第39話 友達作り
ネル、アキヒコを連れて孤児院へ向かう。
リオ家並に大通りから外れた場所なので、2人の王都散策には選ばれなかったようで知らなかった。
まぁ安全だったり栄えている場所だったりが散策メインなので知らなくて当然だろう。
ネルがそんな場所を案内するはずもないし、臆病なアキヒコも行かない。
だが、リオ家からは割と近く徒歩15分程だ。
これなら気軽に遊びに行ける距離だろう。
孤児院で紹介する少年少女のことだが。
少年はタロトという犬人族で、犬耳とシッポがついている。
勝気で負けず嫌い。まさにわんぱくのまま育ったらしい。
少女の方はパルムという人族だ。
引っ込み思案だがアキヒコよりはしっかりしているだろう。
シスター見習としても手伝っているようだった。
2人とももうすぐ成人らしく、孤児院の生活を助ける為に冒険者になりたいと言っているらしい。
シスターはどうしたらいいか悩んでいると話してくれた。
俺がポワポワと子供達の一件で優しい人であること、そして冒険者であることで、相談に乗って欲しかったみたいだった。帰り際に話しかけられ、その後色々と話した。
こちらも同じ年頃の子供が居て将来を悩んでいること、もしそちらの2人と気が合い4人で冒険者の道を進むとなれば俺が教えてもいいことを伝え、シスターとがっちり握手を交わした。
友達になるかどうかは分からないが、まぁそれはそれでいいかと思った。
とにかくネルとアキヒコには同世代の知り合いが少ないから、少しでも増えれば何か変わるかもしれない。
アキヒコはネルに影響を受けて多少変わった。
他の子とも一緒に居れば、どんどん成長していくだろう。
良くも悪くも。
それに孤児院の子供はハングリー精神の塊だ。
アキヒコとは正反対になるので、良い刺激になってくれるだろう。
そんな事を考えながら孤児院に着く。
タロトとパルムはシスターに連れられて待っていた。
そして、あの日の子供達も居た。
ポワポワは今日は連れて来てない。というか、ついて来なかった。
当然、子供達は「ポワポワは居ないの?」となり、目に涙が溜まりはじめる。
ヤバい雰囲気プンプンだ。
「分かった分かった。すぐに連れて来るから!」と言うしかないだろ?
ネルとアキヒコはその場でリリースし、後は4人でなんとかやってくれ。
急いで戻り、ポワポワについて来てくれるように交渉する。
その光景は大人組にウケまくり、渋々ポワポワが頭上に乗る時には、皆も行くことになっていた。
カチコミか?
え?ホントに行くの?
俺、多分また四つん這いになるんだけど……。
見られたくないんだけど……。
え?更に行きたくなってきた?
マジか。俺が行きたくなくなってきた。




