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中年冒険者、家を買う。  作者: 小雅 たかみ
3棟目 ~エルフの国境街~
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第79話 合流Ⅱ

アキヒコ達と共に奪還用の前線拠点へ向かい辿り着いた。


拠点内でも街へゾンビと戯れに行く冒険者達や、生き残った避難民などごった返していた。


王都から2つしか離れていない街だ。規模もそう小さくない。

そんな街が一時とはいえ悪魔に占領された。

被害は計り知れない。しかし、避難民が居るようにまだ街中に生き延びている人達も居そうだ。


アキヒコ達に連れられて、作戦室みたいな場所に着いた。

誰もが冒険者らしかったが、武力よりどちらかと言うと知力に長けた者達がまとめているようだった。


その誰もが酷く疲れた顔をしていた。


まだ街を取り戻したばかりで王都辺りから、取り纏める為の冒険者ギルド関係者すら居なかった。


そして、この場所にそういった人物が居ないことから、奪還した街の冒険者ギルドは壊滅したということだろう。


当然の事だが、冒険者達だけではなく王都の兵士達も来ている。

徒歩組と一緒に救難物資やらを持って、同じく奪還作戦も一緒に行ったのだろう。


だが、この拠点には見当たらない。

それは冒険者と兵士は、その運用の違いで、何処の場所でもあまり仲良くない。なので、拠点を別々にしているのだろう。


そして、もしこの街の有力者が生き残っていたら、兵士側に居ると思う。


そういったことにより、武力に長けた冒険者は上級悪魔の追撃戦というお題目で、逃げた。

そして知力に長けた冒険者達がババを引いた。そんな感じだった。


「クソッ。奪還が成功したというのに、その後の方が大変だとはな……。

ああ。すまない。君たちか。その後ろに居る彼がそうなのか?」


作戦室の中で一番優秀そうな奴が悪態をついていた。あまり状況はよろしくないらしい。

それでも理性を保ちつつ、入ってきたアキヒコ達を迎え入れる。


「ええ。こちらが単身伏兵を殲滅していたリオさんです。

その様子ですと、順調ではないのでしょうか?僕らも残った方が良いでしょうか?」


「いや、それは無い。この後すぐに向かってくれ。

根本の上級悪魔が倒されない事にはまた起こり得るから、そこだけは万全を期したいんだ。

こっちの事はこっちでなんとかやるさ。」


「分かりました。ですが、無理はしないでくださいね。

ここに居る皆さん、僕らから見ても酷く疲れてるように見えますから。」


「ありがとう。気をつけるさ。」


アキヒコ達は礼をして出て行った。行く間際に「リオさん。後は頼みます。頑張ってください!」と励まされた。


他の冒険者達とも上手くやれているようだし、頼もしくなったものだと昔を懐かしんでいると、優秀そうな奴から話しかけられた。


「初めまして。貴方がリオさんか。良く噂では聞くけど、初対面だね。アルバさんやアキヒコ君達からも君のことは聞いたよ?」


「リオでいい。それで?街に潜むゾンビを倒せばいいんだろ?そんなに難しいのか?」


「いや、簡単なはずだったんだ。しかし、掃討に向かった冒険者や兵士達からゾンビが発生するようになってゴタついているんだ。」


「ああ。なるほど。」


ゾンビ狩りがゾンビになったのか。

新人冒険者達がしくじったのかとも思ったがそうでもないらしい。

どう考えてもゾンビに負けるはずがない冒険者もゾンビになっていた。


「そういう事だったのか。ちょっと着いて来てくれ。」

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