投げる物や軽く投げる物。


では軽く投げる物は手を抜いてるのか?というとそうではない。その方がよく当たると知っているからだ。


道具に合わせて使い方を変える。

人も同じで、それこそが人を使うと教える。


「……ん。なるほど。」


普段使う武器を例えにしたので理解も早そうだった。


ネルを連れてギルド食堂へ戻り、他の3人にもアドバイスを送る。



タロトへは周りを意識すること。


動き方や盾の使い方は経験していけば自然と上がっていくだろう。

あとは直情的な性格をどこまで自制し、視野や思考を意識できるか?


「タロト。このパーティの要はお前だ。

求められることは多いが、頑張ってくれ。」


「ハッ。当たり前だ。任せろ!」



アキヒコは目を閉じないこと。


臆病な性格の為、自分の魔法ですらその破壊力に怖がってしまう。

目を閉じて魔法を撃っても当たる訳が無い。

まずはそこから。


「アキヒコ。お前の魔法が必要な事態は必ず来る。

そんな時、目を閉じてちゃ話にならん。」


「うぅ。ごめんなさい。」



パルムには迷わないこと。


回復役は迷ったらダメだ。

模擬戦でもネルを投げ飛ばしタロトにぶつけたら、どちらを回復するか迷っていた。

時間がかかればどちらも助けれなくなるかもしれない。


「パルム。もっと皆と話し合え。

迷うとは知らないってことだ。そして自分のことを知ってもらえ。」


「はいですぅ。」



個別のアドバイスも終わり、後はパーティでの連携や方針だ。

そこにまで干渉することはないと思い、

「それはお前達で考えることだ。それに俺はソロだ。」

とアキヒコ達4人へ丸投げした。


内気な性格のアキヒコやパムル。

喋るのが苦手なネル。

直線的なタロト。


誰が話し合いをまとめるのかさっぱり分からなかったが、今まで外周1周クエストをこなしてきた実績もある。


一緒に居た時間がそこまで長い訳ではないし、ムードメーカー的な存在も居ない。

それでも。いや、それだからこそ。

アキヒコ達4人は真に力を合わせて、この先の将来を進んで行くだろう。


アキヒコ達4人は、冒険者として歩み始めた。

あとは彼らの物語だ。

俺の役目ももうすぐ終わるな。としみじみ感傷に浸っていた。

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