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中年冒険者、家を買う。  作者: 小雅 たかみ
1棟目 ~始まりの元宿屋~
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第7話 エルフⅡ

ポツポツと間隔の開いた光の魔道具から零れる怪しげな光に照らされている家の中。

連結したテーブルの上にエルフを載せ、イヤンな部分をシーツで隠し、その周りに中年、老人、老婆。いえ、悪魔召喚じゃあ御座いません。


しかしこのエルフ、やたらと肉々しい。出るとこ出まくってる。

普通のエルフってもっとスレンダーなイメージがあったのだか違うのだろうか?

あまりエルフに会うこともないので、ちょっと変だな?ぐらいにしか思ってなかったが、他の2人は違うようだ。


「ヒッヒッ。このエルフっ子は普通とは違うねぇ。」


「フォッフォッ。まぁそうじゃろぅ。それにこんな物騒な物を付けとるしのぅ。」


ロンの言う物騒な物とは首に着いてる金属の輪だ。

よく見ると魔法の文様が赤く光っており、流石にコレは見たことはあった


「奴隷紋か。」


奴隷。

この世界には奴隷制度があり、金銭のトラブルや犯罪により奴隷落ちになる。

冒険者の中にも依頼を失敗して奴隷となった奴を何人も見てきた。


失敗しそうな依頼を受ける方がどうかしてると若い頃は思っていた。

だが、1度護衛対象の子供が走る馬車から飛び降りた時は、「あ、こういうことなのか!」と予期せぬところから失敗に繋がるんだと肝に命じた。

その後、間一髪受け止めることが出来たが、子供の親から何故か怒られ、子供は「蝶々が綺麗だった。」と意味不明な言動をするわで散々な目にあった。

それ以降は、依頼に失敗した冒険者を生暖かい目で見れるようになった。


そんな奴隷が付ける首輪が奴隷紋だ。

簡単にいうと、何かやらかしちゃった系である。


ここに寝かされてるエルフも何かやらかしちゃったと思われるが、平常運転で関わりたくないのが第一であった。


空気を読んで、起きたら何処か奴隷商人とかそういう場所へ返すのが普通だろう。

奴隷にした奴が悪いのではなく、奴隷にされることをした方が悪いのが一般的なのである。

自分の考えにそう頷いていたが、空気を読めないジジイがいた。


「フォッフォッ。ならばこれは外してしまうかのぅ。ホレ。」


と言いながら、指先から魔力を放出し複雑な魔法陣を描くとその魔法陣はエルフの奴隷紋に吸い込まれパキンという音をたてて奴隷紋が消え去り、金属の輪もカランと虚しい音を立ててテーブルに転がった。


『ちょっ!ジジイ。何してんの?』という感じで驚愕する俺。

『あー、またやっちっまった。』という感じで額に手を当ててため息を付いているババア。

そんな2人に対して、終始ドヤ顔のジジイ。


ジジイは置いておいて、今後どうするか悩んだ。


ミラと相談したが、「とにかくエルフが起きないことにはどうしようも無い。」と正論を言われる。しかし事情なんて以ての外、聞きたくない。が、ボケたジジイのやらかしは大問題なので逃げる訳にもいかず、仕方なしに部屋を提供することになった。


そして、恒例のように俺の部屋移動である。


住人が増えるアテがなかったので空き部屋の準備など当然しておらず、年寄り共はこういう時だけやたら足腰を気にしだし、頑として動かず、いや動かせず、毎度のように俺の部屋をあてがい、エルフを寝かせる。


目から汗を流しながら旧俺の部屋もとい、新エルフ部屋の向かいの部屋、2階手前の左側を自分の部屋としてせっせと用意する羽目になった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 買ったばかりの自分の家なのに主人公が下手に出過ぎやわ
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